はじめに
夫源病という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 私が初めてこの言葉を知ったときにはショックを受けたことを覚えている。
夫の言動や存在自体が妻の体調不良の原因になっている事実があるとは想像だにしていなかったからである。
今から35年以上も前に流行語大賞にも選ばれた「亭主元気で留守がいい」というフレーズを私はジョーク程度にしか受け止めていなかった。多分、私と同じ認識でいた人、特に現在、私と同様のシニア世代の男性に多いのではないだろうか。
夫源病とは、夫の言動によるストレスで妻の更年期障害を誘発したり悪化させたりすることを指すらしい。勿論、「新型うつ病」と同様に医学用語の正式な名称の病名ではない。
夫源病は、熟年の妻が訴えるめまいなどの原因の多くが夫にあると考えた石蔵文信医師によって命名されたものであるという。
熟年の妻に現れた体調不良を基本的に夫源病と呼ぶらしい。ただし、最近では更年期でなくても似たような症状で悩んでいる妻も多いという。
夫源病は、夫がいるとストレスや体調不良を感じ、いなくなると解放されたような安心感を持つことが特徴らしい。なんとも夫である自分が病原性微生物、つまり「バイキン」扱いされているようで心から笑えない。
夫源病チェックリストなるものがあって、下記のような症状に当てはまる妻は、夫源病の可能性が高いということらしい。
- 帰宅して夫がいるだけでストレスを感じる
- 夫と会話するだけでめまいや息苦しさなど体調不良になる
- 夫の行動の1つ1つにイライラしてしまう
- 夫が家にいない時は心が軽く、体調も良いと感じる
- 夫の帰宅時間を考えただけで頭痛や動悸、手の震えが出る
特に身体的な症状により自覚する人が多いようだが、進行すると不眠症になる人もいるという。日常的に強いストレスを受け続けると、気づいたときには「本当のうつ病」になっていたケースもあるらしい。このような事態になっては冗談で済まされない。
夫源病もうつ病発症の予兆と考えれば、一種の神経疾患のようなものであるので、軽視はできない。たとえ夫同士の会話であってもジョークにするなど不謹慎と言わざるを得ない。配偶者がいる男性は、かなり深刻に考えた方が良さそうだ。
とくに夫が定年退職していたり、テレワークが続いたりしていると、夫婦で過ごす時間は増えてしまう。確かに朝夕の食事の準備に加えて昼食の準備まですることになった妻は、たとえ専業主婦でもストレスを感じてしまうことだろう。特に几帳面な女性にとっては苦痛になっているはずだ。
私たち男性にとっては耳障りな「亭主元気で留守がいい」というフレーズは、今なお多くの妻たちに支持されていることだろう。
妻にも自由な時間を過ごしてもらうように配慮するなら、夫婦が別々に過ごす時間を増やす必要がある。
夫婦それぞれが自分の時間を過ごすことは大切なことであり、自由な時間はストレスの解消に繋がる。
ベストパートナー同士の夫婦ならお互いに相手の健康にも責任を持つべきであると私は思う。疾病に罹った場合、治療の原則は病原の排除である。「夫源病」の原因が「夫」であるなら、それを排除しなくてはならない。
そこで、私はリタイアを機に、田舎で一人暮らしをしてみようと思った。そうすることで、妻には私に気兼ねなく自由な時間を過ごしてもらいたいと思う。それに田舎なら趣味のガーデニングもできて私にとっては一石二鳥というものである。
本稿は、そんな私が田舎で一人暮らしを始めてから直面した些細な課題を、これまた適当に(100%手抜き)で克服(?)していることを妻に報告するメモのようなものである。もし、妻の目に留まることがあれば、苦笑しながらも少しは安心するのではないだろうか。
几帳面な人には役に立たないであろうが、家事にも選択と集中、戦略と戦術が必要であることは理解して頂けると思う。そして私自身が家事は創造的作業であることを身をもって知ることができた貴重な体験ともなっている。それは近い将来、リタイアする予定のシニアにもかなり参考になるのではないだろうか。そう思って、プライベートな話で恥ずかしいが、情報を共有したい。
家事の種類
一人暮らしを始めて何が困るかと言えば、家事を自分でしなければならないことである。家事については今まで妻に「おんぶにだっこ」だったので、そもそも家事についての知識がない。家事は何かと尋ねられたら、炊事・洗濯・掃除ぐらいしか答えられなかった。勿論、名前だけで家事の中身を具体例を言えるわけがない。妙に開き直っているところが、自分で書いていながら可笑しいし、恥ずかしいことであるが事実なので仕方がない。
そこでネット検索で、家事について一から学ぼうと思った。妻に尋ねてもよいが喧嘩を売っているようにとられても心外である。その点、ネット検索なら安心である。ネット検索すると上位で表記された記事の中に詳しく教えてくれるものがあった。
家事の種類には下記のようなものがあるらしい。「あるらしい」と記したのは、自分でやったことがほとんどないからである。
- 食生活に関する家事
- 衣生活に関する家事
- 住生活に関する家事
- ごみに関する家事
- 郵便物や配達物に関する家事
- 家族や日常生活の手続きに関する家事
- 家族の世話に関する家事
- おつきあいに関する家事
- 冠婚葬祭や季節のイベントに関する家事
- 家計管理に関する家事
衣食住に関する家事は、生きていくために必須であるのはすぐに理解できるとして、詳細を学ばないとイメージできない家事が多いことに驚く。専業主婦(主夫)は大変であると認識せざるを得ない。
いきなり家事をする自信が喪失した。しかし、しばらくすると、今度は徹底的な「手抜き家事」とはどうゆうものかについて興味が湧いてきた。
私の場合は、育児をする必要がないので、自分の衣食住を中心とした家事で十分である。家事にも選択と集中、戦略と戦術のようなものがあるのではないかと思うと、ちょっとやる気も出てきた感じがする。
食生活に関する家事
食事は人間が健康的に生きていくために必須なので、食生活に関する家事は非常に重要である。では、食生活に関する家事にはどのようなものがあるかというと、下記のようなものがあるらしい。
- 献立を考える
- 食材の買い出し
- 食材の管理
- 料理(調理・炊事)をする
- 盛りつけや配膳をする
- 後片付けや洗い物をする
- 調理器具を揃える
- 栄養管理をする
上記の項目で割愛できそうなものは、「調理器具を揃える」ぐらいであろうか。幸い、調理器具は一通り必要なものは妻が用意してくれているので、当分はこのままでいけるだろう。
献立を考える
妻が常に頭を悩ませていたヤツである。自分一人だからといって好きな物ばかりでは栄養のバランスを崩してしまう。
栄養バランスを考えつつ、飽きないメニューを工夫することは、ある意味ではクリエイティブな作業である。
加えて、食材の残りの有効利用や食材コスト、調理時間の短縮を考えるとなれば、これを創造的作業と呼ばずして何と呼べばよいのか。十分に創造的作業と言える。献立を考えるだけで、認知症の予防対策にもなりそうだ。
食材の買い出し
献立に合わせて、食材の買い出しを行う必要がある。加工品の食材は必要なものをただ購入すればよいので楽である。
一方、野菜や肉類はそれらの新鮮さや傷み具合を吟味して、問題がないことを確認しなければならない。また無駄に捨てることのないよう過不足なく必要十分な量を購入するには経験値が必要となる。
食品の価格相場の変動が頭に入っているようになれば、日本の経済情勢が実感として理解できるようになるかも知れない。
食材の管理
購入した食材のうち常温保存のものは食品保管棚で保存する以外は、すべて冷蔵庫に入れてしまう。冷蔵庫での保存は、冷蔵と冷凍の違いだけのシンプル管理である。野菜とビールは「野菜室」で保管する。
肉類や野菜は、賞味期限内に食べ切る必要があるので買い出しでの購入量がポイントとなる。医薬品の製造と一緒で前工程が重要となる。
料理(調理・炊事)をする
タブレットでレシピを見ながら、準備した食材を使って調理するので、最もアトラクティブな作業といえる。
簡単な手間がかからない料理ばかりなのでフライパンの使用が多い。冷凍食品の解凍や調理に電子レンジを自分自身で使う頻度が増えた。電子レンジは一人暮らしには重宝する調理器具である。電子レンジに対応した「電子レンジ鍋」を検討中である。
盛りつけや配膳をする
盛りつけには食器(お皿)選びが重要である。見栄えがよくなると食欲も湧いてくる。
配膳は、自分一人なので、食卓の上のランチョンマットに置くだけで事が足りる。
後片付けや洗い物をする
基本的に完食して、食べ残しをしないのが鉄則である。どんなに不味くてもである。残飯ゴミを極力出したくはない。自分で調理した責任をとる覚悟が必要であるということだ。そのためあまりチャレンジングなレシピへの挑戦は、ある程度、経験を積んでからにしようと思っている。
汚れた食器はまとめて食洗器で洗い、鍋やフライパンなどの調理器具や調理台は手で洗う。洗い物は基本的に嫌いなので、食洗器は重宝している。
コンロや流し台は、汚れが気になってきたら掃除をする。
栄養管理をする
栄養素を調べてきっちりと栄養管理を行うわけでないし、栄養士でもないのでそんなことはできやしない。ただ、妻が作ってくれていたメニューを参考に、自分の好みを入れつつ、偏った食生活にならないよう意識だけはしている。
野菜ジュースと牛乳を毎日飲んで、肉や野菜を食べていれば、栄養が偏ってしまうリスクも低いだろうと勝手に判断している。それで問題があるようならサプリメントの世話になるとしよう。
衣生活に関する家事
衣生活に関する家事と言われても、洗濯くらいしか思いつかないが、実は次のような家事があるらしい。
- 衣服の洗濯や汚れ落とし
- 衣服の管理(整理整頓・収納・手入れ)
- 裁縫(衣服の製作や修繕)
上記の家事で私の一人暮らしに必要なのは衣服の選択である。
他の二つは不要と言わないまでも割愛できる。一人暮らしなのでクローゼットや洋服ダンスの収納スペースが余っている。だから特に衣服の管理はしなくても、そのまま吊るしておけば良いだけである。つまり季節変わり時「衣替え」は不要としたい。
裁縫については、必要ならボタン付けぐらいはできるので、特に心配は不要である。破れたら諦めて捨てることにしよう。
したがって、衣生活に関する家事としては、洗濯に集中することにしたい。
衣服の洗濯
洗濯は、基本的に洗濯機がやってくれるので、洗剤を投入するだけで、後は終了後にハンガーにかけて干すだけである。乾けばハンガーごと収納し、基本的にアイロン掛けはスキップしよう。一人暮らしなのでクローゼットには余裕がある。
本当は素材に合った洗剤を選ばなければならないらしいが、主に洗うものが下着やタオルであり、シャツやズボンも大したモノではないから汎用性の高い洗剤を選べば大丈夫であろう。
洗い方(温度やすすぎ回数など)にも工夫が必要らしいが、洗濯機の自動選択機能を信じることにする。
自分の手に負えない衣服の洗濯はクリーニングに出すことにしたい。
住生活に関する家事
住生活に関する家事については、部屋の掃除ぐらいしか思いつかないが、次のような家事があるらしい。
- 掃除
- 収納・整理整頓
- 住環境づくり(暮らしやすさ、安全、防犯・防災)
- 家具や家電製品の購入
- 維持や管理(メンテナンス)
掃除
家の掃除といっても具体的にどこをどう掃除すればよいのかよく分からない。ネットで調べると、やるべき家の掃除は下記の場所であることが理解できた。
- キッチン
- トイレ
- 浴室
- 洗面室
- 玄関
- 洋室
- 和室
特にキッチンや換気扇など油汚れが付着しやすい場所はやっかいであることは、経験があるのでよく分かる。
トイレや浴槽の掃除は、最近は便利な洗浄剤が発売されているので、それらを使用することにしよう。頻度は週に1度ではどうだろうか?
洗面室と玄関の掃除は忘れやすいかも知れない。
部屋の掃除は使用する部屋のみにしてはどうか? 毎日、掃除する必要もなさそうである。週に1~2回でよいのではないか?
使わない部屋は、月に一度ぐらいでOKにしよう。
収納・整理整頓
整理・整頓は、私が最も苦手とする家事であるかも知れない。妻には常に注意されてきた。自分一人での生活で、自発的にできるようになるとはとても思えない。尤も不安な家事項目で、ストレスがかかる。
下手に片づけてどこに置いたのかを忘れてしまったために新しく購入するということが過去に何度かあった。それならありのままでどうか? 少なくとも自分しか生活しないのであれば、誰の迷惑にもならない。来客があったときに恥をかくのは自分だけである。そう思えば整理整頓は適当でよいだろう。
しかしながら、整理整頓は脳トレにもなりそうなどで、別稿で考えてみたい。
住環境づくり(暮らしやすさ、安全、防犯・防災)
この項目の家事も重要であることが分かるが、私の一人暮らしにおいては、防犯のための戸締りと、防災のためのガス栓の開閉ぐらいでよいのではないか?
インテリアの創意工夫は、整理整頓ができるようになってからでも遅くはないだろう。
家具や家電製品の購入
家具や大きな家電製品で欲しいものは今のところない。当分は、この項目を家事のリストから除外しても問題はないだろう。
維持や管理(メンテナンス)
この項目の家事には具体的にどのようなものがあるのだろうか? ネットで調べたところ次のような項目が該当するらしい。
- 住居の一部や家具などに損傷が見つかった場合の修繕
- 設備や機器が壊れた場合の修理や交換
- 家電製品などの定期的な掃除(維持管理の作業)
- 洗面室やトイレなどのタオルの交換
- 電気を付けたり消したりすること
- カーテンや雨戸などの開閉を行うこと
- 庭の手入れ(草むしり、水やり、掃除)をすること
- ティッシュペーパーやトイレットペーパーの交換や補充
- 照明器具の電球などの交換をすること
- 設備や機器の定期的な点検を受けること
- エアコン(空調)の温度調節を行うこと
- 加湿や除湿を行うこと
- 寝具(ベッドや布団)を干すこと(清潔さを保つ)
こうしてリストアップしてみるとすべて重要な家事であることが理解できる。
ごみに関する家事
生活ゴミは分別しなければならないことは理解している。特にリサイクルするアルミ缶やペットボトルは分別回収に協力したい。
今のところ粗大ごみを出す予定はないので、生活ゴミの処理だけに集中したい。
郵便物や配達物に関する家事
現在、一人暮らしをしている住居には住民票を移していないので、特に重要な郵便物や配達物が届けられることはない。ほとんど役に立たない広告のチラシが郵便受けに入れられる程度であるのでゴミ箱に直行である。
アマゾンや楽天市場で発注した商品の宅配便を受け取るぐらいであるので頻度も多くはない。したがって、郵便物や配達物に関する家事はほとんど手間にはならない。
家族や日常生活の手続きに関する家事
家族や日常生活の手続きに関する家事には次のようなものがあるという。
- 戸籍や住民票に関する手続き
- 国民年金や国民健康保険など社会保険に関する手続き
- 児童手当に関する手続き
- 確定申告など税金に関する手続き
- 電気やガス、水道、電話(固定電話、携帯電話)など日常生活に関する手続き
ライフラインに必要な料金や固定資産税等の支払いは、すべて銀行口座からの自動引き落としになっているので特に追加の手間は必要ではない。
確定申告については年に一回であるし、この仕事は今までもこれからも私の仕事としてやるので、苦にはならない。
したがって、家族や日常生活の手続きに関する家事についても割愛できそうである。
家族の世話に関する家事
家族の世話に関する家事には次のようなものがあるという。
- 家族、特に子どもや高齢者など健康管理をすること
- 病気になったりけがをした家族の看病をすること
- 育児をすること
- 親などの介護をすること
一人暮らしの私にとっては、自分自身の健康管理だけで当分は済みそうである。したがって、この項目の家事も割愛できる。
親族・親戚やご近所とのおつきあい
親族・親戚やご近所とのおつきあいに関する家事には、次のようなものがあるという。
- 親族や親戚とのおつきあい
- ご近所との日常的なおつきあい
- お中元やお歳暮の送付
- 年賀状や暑中見舞いなどの送付
- 自治会やマンションの管理組合の会合に参加
- 回覧板の回覧
- 地域のイベント(清掃などの地域の活動)に参加
マンションの副理事長の任期は昨年の8月末で終了した。次に順番が回ってくるのは20年後くらい先だろうからその頃には私は多分この世にはいないだろう。
一人暮らしを始めた田舎での自治会活動はどうかというと、今のところ特に負担があるわけではない。
お中元やお歳暮の送付は、ネットで頼めるので負担とは言えない。
確かに場合によっては、この項目の家事は気分がのらず、手間がかかるものの重要であるので割愛しにくい。しかしながら、私の一人暮らしに大きく影響を与えるものでないので割愛する。
冠婚葬祭や季節のイベントに関する家事
この項目の家事には次のようなものがあるという。
- 冠婚葬祭(お祝い、結婚、葬儀)
- 季節の年中行事・イベント(お正月、節分、ひな祭り、彼岸、端午の節句、七夕、お盆、お月見、大晦日、クリスマス、ハロウィンなど)
- 人生の節目の祝い事(お宮参り、お食い初め、七五三、長寿のお祝いなど)
確かに、冠婚葬祭や季節のイベントは家事に負担をかけるものであるが、私の一人暮らしには特に影響を与えないので割愛する。
家計管理に関する家事
家計管理に関する家事には次のようなものがあるという。
- 家計をやりくりすること
- 節約をすること
- 保険を契約
- 貯金
確かに、これらの項目は重要なことばかりである。私もこの家事に真剣に向き合ってみることにする。
一人暮らしに必須の家事
家事とは、炊事、洗濯、掃除、買い物、家計管理など家庭での日常生活に関する様々な仕事や作業であることが理解できた。
また、家事には人間が生きていくために最低限必要なものと、生活を豊かにするものの両方が含まれていることも理解できた。
私が田舎で一人暮らしをする上で必須と考えた家事は下記のようなものである。
- 食生活に関する家事
- 献立を考える
- 食材の買い出し
- 食材の管理
- 料理(調理・炊事)をする
- 盛りつけや配膳をする
- 後片付けや洗い物をする
- 栄養管理をする
- 衣生活に関する家事
- 衣服の洗濯
- 住生活に関する家事
- 掃除
- 維持や管理(メンテナンス)
- ごみに関する家事
- 家計管理に関する家事
こうして必須の家事をリストアップして、可視化してみると、まさに衣食住に直結する家事が重要であることがよく理解できる。なかでも食生活に関する家事が手を抜けないことがよく分かる。
では、これらの家事をどのように実践していくかについて考えてみたい。
一人暮らしの家事の実践
私が一人暮らしを実践する上で考えた省力化のための戦略と戦術は下記のようなものである。
- 食生活に関する家事
- 献立を考える
➡カレーやシチューのような一度に作って、小分けして冷凍保存ができるレシピのレパートリーを増やす - 食材の買い出し
➡基本的に必要な食材を必要なときに買い出しする。買い足しの頻度が多いものについてはストックする - 食材の管理
➡賞味期限内に消費できるよう管理する - 料理(調理・炊事)をする
➡できるだけ簡単な調理法で、失敗せずに、美味しく食べられる10種類程度のレシピに絞る(選択と集中) - 盛りつけや配膳をする
➡ちょっと高級な食器を使用して、見栄えを良くし、食欲を引き起こす - 後片付けや洗い物をする
➡できるだけ使用する食器の数を減らし、まとめて食洗器で洗う - 栄養管理をする
➡肉と野菜、野菜ジュース、バナナ、牛乳は毎日摂取する
➡人間ドックの結果次第で摂取すべきものの修正を行う
- 献立を考える
- 衣生活に関する家事
- 衣服の洗濯
➡夏場以外は週に2~3回程度にまとめて洗濯する
- 衣服の洗濯
- 住生活に関する家事
- 掃除
➡場所ごとに掃除の頻度を決める - 維持や管理(メンテナンス)
➡整理整頓に努める
- 掃除
- ごみに関する家事
➡生ごみをできるだけ出さないように努力する - 家計管理に関する家事
➡老後生活に必要な費用の把握と資産管理
あとがき
私が一人暮らしを始めるきっかけとなったのは妻の夫源病予防対策であったのは事実であるが、思い起こせば、私はこの世に生を受けてから家事というものをした経験がなかった。
一人暮らしは高校時代からなので経験が長いが、下宿では高校も大学も賄い付きであったので食事の準備はしたことがない。大学生のときにワンダーフォーゲル部(略して、ワンゲル部)の先輩に白飯の炊き方とカレー、シチューや中華丼などの作り方を教わったのが初めての経験であった。尤もカレー、シチューや中華丼は、最後に入れるルーが違うだけで、材料も作り方もワンパターンであったので、それほど応用が利くわけではなかった。
社会人になってからも社員寮に入居したので、朝夕の食事は寮母さん任せであった。昼食は給食弁当であったので、食生活に関する家事については、全くといっていいほど経験値がない。
妻と結婚してからも家事一切を妻に任せきりであった。そんな人生でも批判はされなかった。良くも悪くも昭和生まれの男には世間は優しかったというしかない。私の妻は、私以上に家事をしなかったらしい父親と良妻賢母型の母親に育てられたためか、それが当たり前だと刷り込まれていたので、専業主婦を私がリタイアするまで勤めてくれた。面と向かっては気恥ずかしいが、そんな妻に感謝している。
だから家事を伴う一人暮らしをするのはリタイア後の今回が初めてということになる。一人暮らしをすると決めた以上、中途半端で終わらすわけにはいかない。でも家事でストレスを溜めたくもない。
当然、試行錯誤で経験値を高めることになることが多いと思う。しかし、家事にも戦略と戦術があり、選択と集中を極めることで快適な一人暮らしを実現できると自分では確信している。実は、まだ1年程度の経験で、新米の域を出ていない。だから将来もそう思い続けていけるよう努力したいというのが実情である。
最後に、私が一人暮らしをすることによって妻が夫源病を発症しないで平和に暮らして貰いたいと切に願う。万一、夫源病的な症状を発症したのなら、それは新たな病気ということで興味深いが、本人や家族にとっては厄介事であることに変わりはない。