運動系脳を鍛える

運動系脳とは、手・足・口など、身体を動かすこと全般に関わる。脳の中でもっとも早く成長を始める中枢である[1]。運動系脳は、身体の動きを司り、他の脳中枢との連携が強くて、それらと呼応しあって働く[2]。

運動系脳は生後すぐに成長し始めると言われている。この運動系脳に接する感情系脳の一部が発達し、続いて視覚系脳聴覚系脳理解系脳記憶系脳が成長する。その後に思考系脳感情系脳が発達するという[2]。したがって、運動系脳は脳の基盤となる中枢で、この運動系脳は他の中枢にさまざまな影響を与えるという[2]。例えば、運動系脳による歩く行為は、見る景色が変わるから視覚系脳を刺激するという[2]。また運動系脳による口を動かす行為は、「話す」という行為に現れる伝達系脳と強く連携している[2]。このように運動系脳はあらゆる脳中枢の基盤となるので、最初に運動系脳を鍛えるためのトレーニングを開始することは有意義である[2]。

運動系脳を鍛えるには、鼻歌を歌いながら歩くのが良いという。それは「歩く」行為と「口を動かす」という行為を同時に行う必要があり、一定の負担がかかってトレーニングになるらしい。さらに自分の歌声を聞くことで聴覚系脳も同時に刺激することになるという[2]。しかしながら、これを実行するには少々躊躇してしまう。鼻歌を歌いながら散歩している私の姿を他人が見て何と思うだろうか、変人・奇人の類に思われはしないだろうかと小心者の私はつい思ってしまうからである。

他にトレーニング法はないかというと、意外にも腕立て伏せが有効らしい。腕立て伏せは、運動系脳と思考系脳を連携させるトレーニングとして最適であるという[2]。自分の意思で自分の身体を支え、ある位置をキープするという行為は思考系脳と運動系脳がきっちり働いていないとできないという[2]。運動系脳で重要なのは思考系脳で考え、自分の動きを自分で命令して、そのとおりに体を動かすのができるということである[2]。これは人間が自立するために非常に重要なことであるという[2]。

歳をとって体が衰えたり、ボケたりすると、人間は自立できなくなる。そして実際に腕立て伏せができなくなるという[2]。

また、お手玉もトレーニングになるという。お手玉を上手に行うためには、目で動きを見ることも必要であるし、ある程度、玉の動きを想像しなければならない。だからお手玉は運動系脳と視覚系脳・思考系脳が非常に密接に連携していないと上手くできないという[2]。私はお手玉をしたことはないので、やってみようかと思う。

運動系脳を鍛えるためのトレーニングになるのではないかと私が思うのは、ガーデニングである。ガーデニングは、実体験から運動系脳だけでなく他の中枢のトレーニングになると考えている。その理由は記事にしているので是非、参考にしてもらいたい。

また、サイクリングや森林浴、バードウォッチングも運動系脳を鍛えるためのトレーニングになるのではないかと私は思っているが実際はどうであろうか? 正解を確かめるためには自分で実証するしかないだろう。

【参考資料】
1加藤俊徳著、「一生頭がよくなり続ける・すごい脳の使い方」(2022年11月10日発行)サンマーク出版
2加藤俊徳著、「努力なし!70歳から脳が成長するすごいライフスタイル」(2023年4月6日発行)かや書房

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