はじめに
書類に限ったことではないが、私のように整理整頓が得意でない者に共通する特徴は、要らないものをたくさん持っていることである。サラリーマン生活をリタイアした今となっては、仕事の参考にしてきた古い書類は処分しても良いだろう。
ところで、書類整理がシニア世代の脳トレに役立つ理由を知っていますか?
書類を整理する際には、どこに何を置いたかを覚える必要がある。このことが記憶力の強化に役立ち、記憶力の向上に繋がるというのである。確かにどの書類をどこに保管するかを考えることで、問題解決能力も養われるかも知れない。問題解決能力の向上は日常生活においても重要なスキルである。
整理整頓には集中が求められるため、集中力が鍛えられる。特に複雑な書類を整理する場合は、注意深く作業する必要があるので集中力の向上にも繋がる。そして、整理整頓が終わった後の達成感は大きい。これにより自己肯定感が高まり、さらなる活動意欲が湧いてくる。
このような理由から、書類整理はシニア世代の脳トレにとても効果的であるとされる。私もこの機会に書類整理に取り組むことにしたい。
要らない書類は捨てる
書類整理をする作業に入る前に、まずは「要るもの」と「要らないもの」を分別する。
クリヤーフォルダーをパンパンにするまで書類を入れてはみ出した書類の角が擦れたり折れたりしていたら、まずはその中身を一度全部見返してみる。すでに終わった案件の資料や、パソコンに保管済みの資料まで大事に持っている場合がある。紙で持っている必要がない資料は処分することにする。
捨ててもいい書類の見極め方にノウハウはあるだろうか?
放っておくとどんどんと溜まる書類は、こまめに捨てないとさらに溜まる一方である。しかし、意外に捨てどきが分からないものである。私もこの判断に悩んでいる一人である。
捨ててもいい書類とは、1年以上の古い書類で内容を見返したことがないもの、期限が過ぎているもの、定期的に最新号が届くものなどがある。これらに当てはまるものは、躊躇なく捨てることに徹したいと思う。今までは段ボールに詰めたまま床置きしていたが、この機会に部屋もすっきりさせたいと思う。
不要なったものを定期的に見直しすることも重要である。家電の取扱説明書や期限が切れた保証書がたくさんあって困る場合などが該当する。
定期的な見直すタイミングがない取扱説明書や保証書は、新しく家電を買いなおしたときが見直すタイミングかも知れない。古いものや期限切れのもの、ネットで見られるものはこの際処分することにしよう。
また、封筒ごと保管している書類で、「重要」と印刷された封筒を捨てられずに保管したままになっている場合がある。保管している封筒の中身を確認して、単なるチラシやパンフレットばかりで、必要なものが入っていないことが多いこがある。この際、不要な封筒類はかさばるため、処分しようと思う。
書類整理の基本
書類整理の基本を押さえることで、効率的に整理整頓ができる。下記のようなステップを参考にして書類整理を始めたいと思う。
- カテゴリー分け
- 書類をカテゴリーごとに分ける
- 例として、仕事関係、医療関連、税金、保険、重要な契約書、電気器具の取説書などに分類すると便利
- 日付順に整理
- 各カテゴリー内で書類を日付順に整理する
- 古い書類と最新の書類を一目で区別できる
- ファイルフォルダーの使用
- 各カテゴリーごとにファイルフォルダーを用意し、ラベルを付ける
- 視覚的に分かりやすくなるので、整理しやすくなる
- 不要な書類の処分
- 定期的に見直して、不要な書類を処分する
- 古い請求書や既に解決した書類などを捨てる
- 不要な書類の処分で、収納スペースが確保できる
- デジタル化
- 大切な書類はスキャンしてデジタル化する
- クラウドストレージやパソコンに保存しておくと便利
これらの基本を実践することで、書類整理がスムーズになるはずである。無理せず楽しみながら整理整頓を続けていきたい。
必要な書類は使用頻度別に分ける
残った書類は使用頻度別に分けていく。MLBの選手の区分に倣って書類を区分してみた。
アクティブ・ロースター資料は、今、必要な書類を指す。現在進行中で処理しないといけない手続きに関連する資料はこのグループである。
ロースター資料は、時々必要になる書類を指す。制度や規約に関する書類、マニュアルなど、毎日は見るわけではないが、確実に必要な資料はこのグループである。
マイナーオプション資料は、今のところ参照する予定はないけれど、いつか役立つような気がする資料を指す。パソコンの中にデータとしてあるわけでもなく、捨ててしまったら手に入らないというたぐいのものが該当する。捨てるのが躊躇われるときは無理して捨てることはない。いったんマイナーオプション資料として取っておこう。
推奨される書類整理方法
手持ちの書類を使用頻度ごとに分けることができたら、それぞれの使用頻度に沿った整理をしていく。
今すぐ使うアクティブ・ロースター資料
案件ごとに分けてクリヤーホルダーに入れる
今、必要という書類については、手軽に手に入るものを使って時間をかけずに分類するのが一番である。
分類はする必要がなければしなくてよい。必要があれば付箋を使ってみる。付箋はクリヤーホルダーの内側から貼っておくと良い。当座の資料はこれで十分である。
時々参照するロースター資料
2週間~1か月程度にわたって必要な書類の整理には、「インデックスホルダー」が便利である。クリアーホルダーに入った資料をそのままバサッと入れることができる「クリヤーホルダーファイル」も市販されている。毎日使うわけではないけど、いざという時にすぐに見つけることができるようにする必要がある。
いつか役立つかも知れないマイナーオプション資料
「使うかどうかわからないけれど、とりあえず捨てずにとっておく」資料は往々にしてその存在自体を忘れがちである。一応、どんな資料なのかを分類するにあたってはロースター資料と同様に、インデックスホルダーなどを上手に使って見出しをつけておくと良い。
その上で、マイナーオプション資料の置き場としてまとめてファイルボックスなどにしまっておく方法もある。ファイルボックスは取っ手が付いているのでワゴンの引き出しからの出し入れにも便利である。なお、マイナーオプション資料については半年から一年に一度は中身を見直しをしたいものである。
米国の国際記録管理協議会(National Records Management Council; NAREMCO)によると、書類作成(取得)から半年後には10%の資料しか使っておらず、1年後に見返すのはわずか1%。残り99%の書類は不要なものになっているそうである。これを調査機関の頭文字をとって「ナレムコの法則」と呼ぶらしい。
書類整理を簡単行うためのアイテム
書類を簡単に整理するためには、便利なアイテムを上手に活用することが推奨される。下表に挙げるようなアイテムは、その特徴をチェックして、使いやすいものを取り入れれば良い。
書類整理用アイテム | 特徴 |
---|---|
クリアファイル | 透明タイプは、書類の内容が一目で分かる。 ポケットつきで書類を分けて保管できるタイプもある。 |
クリアホルダー | 書類の片側をレールで固定して書類を冊子化できる。書類の仕分けが行いやすい。 |
ファイル | 書類の枚数が多くても保管できる。紙タイプは、コストを抑えられる。差し込み式、バインダータイプ、2つ穴ファイル、リングファイルなどがある |
ファイルケース | 書類や薄い冊子を保管できる。 書類を保護してくれる。 |
ファイルボックス | ファイル自体をまとめて保管収納できる。 持ち手つきやスタンドタイプもある。 |
クリアファイルはすぐに書類を見たいときにお薦め
クリアファイルは、一枚一枚透明の袋が付いているので、紙の書類をそのままファイルしていくことができる。これは資料を頻繁に見るという場合に便利である。見る機会が多い書類をクリアホルダーに入れてしまうと、中から取り出すのが大変という場合に便利である。
もし、資料が増えてクリアファイルを増やしたい場合や本棚にクリアファイルを並べたいという場合には、綺麗に整理できるように同じ種類のクリアファイルで揃えた方が良い。同じ種類のファイルで揃えると見た目も綺麗に並べられる。しかもファイル自体に名前を付けて置けばすぐに取り出すことも可能である。また、色を変えることでそれが目印となってすぐに取り出しもできる。
クリアホルダーは書類はまとめて保存するのに便利
クリアホルダーは、透明タイプのものを使うことを推奨したい。
分かりやすく書類をまとめるのであれば同じ種類のクリアホルダーを使った方が良い。
クリアホルダーの中にクリアファイルを入れていけば、そのまま書類の仕分けをすることもできる。特に、少量の資料であれば便利に使える。
クリアホルダーをさらに使いやすくするには、ファイルホルダーに直接名前シールを貼ることである。クリアホルダーに名前を貼ることで何が入っているのかが一目瞭然となる。
ファイルは書類が増えていく場合に便利
家で使っている電化製品の取扱説明書などのように電化製品を買い足すと資料が増えてしまう。そのような増える資料にはファイルが便利である。
アーチ式の2穴ファイルを使うと便利な場合
アーチ式の2穴ファイルは、たくさんの書類をまとめて一カ所に収納したい場合に推奨できる。アーチ式の2穴ファイルは、大容量に対応しているため100枚ほどの書類を整理できる。また、金具の形状がアーチになっており、書類がめくりやすくて便利なのも特徴である。
蛇腹タイプのファイルは細かく整理する時に便利
蛇腹タイプのファイルは、こまかく整理するのに便利なアイテムである。例えば、水道光熱費などの領収書を電気代やガス代、水道代と分けて蛇腹ファイルに整理すると見直しやすくなる。またファイルにインデックスをつくっておけば、一目で分かるようになる。
ファイルケースで分かりやすくファイリング
多くなった資料をクリアホルダーから取り出し、ファイルケースにまとめて入れることができる。ファイルケースには色も種類が豊富で、大きさも種類がそろっている。書類をある程度まとめて入れたいという場合はファイルケースを利用する良い。
ファイルケースで分けて置くことで、短時間でファイリング可能であるし、見やすく整理することができる。
インデックスが付いたタイプの書類ケースもあるので、この場合は中でさらに仕分けることができる。少ない資料を項目別に仕分けしたいという時に使えるアイテムである。また、そのまま持ち運びもできるので、便利である。
ファイルボックスにファイルケースごと入れる
棚などにきれいに保管したい場合にはファイルボックスが便利である。仕分けした資料を、さらに項目別にファイルボックスに入れることができる。ファイルボックス自体に名前を付けておけば、すぐに取り出しができるようになる。
ファイルボックスは横にして入れるとすぐに資料を取り出すことができ便利である。
整理整頓された状態を長続きさせる方法
書類の置き場所を決めておく
アクティブ・ロースター資料、ロースター資料、マイナーオプション資料それぞれの書類の置き場所を決めることは非常に重要である。どんな書類が何処に保管されているかを分かるように書類整理をしておかないと、いざ欲しいときに役に立たない。
使用後は元あった場所に戻す習慣をつける
せっかく置き場所を決めたのに、使用後に元の場所に戻さないと元の木阿弥になってしまう。私が無意識でよくやってしまう悪しき習慣である。この悪しき習慣を断ち切らない限り、書類整理といつまでも格闘することになってしまう。
机の上に積まれた「住所不定」の書類をゼロにしなければならない。そのためには、資料の使用後は元にあった場所に戻す習慣をつけなければならない。
書類が来たらすぐに処理する
新しい書類が来たらすぐに処理することは整理整頓された状態を長続きさせるために必要なことである。後で処理するつもりで書類を溜めたまま放置してしまうと元の木阿弥になってしまう。
それを避けるためには、書類は届いたらその場ですぐ要・不要に分けて処理するのが効率的である。そのときのノウハウは、残す書類を2つに分けることである。つまり、残す書類を保存か未処理に振り分けるのである。
未処理のものは返信したり、確認したりと何らかのアクションが必要であるが、終わったら処分しても大丈夫である。
一方、保存するものは、新規購入した家電の説明書などの場合は使用頻度に応じて分けるとよい。
保管している書類でも、定期的に見直して捨てる、またはデジタル化して残すなど、減らす工夫が必要である。大切なことは、書類を残すことではなく、情報自体であると肝に銘じたい。
書類管理フローの構築
書類整理あるいは書類管理の目的が仕事がしやすい環境づくりであるなら、ファイリングなどの管理スキルを磨くよりも、書類をデスクに留めずに送り出していく「フローづくり」の方が何倍も効果的である。それは会社に勤務していた頃に私が実践していたことである。実を言えば、書類整理や書類管理が苦手であったからでもある。
フローづくりの鍵は、書類の「入り口」と「出口」を意識することである。書類は、使用目的や必要なアクションはさまざまである。だから書類を使用目的や必要なアクションに応じて置き方、置き場所、管理方法を分けることが書類管理フローの原則となる。実は、この方法は家庭での書類管理にも役立っている。
書類は入口と出口を作って整理する
書類整理は、入口と出口を作るとスムーズにできる。中が見えるA4サイズのファイルボックスを4つ使うと良い。見やすく扱いやすいように書類は縦に収納するのが基本となる。
ファイルボックスは整理の段階別に次のようにラベリングする。
- ①未処理
- 未開封の郵便や内容を確認していない書類を入れる場所
- ②処理中
- 処理途中の書類を入れる場所
- ③一時保管
- 処理済み書類を保存エリアに入れる前の一時保管場所
- ④常時保管
- 日常的に見たり使ったり、期間を決めて保管する書類を入れておく場所
家に来た書類は、①未処理→②処理中→③一時保管/常時保管/ゴミ箱→④保存という流れで処理する。つまり、①が入口で、③と④が出口になる。
それぞれのボックスに入れた書類の具体的な作業は下表の通りである。
Step | アクション |
---|---|
1 | 書類を「未処理ボックス」に入れる |
届いた書類は鉛筆で届いた日付を書いて未処理ボックスに入れる。 未処理ボックス内は翌日には空になるのが理想的である。 | |
2 | 内容を確認し「処理中ボックス」へ移動 |
未処理ボックスの書類を開封、確認し、処理が必要な物は書類毎にクリアファイルに入れて「処理中ボックス」に入れる。 ファイルには、用途別や家族別に色分けした付箋を貼り、処理の期限も記入する。 付箋は剥がれにくいようにクリアファイルの外側でなく内側から貼るのが良い。 | |
3 | 処理が終わったものを所定のボックスへ移動 |
処理が終わり保存すべき書類は「一時保管ボックス」に移動させる。 日常的に見たり使ったり、期間を決めて保管する書類は「常時保管ボックス」に移動する。 保存しない書類はすぐに廃棄処分する。 | |
4 | 必要な書類は「保存エリア」で保存 |
処理が終わり、保存する書類はすみやかに保存エリアで保存する。 時間がない場合はひとまず一時保管ボックスに入れても良いが、早めに移し、一時保管ボックスに書類がたまらないようにする。 |
保存エリアにはファイルボックスなどを使用しても良い。ファイルボックスには案件ごとに個別フォルダーを作り、ラベリングをして収納する。出し入れも簡単で、投げ入れるような収納もOKである。一度作ってしまえば楽な管理システムとなる。尤も保存エリアの書類も溜まり過ぎないよう定期的に見直すことが大切である。
あとがき
率直に言って、私のように書類整理あるいは書類管理に苦手意識を持っている者は、できるだけ書類を管理しないのが一番であると思う。
家族構成やライフスタイルによって入ってくる書類の種類は異なるけれでも、基本的に次のような3点はどの家庭でも共通するポイントであろう。
- 書類の保管と保存場所を一か所に決める
- 書類の入口と出口を作って整理を習慣化する
- 書類が停滞しないようにルールを作って守る
この基本を押さえ、各家庭に合った、できるだけ楽にできる書類整理の方法を考えてみてはどうだろうか。