はじめに
ギフチョウは、桜が咲き始める春先に羽化し、1週間から10日ほどの寿命と言われている。そのためギフチョウは、その美しい姿から「春の女神」とも呼ばれている。また、その独特の縞模様から「ダンダラチョウ」という別名もある。
私は、特にチョウ全般に関心が高いわけではないが、絶滅危惧種となっているチョウについては環境保全の観点からも無視できないと思っている。
会社員をリタイアしてから三重県名張市で一人暮らしをすることが多くなったためか神戸で生活していたときよりも環境への関心が高まってきたようだ。
春の訪れを告げる風に乗って、山あいの森に舞い降りる一匹の蝶。その名はギフチョウ。別名「春の女神」とも呼ばれるこの美しい蝶に、ついに出会うことができた!
ギフチョウってどんな蝶?
ギフチョウ(学名: Luehdorfia japonica)は、チョウ目アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科ギフチョウ属に分類されるチョウの一種である。日本固有種である。ギフチョウは、1883年に岐阜県で初めて採集され、名前の由来はその発見地による。
ギフチョウは、主に本州の限られた地域にしか生息していない。黒と白の縞模様に、後翅の赤い斑点が特徴的で、その姿はまるで着物をまとった舞姫のようだ。春のごく短い期間しか姿を見せないため、「幻の蝶」とも称されている。

ギフチョウの特徴
- 特徴的な黄白色と黒の縦じま模様の翅を持つ
- 後翅の外側には青や橙、赤色の斑紋が並ぶ
- 後翅には尾状突起を持つ

ギフチョウの生態
- 成虫は、年に1度だけ、3月下旬から6月上旬に発生する
- 幼虫は、ウマノスズクサ科のカンアオイやウスバサイシンなどの葉を食べて育つ
- 卵もこれらの食草に産みつけられる
- 成虫は、里山に生息する
ギフチョウの分布
- 本州のみに分布し、北は秋田県から南は山口県まで見られる
- 現在、岐阜県では準絶滅危惧種とされている
ギフチョウの保全状況
- 近年、里山の放棄や開発などにより個体数の減少が著しい
- 保全対策として、生息地の開発規制や二次林の人為的管理が行われている
- 春頃に林床に陽光が差し込むような疎林を形成させ、幼虫の食草となるカンアオイ類の生育を図る
三重県名張市での観察
ギフチョウは、三重県名張市の天然記念物に指定されている。そして名張市の蔦原地区では「地域の宝」として大切に保護されている。
蔦原小学校では4年生になると地域の人と交流しながらギフチョウについて学んでいるという。ギフチョウを卵から育てながら自然を大切にする心を育む教育がなされているらしい。
いざ出会いの舞台へ
今回訪れたのは、兵庫県内のとある里山。まだ朝露が残る山道を登っていくと、木漏れ日の中にふわりと舞う影が…。 「あっ、いた!」 目を凝らすと、まさにギフチョウが優雅に飛んでいるではないか。カタクリの花にふわりと舞い降り、蜜を吸う姿は、まさに「春の女神」そのもの。

ギフチョウ観察のポイント
ギフチョウに出会うには、ちょっとしたコツがあります:
- 時期:
- 3月下旬〜4月中旬がベストシーズン
- 場所:
- カタクリやスミレなど、春の花が咲く山地や里山
- 時間帯:
- 晴れた日の午前中が狙い目!
静かに、自然のリズムに耳を澄ませながら歩くと、ふとした瞬間に出会いが訪れる。
あとがき
春の奇跡に心を寄せて
ギフチョウとの出会いは、ほんの数秒の出来事。でも、その美しさと儚さは、ずっと心に残る。自然の中でしか味わえないこの感動、ぜひあなたにも体験してほしい!