はじめに
加齢と共に外出が億劫になる人は多い。特に、私のように元来、出不精の者はシニアとなり、会社員生活をリタイアしてしまうと外出したい気が完全に失せてしまっている。そんな私が外出するのは、妻に旅行を誘われるからに他ならない。
しかし、リタイアを機に二拠点生活を始め、一人暮らしになると、当然ながら「ひきこもり」状態が続くことになる。そして最悪なことに、私にはその「ひきこもり」状態を楽しんでいる節がある。勿論、その弊害が出てくる。一番の弊害は、運動不足である。
その運動不足を解消するのに一役をかっているのが、飽きっぽい私が若い頃から続けている趣味の写真撮影である。本稿では、何故、趣味の写真撮影が私の心と体の健康維持に役立っているかについて記述したいと思う。
| <目次> はじめに 写真撮影が健康に良い理由 シニア世代に勧めたい理由 精神的な健康に良い理由 ストレス軽減に役立つ理由 好奇心と集中力が脳を活性化 シニアも楽しめる写真撮影 初心者向けの写真機材 初心者向けの撮影テクニック 上達のための初心者への助言 あとがき |
写真撮影が健康に良い理由
写真撮影が健康に良い理由は、いくつか知られているが、私は経験上、写真撮影は身体的・精神的健康の両面でポジティブな影響をもたらす活動であるからだと思っている。写真撮影を続けることによる具体的な影響を以下に述べたい。
- 屋外での活動
- 写真撮影は、自然風景や街中の撮影スポットを巡る機会を与えてくれる
- 特に風景写真や野鳥写真を撮る場合、軽めのハイキングや散策などと同じく体を動かすことが多く、軽い運動になる
- 創造性と精神のリフレッシュ
- 写真を撮ることで創造的な思考が促される
- 被写体を見つけたり構図を考えることで集中力が高まり、日常のストレスを軽減する効果も期待できる
- 日光と自然の癒し
- 屋外で写真を撮る際、日光を浴びることでビタミンDの生成が促進され、骨の健康や免疫力向上に寄与する
- 自然の中での撮影は心を癒やし、リラックス効果をもたらしてくれる
- 自然光を浴びることで、体内リズムも整う
- 達成感と自信
- 良い写真を撮影したときには達成感が得られ、それが自己肯定感やモチベーションアップにつながる
- このポジティブな気分が、健康的なライフスタイルを維持するサポートにもなる
- コミュニティの形成
- 写真愛好家の中には、写真クラブやイベントに参加する人も多い
- 他者との交流を通じて、孤独感を減らし、精神的健康を保つ助けになることもある
このように写真撮影は単なる趣味を超えて、ライフスタイルの一部として身体と心の健康を支えるものになり得るのだと思う。
シニア世代に勧めたい理由
私と同じシニア世代の方々に写真撮影を趣味としてお勧めしたい理由はたくさんある。写真撮影は身体的・精神的な健康、そして社会的なつながりを促進する素晴らしい活動だからである。
- 生活の楽しみを増やす
- 写真撮影は日常の風景や瞬間を特別なものに変える趣味
- 新しい視点で世界を見ることで、生活に彩りを加えられる
- 運動をするきっかけとなる
- 自然や街を歩き回りながら撮影することで、無理なく体を動かす機会が増える
- これは健康維持に役立つ
- よく歩く=自然と運動習慣になる
- いい構図を探して被写体に近づいて、時には山道や街中を歩き回る
- 気づかないうちに長く歩いてしまう。撮影スポット巡りで1日1万歩超えもザラである
- 自然の中での撮影は、軽い登山やハイキングにもなる
- 街歩きスナップ撮影では、日常の中に運動が不意識のうちにプラスされる
- カメラを持っていると、歩くことが目的でなくても、結果的に体を動かすことになる
- 創造性を発揮する機会となる
- 私たちシニア世代は写真撮影を通じて創造力を活かせる
- それは脳の活性化や新しい挑戦心を生む良い機会となる
- コミュニティの広がり
- 写真撮影を通じて同じ趣味を持つ人々と交流することで、新たな友人やネットワークを築くことができる
- 写真クラブやオンラインコミュニティもある
- 心のリラックス効果
- 特に自然の中で撮影することは、日常のストレス解消に大いに役立つ
- 美しい景色や被写体に触れることで心が穏やかになる
- 森林浴効果でリラックス!
- 季節の移ろいを感じることで、感性が豊かに!
- 達成感と成長
- 写真技術を学んで上達する過程で得られる達成感は、自信や生きがいを感じさせてくれる
- 家族との共有
- 撮影した写真を家族と共有することで、思い出作りや絆を深めることができる
写真撮影は楽しさと学びを提供するだけでなく、健康や社会的な関係にも良い影響を与える。シニア世代にとっては、特にその柔軟性と自分のペースで楽しめる点が魅力的である。例えば、何気ない自宅の庭の花や近くの公園の風景を撮影するだけでも、大きな喜びになることがある。
精神的な健康に良い理由
写真撮影は心に多くの良い影響を与えている。具体的には下記のような面で精神的な健康を促進すると考えられる。
- ストレスの軽減
- 写真を撮る際には、自分が好きなものや美しいものを見つけることに集中する
- この集中する時間は、日常のストレスや悩みを忘れさせてくれるひとときとなる
- 創造力の刺激
- 写真撮影は、構図や光の加減、ユニークなアングルを考えることで、脳の創造性を刺激する
- 日常生活でも新たな視点で物事を見る力が養われる
- 達成感
- 良い写真を撮影した時の喜びは、自分の能力に対する自信を高め、ポジティブな感情をもたらす
- 小さな成功が繰り返されることで心の安定にもつながる
- 瞑想的効果
- 写真撮影は自然や風景を静かに観察する時間を提供する
- 特に自然写真では、周囲の美しさを感じながら心を落ち着けることができる
- 感謝の気持ちを育む
- 写真撮影を通じて、普段は気づかない日常の細やかな美しさに目を向けることできる
- 社会への感謝や喜びを感じる機会が増える
- 社会的つながり
- 写真撮影を趣味にしていると、同じ興味を持つ仲間との交流が生まれることがある
- 交流は孤独感を減らし、心の充実感を高める助けになる
- 人との交流は、精神的な健康にとって非常に大切である
- 家族や友人との思い出づくり
- 撮影会や写真展での出会い
- SNSで作品を共有したり、オンラインでの作品発表やコメントのやりとり
写真撮影は、心を癒すと同時に自己表現の手段にもなる素晴らしい趣味であると思う。写真撮影を通じて、どんな気持ちや喜びを体験してみたいかは私たち次第である。
私たちシニア世代が特別な瞬間に心が動かされる体験を重ねることが豊かな老後を送れることにも繋がるのではないだろうか。また、孤独を感じにくくなることで心の健康が保たれやすくなると思う。
ストレス軽減に役立つ理由
風に揺れる木々、朝焼けの空、鳥のさえずり…。 写真を撮るために自然の中に身を置くことは、心のリフレッシュにもつながる。
写真撮影がストレス軽減に役立つ理由は、心をリラックスさせ、集中力を高め、幸福感を促進する多面的な効果があるためと考えられている。
- 瞑想的な効果
- 写真を撮る行為は今この瞬間に集中する体験をもたらす
- 被写体を探して観察し、光や色、構図に意識を向けることで、まるで瞑想をしているような状態に入ることがある
- この集中状態は頭の中の雑念を遠ざけて心を穏やかにする
- 自然との触れ合い
- 自然の風景や野鳥を撮影する際には、新鮮な空気を吸いながら、美しい景色に囲まれることが多い
- これにより心がリフレッシュされ、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が抑えられると言われている
- 創造性の解放
- 写真撮影では、自分の感性を活かして被写体を選び、構図を考えることが求められる
- 創造的なプロセスは日常生活のストレスから頭を解放
- 自己表現を通じて達成感や満足感を得ることに繋がる
- マインドフルネスの促進
- 写真を撮るためには周辺の細部に気を配る必要がある
- この細かい気づきはマインドフルネス(今ここに集中する技法)を育む効果がある
- マインドフルネスは不安やストレスを和らげる
- 思い出作りがもたらす幸福感
- 撮影した写真を見ることで楽しい瞬間を思い出す
- ポジティブな感情を呼び起こすことができる
- 日常生活のストレスを一時的に忘れ、気分が前向きになる
- 達成感とポジティブなフィードバック
- 良い写真を撮影した際には達成感が得られる
- 他の人に写真を見せて称賛されたり、SNSで反応をもらったりすることで、自己肯定感が高まる
- 趣味の時間としての癒し効果
- 写真撮影に費やす時間そのものが、自分自身を大切にするリラックスタイムとなる
- この自分のための時間がストレス解消に大いに役立つ
このように写真撮影は単なる趣味を超え、心のケアや癒しを提供する特別な活動と言えるのではないだろうか。例えば、お気に入りの風景や野鳥を撮影しているときに、何もかも忘れてその瞬間に没頭できる感覚を味わったことはないだろうか? その瞬間こそがストレス軽減の大きな効用だと私は確信している。
ストレスが減ると、免疫力もアップ!まさに、心身ともに健やかになる趣味であると言える。
好奇心と集中力が脳を活性化
「この光、いい感じ!」「あの角度から撮ってみよう」 写真を撮るときは、観察力・集中力・創造力がフル稼働する!
- 被写体を探すことで、脳が活性化
- 新しい構図や設定を試すことで、学びが続く
- 撮った写真を見返すことで、記憶力も刺激される
写真は、“動く瞑想”と言えるかもしれない。心が整い、頭もスッキリしてくることがある。認知症予防になるかも知れないと期待している。
シニアも楽しめる写真撮影
私たちシニア世代が楽しめる具体的な写真撮影のアイデアをいくつか紹介したい。自分自身の体力や興味に合わせて、自分にぴったりの楽しみ方を見つけることが大切であると思う。
自宅や庭で:
- 庭の花や植物
- 季節ごとに咲く花を撮影することで、その瞬間の美しさを記録できる
- マクロ撮影で細部を観察するのも楽しい
- ペットや飼育動物
- 自宅でのペットの愛らしい瞬間を撮影することで、幸せを感じられる
- 日常の静物
- 家の中にある趣のあるもの(例えば、古い時計、カップやアンティークなど)を芸術的に撮影する
- 新しい視点が得られる可能性が高い
散歩や外出のついでに:
- 近所の風景
- 散歩中に見つけた美しい風景やユニークな建物を撮影
- 退屈だった日々の景色が特別なものに変わる可能性も
- 市場や商店街
- 地元の市場や商店街では色鮮やかな商品や人々の笑顔を捉えることができる(但し、肖像権に注意すること!)
- 自然観察
- 森林公園で野鳥や昆虫、木々の緑を撮影すれば心を癒す活動にもなる
特別なプロジェクト:
- 家族の写真アルバム
- 家族の歴史を記録できる
- 世代を超えて共有できる思い出作りになる
- 地元の文化や伝統
- 地元のお祭りや伝統的な行事を写真で記録する
- その魅力を次世代に伝える役割を果たせる
- テーマを決める
- 例えば、赤いものや丸い形などテーマを決めて、それに合った被写体を探すプロジェクトは創造力を刺激する
写真撮影は、最近では特別な技術がなくても楽しめるので、自分のペースで始められるのが魅力である。上級者を目指すなら、写真教室やオンライン講座に参加することでスキルを磨く楽しさもある。
どんな写真撮影のアイデアがあなたの心に響いただろうか? まずは気楽に始めてみて、経験を積むことで、自然と自分にあった方法やテーマが見つかることもある。それを楽しむことこそ私たちシニア世代の趣味と言えるのではないだろうか?
初心者向けの写真機材
シニア世代の初心者が写真撮影を始めるには、まずはシンプルな機材と基本的なテクニックでスタートするのが良い。
- スマートフォン
- 最近のスマートフォンには高性能なカメラが搭載されているので、その身近なデバイスで気軽に始めれば良い
- エントリーモデルのデジタルカメラ
- 本格的に写真撮影を始める場合には、エントリーモデルの一眼レフカメラやミラーレスカメラがおすすめである
- 例えば、Sony αシリーズやCanon EOS Rebelシリーズなど
- 基本的なレンズ
- 標準ズームレンズ(18-55mm)は初心者に最適
- 被写体に合わせて徐々にレンズを追加すると良い
- ズームレンズ(24-105mm)1本あれば旅先で重宝する
- メモリーカード
- 十分な容量を持つSDカードを用意する
- とにかく多く撮影して経験を積むことが大切!
- 三脚
- 手ぶれを防ぎたい撮影をするための基本アイテム
- 手頃な価格の軽量モデルが便利
初心者向けの撮影テクニック
- 構図を意識する
- 三分割法(画面を縦横3分割して、その交点に被写体を置く方法)を使うと、バランスの良い写真が撮れる
- 光を観察する
- 自然光や時間帯(ゴールデンアワーなど)の違いで被写体の雰囲気が大きく変わる
- 光の方向にも注意を払うと良い写真になる
- 手ぶれを防ぐ
- カメラをしっかりと持ち、できるだけ安定した姿勢で撮影することが基本
- 暗い場所では三脚を活用する
- 被写体に近づく
- 必要以上にズームを使わず、被写体に近づいてディテールを撮ることで臨場感が生まれる
- 背景に注意する
- 主役(被写体)が引き立つように、背景がゴチャゴチャしないよう工夫する
- 撮影枚数を増やす
- 最初は多く撮影して試行錯誤を繰り返すことで、自分のスタイルが見つかるようになる
上達のための初心者への助言
- 練習あるのみ
- 自宅の周りや近所で被写体を見つけて撮影する
- 気軽に楽しみながら練習を重ねる
- 撮影テーマを決める
- 草花、野鳥、建物、風景、人物、ペットなど、自分が興味を持てる被写体に焦点を絞るとモチベーションが上がる
- 簡単な写真編集
- スマートフォンや無料のアプリ(Snapseed、Lightroom Mobileなど)を使って明るさや色味を調整するだけでも写真が劇的に変わる
写真撮影は決して難しいものではなく、楽しみながら学ぶことが重要である。始めたばかりの時こそ、新しい発見が多いものである。どんな被写体から始めたいか、考えるだけでもワクワクするはずである。それこそが写真撮影を趣味にする醍醐味の一つと言えよう。
あとがき
カメラは、心と体の健康ツール!
写真は、ただの趣味じゃない。 それは、体を動かし、心を癒し、脳を刺激し、人とつながる、まさに健康の宝箱!
最近ちょっと運動不足かも…、という人も、まずはカメラまたはスマホ片手に近所を歩いてみるところから始めてみてはどうだろう? 私たちシニアの元気のきっかけは、シャッターの先にあるかもしれない。