はじめに
アンジェス、オンコセラピーサイエンス(OTS)、テラ、ナノキャリア、リプロセル…。 2010年代前半のバイオ市場は、 日本から世界的バイオベンチャーが生まれるという大きな期待が市場全体を包んでいた。
- iPS細胞のノーベル賞
- 再生医療の規制緩和
- 遺伝子治療の黎明期
- 創薬ベンチャーの上場ラッシュ
まさに“バイオ黄金期”であった。しかし、バイオベンチャーは、 成功確率が極端に低いビジネスである。その中で、 テラは事業継続が困難になり上場廃止なった。 アンジェスは主力パイプラインが消え、 OTSも長期低迷が続いている。
ここで興味深いのは、厳しい淘汰の中で“本物”だけが生き残り始めているという点である。
- ペプチドリーム(世界的創薬企業へ)
- ネクセラファーマ(GPCR創薬で世界展開)
- JCRファーマ(BBB通過技術で世界展開)
- J-TEC(再生医療の実用化を牽引)
- 3Dマトリックス(欧米で売上成長)
- Heartseed(世界的提携で注目)
つまり、 夢だけで上がる時代は終わり、 技術と実績がある企業だけが評価される時代に変わったということである。
バイオは難しい。これは間違いない。しかし同時に、 成功したときの社会的インパクトと投資リターンは、 他のどのセクターにもないほど大きい という事実も変わらない。長年バイオ株に向き合ってきた私にとっては、 バイオ株投資は単なる投資ではなく、「未来の医療への期待」 が根底にある。その投資哲学は、今でも色褪せることなく生き続けている。
本稿では、日本のバイオベンチャーの会社概要を紹介する。難しいが、魅力あるバイオ株投資の一助になるはずである。
ペプチドリーム(4587)
ペプチドリーム株式会社(PeptiDream Inc.)は、独自の創薬プラットフォーム「PDPS(Peptide Discovery Platform System)」を用いて、特殊ペプチド医薬の研究開発を行う創薬ベンチャーである。
10兆種類以上の環状ペプチドから高親和性の候補化合物を探索できる技術を強みに、国内外の大手製薬企業と多数の共同研究・ライセンス契約を締結している。
また、RI(放射性医薬品)事業や製造事業も展開し、複数の収益源を持つ点が特徴である。
社名:ペプチドリーム株式会社
英文社名:PeptiDream Inc.
所在地:神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番23号
設立:2006年2月
代表者:代表取締役社長 原田武
事業内容:
- PDPS を活用した特殊ペプチド創薬
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
- 放射性医薬品(RI)事業(子会社 PDRファーマ)
- ペプチド原薬製造(PeptiStar など)
上場市場:東証プライム(証券コード 4587)
特徴:
- 世界トップクラスのペプチド創薬技術
- 多数のメガファーマと提携
- 創薬・RI・製造の“三本柱”による安定した事業構造
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅳ:ペプチドリーム”を参照してください。
ネクセラファーマ(4565)
ネクセラファーマ株式会社(Nexera Pharma Co., Ltd.)は、創薬プラットフォーム「GPCR創薬技術」を強みとする創薬バイオベンチャーである。
中枢神経、免疫、代謝、希少疾患など幅広い疾患領域で、低分子医薬品を中心としたパイプラインを展開している。国内外の大手製薬企業との共同研究・ライセンス契約を積極的に進め、研究開発型ビジネスモデルで収益基盤を構築している。
社名:ネクセラファーマ株式会社
英文社名:Nexera Pharma Co., Ltd.
所在地:東京都港区赤坂一丁目11番44号
設立:1990年6月
代表者:代表取締役社長 クリストファー・C・ウィンター
事業内容:
- GPCR創薬技術を活用した医薬品候補の研究開発
- 大手製薬企業との共同研究・ライセンス事業
- 中枢神経・免疫・代謝・希少疾患領域の創薬プログラム推進
上場市場:東証グロース(証券コード 4565)
主なパートナー企業:
- ノバルティス
- 武田薬品工業
- アストラゼネカ
- ファイザー など
特徴:
- 世界的に競争力の高い GPCR 創薬プラットフォーム
- 多数のメガファーマと提携する“技術提供型”ビジネスモデル
- ロイヤルティ・マイルストーン収入による収益機会
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅴ:ネクセラファーマ”を参照して下さい。
GNIグループ(2160)
株式会社ジーエヌアイグループ(GNI Group Ltd.) は、日本に本社を置き、創薬から製造・販売まで一貫して手がけるグローバルヘルスケア企業である。日本・中国・米国・オーストラリアに事業基盤を持ち、特に中国市場において特発性肺線維症(IPF)治療薬などで高いシェアを有している。アンメット・メディカル・ニーズに応える革新的医薬品の開発を中心に、医薬品事業と医療機器事業を展開している。
同社は、アジアに患者の多い疾患領域を重点ターゲットとし、複数の創薬候補化合物をパイプラインに保有している。中国での臨床開発・製造・販売、抗体製造、創薬受託研究など幅広い事業を展開している。創薬活動は自社研究開発と共同研究開発の両輪で進められ、肺線維症・肝線維症・急性肝不全などを中心とした開発品目を有している。
基本情報
- 社名:株式会社ジーエヌアイグループ
- 英語名:GNI Group Ltd.
- 証券コード:2160(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:東京都中央区日本橋本町2-2-2
- 代表者:Ying Luo(CEO)
- 設立:2001年11月20日
- 上場:2007年8月31日
- 決算期:12月末
- 従業員数:連結 約990名(単独14名)
事業内容
● 医薬品事業
- 特発性肺線維症(IPF)治療薬を中心とした製品展開
- 肝線維症、急性・慢性肝不全などの開発品目
- 中国での臨床試験、医薬品開発・製造・販売
- 抗体製造・創薬関連受託研究(CRO)事業
● 医療機器事業
- 米国を中心とした人工骨などの医療機器販売
企業の特徴・強み
- 創薬から製造・販売までの一貫体制を持つ数少ない日本発バイオ企業
- 中国市場での強固な事業基盤と高いコスト効率
- アジアの疾患ニーズに特化したパイプライン
- 自社研究と共同研究のハイブリッド型開発モデル
グループ構成
- 連結子会社:24社
- 関連会社:2社
- 事業区分:医薬品事業/医療機器事業
サンバイオ(4592)
サンバイオ株式会社(SanBio Co., Ltd.)は、再生細胞医薬品の研究開発を行うバイオベンチャーで、脳神経疾患を中心とした再生医療の実用化を目指している。
主力パイプラインであるSB623(再生細胞薬)は、外傷性脳損傷(TBI)や脳梗塞後の機能障害など、アンメット・メディカル・ニーズの高い領域を対象に開発が進められている。日本ではテイジンファーマと提携し、製造・販売体制の構築を進めている。
社名:サンバイオ株式会社
英文社名:SanBio Co., Ltd.
所在地:東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号
設立:2001年2月
代表者:代表取締役社長 CEO 渡部通泰
事業内容:
- 再生細胞医薬品の研究開発
- SB623 を中心とした中枢神経領域の治療法開発
- 国内外企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4592)
主な開発パイプライン:
- SB623(外傷性脳損傷)
- SB623(脳梗塞後機能障害)
- その他、中枢神経疾患領域での応用研究
特徴:
- 中枢神経系の再生医療に特化した細胞医薬品ベンチャー
- 日本ではテイジンファーマが販売パートナー
- 海外展開に向けたパートナーシップ戦略を推進
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅷ:サンバイオ”を参照してください。
ヘリオス(4593)
ヘリオス株式会社(HELIOS Co., Ltd.)は、iPS細胞を活用した再生医療・細胞治療の実用化を目指すバイオベンチャーである。加齢黄斑変性などの眼科領域におけるiPS細胞由来RPE細胞(網膜色素上皮細胞)の開発と、炎症・免疫疾患を対象とした細胞治療(HLCM051 など)の研究開発を中心に事業を展開している。国内外の研究機関や製薬企業と連携し、再生医療の産業化を推進している。
社名:ヘリオス株式会社
英文社名:HELIOS Co., Ltd.
所在地:東京都中央区日本橋本町二丁目3番11号
設立:2011年2月
代表者:代表取締役社長 CEO 佐藤俊彦
事業内容:
- iPS細胞を用いた再生医療等製品の研究開発
- 眼科・免疫疾患領域の細胞治療の開発
- 国内外企業・研究機関との共同研究およびライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4593)
主な開発パイプライン:
- iPS細胞由来RPE細胞(加齢黄斑変性)
- HLCM051(急性呼吸窮迫症候群など)
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅹ:ヘリオス”を参照してください。
JCRファーマ(4552)
JCRファーマ株式会社は、希少疾患領域を中心としたバイオ医薬品の研究開発・製造・販売を行うスペシャリティファーマである。
特に、ライソゾーム病などの遺伝性疾患に対する酵素補充療法(ERT)に強みを持ち、独自技術J-Brain Cargo®(血液脳関門通過技術)を活用した革新的治療薬の開発を進めている。国内では成長ホルモン製剤など複数の自社製品を展開し、海外企業との提携も積極的に推進している。
社名:JCRファーマ株式会社
英文社名:JCR Pharmaceuticals Co., Ltd.
所在地:兵庫県芦屋市春日町3番19号
設立:1975年9月
代表者:代表取締役社長 薗啓之
事業内容:
- バイオ医薬品の研究開発・製造・販売
- 希少疾患(ライソゾーム病など)向け治療薬の開発
- 血液脳関門通過技術 J-Brain Cargo® の応用研究
- 海外企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証プライム(証券コード 4552)
主な製品・パイプライン:
- グロウジェクト®(成長ホルモン製剤)
- イズカーゴ®(ムコ多糖症II型:ERT)
- J-Brain Cargo® 技術を用いた中枢神経系疾患向け新薬開発
特徴:
- 希少疾患×バイオ医薬に特化した独自ポジション
- 血液脳関門(BBB)を通過する革新的技術 J-Brain Cargo®
- 国内製造基盤を持つ数少ないバイオ医薬メーカー
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅻ:JCRファーマ”を参照してください。
J-TEC(7774)
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング株式会社(J-TEC)は、日本初の再生医療等製品メーカーとして、細胞シートを用いた再生医療製品の研究開発・製造・販売を行う企業である。
角膜・皮膚・軟骨などの組織再生を中心に、大学発の技術を産業化し、国内の再生医療を牽引してきた。現在は帝人グループの一員として、再生医療の普及と事業拡大を進めている。
社名:ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング株式会社
英文社名:Japan Tissue Engineering Co., Ltd.(J-TEC)
所在地:愛知県蒲郡市三谷北通六丁目209番地1
設立:1999年2月
代表者:代表取締役社長 佐藤淳
事業内容:
- 再生医療等製品の研究開発・製造・販売
- 角膜・皮膚・軟骨などの細胞シート製品の提供
- 大学・医療機関との共同研究
- 再生医療の受託製造(CDMO)事業
上場市場:東証グロース(証券コード 7774)
主要製品(承認済み):
- ジャック®(JACC®;自家培養表皮)
- ジェイス®(JACE®;自家培養角膜上皮)
- ネオコンドロ®(自家培養軟骨)
特徴:
- 日本初の再生医療等製品の承認企業
- 帝人グループ傘下で事業基盤が強化
- 大学発技術の産業化モデルとして高い実績
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅸ:J-TEC”を参照して下さい。
3Dマトリックス(7777)
3Dマトリックス株式会社(3-D Matrix, Ltd.)は、MIT(マサチューセッツ工科大学)発の自己組織化ペプチド(SAP)技術を基盤とした医療製品の開発に特化したバイオベンチャーである。
止血材や粘膜下層注入材など、内視鏡治療に用いる医療製品を中心に事業を展開し、欧州・日本・米国で承認を取得している。SAP技術は高い安全性と再現性を持ち、医療現場での操作性向上に寄与する点が評価されている。
社名:3Dマトリックス株式会社
英文社名:3-D Matrix, Ltd.
所在地:東京都千代田区鞠町3丁目2番4号
設立:2004年5月
代表者:代表取締役社長 CEO 天沼利彦
事業内容:
- SAP(自己組織化ペプチド)を用いた医療機器の研究開発・製造・販売
- 止血材、粘膜下層注入材など内視鏡領域の製品展開
- 海外(欧州・米国・アジア)での販売ネットワーク構築
上場市場:東証グロース(証券コード 7777)
主要製品(承認済み):
- PuraStat®(止血材)
- PuraLift®(粘膜下層注入材)
- PuraBond®(創傷治癒材)
特徴:
- MIT発の独自ペプチド技術を活用
- 欧州・日本・米国で承認取得済みのグローバル医療機器メーカー
- 内視鏡治療の安全性・効率性を高める製品ラインアップ
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅰ:3Dマトリックス”を参照して下さい。
Heartseed(219A)
Heartseed株式会社(Heartseed Inc.)は、重症心不全を対象とした心筋再生医療の実用化を目指す創薬バイオベンチャーである。
慶應義塾大学・福田恵一教授の研究成果を基盤に、iPS細胞から高純度の心室型心筋細胞を製造し、独自の投与技術(SEEDPLANTER®)を組み合わせた心筋再生細胞治療「HS-001」の開発を進めている。国内外の製薬企業と連携し、心不全治療の新たな選択肢を創出することを目指している。
社名:Heartseed株式会社
英文社名:Heartseed Inc.
所在地:神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25番22号(ライフイノベーションセンター)
設立:2015年10月
代表者:代表取締役社長 CEO 福田恵一
事業内容:
- iPS細胞由来心筋細胞を用いた再生医療等製品の研究開発
- 心不全領域における細胞治療技術の開発
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 219A)
主な開発パイプライン:
- HS-001(重症心不全):日本で臨床試験進行中
- HS-005(心筋再生プログラム):前臨床段階
特徴:
- iPS細胞由来の“心室型心筋細胞”に特化
- 独自の投与デバイス SEEDPLANTER® による高精度移植
- Novo Nordisk との大型ライセンス契約実績
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅶ:Heartseed”を参照して下さい。
レナサイエンス(4889)
レナサイエンス株式会社(Lena Science Inc.)は、創薬とデジタルヘルスを融合した“医療ソリューション企業”である。
独自の創薬技術を活用した低分子医薬品の研究開発に加え、AI・データ解析を用いたデジタル医療プログラムの開発にも取り組んでいる。生活習慣病、代謝疾患、神経疾患など幅広い領域でパイプラインを展開し、医薬品とデジタル治療の両面から新たな医療価値の創出を目指している。
社名:レナサイエンス株式会社
英文社名:Renascience Inc.
所在地:宮城県仙台市青葉区星陵町2-1 医学部6号館202
設立:2000年2月15日
代表者:代表取締役社長 CEO 宮田敏夫
事業内容:
- 低分子医薬品の研究開発
- デジタルヘルス・デジタル治療(DTx)の開発
- 医療データ解析・AI技術の応用
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4889)
主な開発パイプライン:
- RS5614(PAI‑1阻害薬)=医薬品
- 医療機器(AI透析支援・極細内視鏡)
- RS8001・老化領域(研究テーマ)
特徴:
- 創薬×デジタルヘルスのハイブリッド型ビジネスモデル
- 医薬品とデジタル治療の両輪で事業展開
- 生活習慣病・代謝疾患など大規模市場をターゲット
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 XIII:レナサイエンス”を参照して下さい。
カルナバイオサイエンス(4572)
カルナバイオサイエンス株式会社(Carna Biosciences, Inc.)は、キナーゼ阻害薬を中心とした低分子医薬品の研究開発を行う創薬ベンチャーである。
キナーゼタンパク質の製造・販売や受託試験などの創薬支援事業と、自社技術を活かした創薬事業の二本柱で事業を展開している。アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域に革新的な治療薬を届けることを目指し、国内外の製薬企業・研究機関と連携しながら研究開発を推進している。
社名:カルナバイオサイエンス株式会社
英文社名:Carna Biosciences, Inc.
所在地:兵庫県神戸市中央区港島南町1丁目5番5号(神戸バイオメディカルセンター)
設立:2003年4月10日
代表者:代表取締役社長 吉野公一郎
事業内容:
- 創薬事業(キナーゼ阻害薬等の研究開発)
- 創薬支援事業(キナーゼ阻害薬研究に必要な製品・受託サービスの提供)
従業員数:連結63名(2024年12月31日現在)
上場市場:東証グロース(証券コード4572)
子会社:CarnaBio USA, Inc.(北米で創薬支援事業を展開)
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅺ:カルナバイオ”を参照して下さい。
ステムリム(4599)
ステムリム株式会社(StemRIM, Inc.)は、再生誘導医薬(Regenerative Induction Medicine)の実用化を目指す創薬バイオベンチャーである。
体内に存在する間葉系幹細胞(MSC)を薬剤で活性化し、損傷組織の修復を促すという独自の再生医療コンセプトを開発している。大阪大学発の技術を基盤に、難治性疾患を対象とした複数のパイプラインを推進している。
社名:ステムリム株式会社
英文社名:StemRIM, Inc.
所在地:大阪府茨木市彩都あさぎ7-7-15
設立:2006年10月
代表者:代表取締役社長 岡島正恒
事業内容:
- 再生誘導医薬の研究開発
- 難治性疾患を対象とした創薬パイプラインの開発
- 大学・医療機関との共同研究
上場市場:東証グロース(証券コード 4599)
主な開発パイプライン:
- 再生誘導医薬「レダセムチド(TRIM)」(皮膚・筋疾患など)
- 眼科・神経領域など複数の適応で研究開発を進行
特徴:
- 大阪大学発の独自技術
- 体内幹細胞を活性化する“薬剤型の再生医療”
- 複数疾患でPoC(概念実証)を目指すパイプライン構成
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅵ:ステムリム”を参照して下さい。
リプロセル(4978)
株式会社リプロセル(ReproCELL Incorporated) は、東京大学・京都大学の研究成果を基盤として2003年に設立された、iPS細胞技術を中核とする再生医療・研究支援のバイオベンチャーである。
研究用 iPS 細胞・試薬の提供、創薬支援サービス、遺伝子改変細胞の作製、臨床検査、再生医療等製品の開発など、研究支援事業とメディカル事業の2本柱で事業を展開している。
iPS細胞の樹立・分化誘導・ゲノム編集などの高度な細胞加工技術を保有し、国内外の大学・製薬企業・研究機関に幅広くサービスを提供している。
基本情報
- 社名:株式会社リプロセル
- 英語名:ReproCELL Incorporated
- 証券コード:4978(東証グロース)
- 業種:化学(バイオテクノロジー/再生医療)
- 本社所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜3-8-11
- 代表者:横山 周史
- 設立:2003年2月26日
- 上場:2013年6月26日
- 決算期:3月末
- 従業員数:連結 99名、単体 28名(2026年時点)
事業内容
● 研究支援事業(売上の約8割)
- iPS細胞関連研究試薬の製造・販売
- iPS細胞・モデル細胞の提供
- 遺伝子改変細胞の作製サービス
- 創薬支援サービス(生体試料、遺伝子解析など)
- 細胞測定機器の販売
- GMP準拠 iPS細胞マスターセルバンク(MCB)保管サービス
● メディカル事業(売上の約2割)
- 再生医療等製品の研究開発
- 臨床検査受託サービス(HLA検査など)
- 個人向け iPS 細胞作製・保管サービス
企業の特徴・強み
- 東大・京大発のiPS細胞技術を基盤とした先駆的企業
- 研究支援と再生医療の 2事業モデルで安定性と成長性を両立
- iPS細胞の樹立・分化・ゲノム編集など 高度な細胞加工技術を保有
- 国内外(日本・米国・英国・インド)に事業拠点を展開
- 幹細胞新薬「Stemchymal」など再生医療領域での開発進展
グループ構成
- 連結子会社:5社
- 関連会社:2社
- 主要拠点:日本、米国、英国、インド
最近の動向(抜粋)
- 幹細胞新薬「Stemchymal」米国フェーズ2開始(出資先 Steminent)
- ネオアンチゲン由来ペプチドの製造・販売開始
- 海外企業との販売代理店契約拡大
オンコリスバイオファーマ(4588)
オンコリスバイオファーマ株式会社(Oncolys BioPharma Inc.)は、ウイルス学に基づく創薬技術を強みとするバイオベンチャーで、がん治療用ウイルス(腫瘍溶解ウイルス)およびウイルスを利用した診断薬の研究開発を行っている。
主力パイプラインであるテロメライシン(OBP-301)は、がん細胞を選択的に破壊する腫瘍溶解ウイルスで、国内外で臨床開発が進行中である。また、ウイルスを用いたがん診断技術テロメスキャン(OBP-401)も開発しており、治療と診断の両面からがん医療への貢献を目指している。
社名:オンコリスバイオファーマ株式会社
英文社名:Oncolys BioPharma Inc.
所在地:東京都港区赤坂二丁目23番1号
設立:2004年3月
代表者:代表取締役社長 浦田泰生
事業内容:
- 腫瘍溶解ウイルス(テロメライシン)の研究開発
- ウイルスを利用したがん診断薬(テロメスキャン)の開発
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4588)
主な開発パイプライン:
- OBP-301(テロメライシン):がん治療用ウイルス
- OBP-401(テロメスキャン):ウイルスを用いたがん診断技術
- その他、ウイルス学を基盤とした創薬プログラム
特徴:
- 腫瘍溶解ウイルスに特化した国内有数のバイオ企業
- 治療(テロメライシン)と診断(テロメスキャン)の両輪で事業展開
- 海外企業との共同開発・ライセンス契約を積極的に推進
キャンバス(4575)
株式会社キャンバス(CanBas Co., Ltd.) は、抗がん剤の研究開発に特化した創薬バイオベンチャーである。 膵臓がんをはじめとする難治性がんを対象に、独自の創薬技術を用いた新規抗がん剤の開発を進めている。主力パイプラインには、免疫着火剤「CBP501」、可逆的XPO1阻害剤 「CBS9106」 などがあり、がん免疫領域に強みを持つ企業として知られている。
基本情報
- 社名:株式会社キャンバス
- 英語名:CanBas Co., Ltd.
- 証券コード:4575(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:静岡県沼津市大手町2丁目2番1号
- 代表者:河邊 拓己(代表取締役社長)
- 設立:2000年1月18日
- 上場:2009年9月17日(東証グロース)
- 決算期:6月末
- 従業員数:単体 15名(2025年時点)
事業内容
● 創薬事業(抗がん剤開発)
- 膵臓がんなど難治性がんを対象とした新規抗がん剤の研究開発
- 免疫着火剤 CBP501 の臨床開発
- 可逆的XPO1阻害剤 CBS9106 の開発
- 海外企業(Stemline Therapeutics など)との提携・共同研究
● 研究開発支援金が主な収益源
- 研究開発段階の企業であり、売上の多くは提携先からの研究支援金が中心
企業の特徴・強み
- 抗がん剤に特化した創薬ベンチャーとして明確な専門性
- がん免疫領域に強みを持つ独自パイプライン
- 海外企業との提携による グローバル開発体制
- 小規模ながら研究開発に集中した組織構造
主要パイプライン
- CBP501
- 免疫着火剤(カルモジュリン調節ペプチド)
- 対象疾患:膵臓がんなど
- 開発段階:臨床開発中
- CBS9106
- 可逆的XPO1阻害剤
- 対象疾患:固形がん
- 開発段階:第1相臨床試験段階
ラクオリア創薬(4579)
ラクオリア創薬株式会社(RaQualia Pharma Inc.)は、疼痛・消化器・中枢神経領域を中心とした低分子医薬品の研究開発を行う創薬ベンチャーである。
名古屋大学発の創薬技術を基盤に、創薬初期から前臨床・臨床段階まで一貫した研究開発体制を持ち、国内外の製薬企業との共同研究・ライセンス契約を積極的に展開している。特に胃食道逆流症(GERD)向けP-CAB系化合物や疼痛領域の新規作用機序薬など、アンメット・メディカル・ニーズの高い領域に強みがある。
社名:ラクオリア創薬株式会社
英文社名:RaQualia Pharma Inc.
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅南1-21-19(名駅サウスサイドスクエア)
設立:2008年2月
代表者:代表取締役社長 CEO 須藤正樹
事業内容:
- 低分子医薬品の研究開発
- 疼痛・消化器・中枢神経領域の創薬プログラム
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4579)
主なパイプライン:
- RQ-00000000 系(疼痛領域)
- P-CAB 系化合物(消化器領域)
- 中枢神経疾患向け創薬プログラム
特徴:
- 名古屋大学発の創薬技術を基盤
- 低分子創薬に特化した研究開発型バイオベンチャー
- ライセンス契約による収益モデルを構築
メドレックス(4586)
メドレックス株式会社(MedRx Co., Ltd.)は、経皮吸収型ドラッグデリバリーシステム(DDS)の研究開発を専門とする創薬ベンチャーである。
独自技術「ILTS®(イオン液体トランスダーマルシステム)」を活用し、貼付剤による新たな治療オプションの創出を目指している。既存薬の貼付剤化による副作用軽減・利便性向上を強みとし、国内外企業との共同開発も積極的に進めている。
社名:メドレックス株式会社
英文社名:MedRx Co., Ltd.
所在地:香川県東かがわ市西山431番地7
設立:2005年6月
代表者:代表取締役社長 松村米浩
事業内容:
- 経皮吸収型DDS(貼付剤)の研究開発
- ILTS® 技術を用いた医薬品の製剤開発
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4586)
主な開発パイプライン:
- Alto-101(膝OA向け貼付剤):
- 2026年にPhase 2 POC結果予定
- 疼痛・中枢神経領域の貼付剤
- 海外企業との共同開発案件
特徴:
- 経皮吸収に特化したDDS技術(ILTS®)
- 既存薬の貼付剤化による差別化戦略
- 小規模ながら複数パイプラインを持つ研究開発型企業
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅱ:メドレックス”を参照して下さい。
NANOホールディングス(4571)
NANOホールディングス株式会社(NANO Holdings Inc.)は、大学発の創薬シーズを発掘・育成し、事業化までつなぐ“創薬プラットフォーム型”バイオ企業である。
自社で研究開発を行う従来型の創薬ベンチャーとは異なり、大学・研究機関の技術を発掘し、育成し、投資・事業化まで一気通貫で支援する“バイオ版インキュベーションモデル”を採用している。SBIグループとの連携により、資金調達・事業化・海外展開まで幅広い支援体制を持つ点が特徴である。
社名:NANOホールディングス株式会社
英文社名:NANO Holdings Inc.
所在地:東京都港区六本木一丁目6番1号
設立:2002年8月
代表者:代表取締役社長 CEO 松村 淳
事業内容:
- 大学発バイオシーズの発掘・育成
- 創薬・医療技術の事業化支援
- 投資事業およびファンド運営
- 共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4571)
特徴:
- “創薬×投資×事業化”を一体化した独自モデル
- SBIグループとの強固な資本・事業連携
- OA(変形性関節症)、mRNA、DDS など複数領域でシーズ育成
- 長期的な企業価値創出を目指すプラットフォーム型バイオ企業
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 Ⅲ:NANO Holdings”を参照して下さい。
シンバイオ製薬(4582)
シンバイオ製薬株式会社(SymBio Pharmaceuticals Limited) は、 がん・血液・ウイルス感染症などの希少疾患領域に特化した創薬バイオベンチャーである。 世界中から有望な新薬候補を導入し、独自の開発プラットフォームで臨床開発を進める“導入型創薬モデル”を採用している。
主力製品は抗がん剤 トレアキシン(ベンダムスチン)で、2010年にエーザイを通じて販売開始、2020年からは自社販売へ移行している。 また、抗ウイルス薬 ブリンシドフォビル(BCV) のグローバル開発を進めており、アデノウイルス感染症などで臨床的有効性(POC)を確認している。
基本情報
- 社名:シンバイオ製薬株式会社
- 英語名:SymBio Pharmaceuticals Limited
- 証券コード:4582(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:東京都港区虎ノ門4丁目1番28号 虎ノ門タワーズオフィス7階
- 設立:2005年3月25日
- 上場:2011年10月20日
- 代表者:吉田 文紀(代表取締役)
- 従業員数:連結 91名(単体 86名)
- 決算期:12月末
- 資本金:約183億円(2024年12月末時点)
事業内容
● 医薬品の研究開発・製造販売
- がん、血液、ウイルス感染症など 希少疾患領域に特化
- 世界中から有望な開発候補品を導入し、臨床開発を推進
- 医薬品販売は 100%が医薬品事業(2025年時点)
● 主力製品・開発品
- トレアキシン(ベンダムスチン):抗がん剤(自社販売)
- リゴセルチブナトリウム:抗がん剤候補
- ブリンシドフォビル(BCV):抗ウイルス薬(アデノウイルス感染症でPOC確立)
企業の特徴・強み
- 希少疾患 × 導入型創薬モデルで効率的に新薬開発を推進
- がん・血液・ウイルス感染症の空白領域(アンメットニーズ)に集中
- NIH(米国国立衛生研究所)など海外研究機関との共同研究が活発
- 小規模ながら 専門領域に特化した高い研究開発力
ティムス(4891)
株式会社ティムス(TMS Co., Ltd.) は、 東京農工大学発の創薬型バイオベンチャーで、脳・循環器領域を中心とした革新的医薬品の研究開発を行う企業である。
特に、急性期脳梗塞治療薬「TMS-007」 を主力パイプラインとしてグローバル開発を進めており、米バイオジェン社との提携実績を持つ点が大きな特徴である。
また、急性腎障害(AKI)治療薬候補「TMS-008」 や、治療抵抗性高血圧治療薬候補「JX09」 など、アンメットメディカルニーズの高い領域に特化した開発を進めている。
基本情報
- 社名:株式会社ティムス
- 英語名:TMS Co., Ltd.
- 証券コード:4891(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:東京都府中市府中町1丁目9番地 京王府中1丁目ビル11階
- 代表者:若林 拓朗(代表取締役社長)
- 設立:2005年2月17日
- 上場:2022年11月
- 資本金:15億10百万円(2025年2月末時点)
- 従業員数:18名(2025年時点)
事業内容
● 創薬事業(中枢神経・循環器領域)
- 急性期脳梗塞治療薬候補 TMS-007(JX10) のグローバル開発
- グローバル第II/III相試験進行中
- 企業価値を大きく左右する重要なフェーズにいる
- 急性腎障害(AKI)治療薬候補 TMS-008 の研究開発
- 第I相試験完了、共同研究進行中
- 治療抵抗性高血圧治療薬候補 JX09 の開発
- 前臨床
- アカデミア発シーズを基盤とした創薬研究
企業の特徴・強み
- 東京農工大学発の創薬ベンチャーとして確かな研究基盤
- 脳梗塞・腎障害など緊急性の高い疾患領域に特化
- 主力品TMS-007は米バイオジェン社と提携実績
- 小規模ながら高い専門性を持つ研究開発チーム
- 自己資本比率95%超と 財務基盤が安定
クオリブス(4894)
クオリプス株式会社(Cuorips Inc.) は、 大阪大学発の再生医療バイオベンチャーで、ヒト iPS 細胞由来の心筋細胞シートを用いた重症心不全治療の実用化を目指す企業である。
同社は、世界初となる iPS 細胞由来心筋細胞シートの臨床応用を推進しており、 再生医療等製品の開発に加えて、細胞加工施設「CLiC-1」を活用した CDMO(細胞製造受託)事業も展開している。 筆頭株主には第一三共が名を連ね、産学連携・大手企業との協業が進む点も特徴である。
基本情報
- 社名:クオリプス株式会社
- 英語名:Cuorips Inc.
- 証券コード:4894(東証グロース)
- 業種:医薬品(再生医療・iPS細胞)
- 本社所在地:東京都中央区日本橋本町3-11-5 日本橋ライフサイエンスビルディング2 507
- 設立:2017年3月21日
- 上場:2023年6月27日
- 代表者:草薙 尊之(代表取締役社長)
- 従業員数:連結 56名(2025年3月末時点)
- 決算期:3月末
事業内容
● 再生医療等製品の開発
- ヒト iPS 細胞由来 心筋細胞シートの研究開発
- 重症心不全を対象とした再生医療の実用化
- 大阪大学医学部との共同研究
● CDMO(細胞製造受託)事業
- 自社細胞加工施設「CLiC-1」を活用した細胞製造受託
- 細胞培養上清液の製造・販売
- 再生医療企業向けコンサルティングサービス
● 海外展開
- 米国子会社 iReheart Inc. を通じたグローバル展開
企業の特徴・強み
- 大阪大学発ベンチャーとして強固なアカデミック基盤
- 世界初レベルの iPS細胞由来心筋細胞シート開発企業
- 大手製薬企業(第一三共・テルモ等)が株主として参画
- 自社細胞加工施設を活用したCDMO事業で収益基盤を強化
- 再生医療 × iPS細胞 × 心臓領域という高い参入障壁
拠点
- 本社:東京都中央区日本橋本町
- 大阪ラボ:大阪府吹田市(生命システム棟)
- 千里研究開発センター/CLiC-1:大阪府箕面市
- 米国子会社:iReheart Inc.
リボミック(4591)
リボミック株式会社(RIBOMIC Inc.)は、アプタマー医薬(核酸医薬)の研究開発を専門とする創薬バイオベンチャーである。
独自のアプタマー創薬技術「RiboART System®」を基盤に、眼科・線維化・炎症などのアンメット・メディカル・ニーズが高い疾患領域でパイプラインを展開している。国内外の製薬企業との共同研究やライセンス事業も積極的に推進している。
社名:リボミック株式会社
英文社名:RIBOMIC Inc.
所在地:東京都港区芝浦三丁目2番16号
設立:2003年8月
代表者:代表取締役社長 中村義一
事業内容:
- アプタマー医薬の研究開発
- RiboART System® を用いた創薬プログラム
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4591)
主な開発パイプライン:
- RBM-007(眼科:加齢黄斑変性など)
- 線維化疾患向けアプタマー
- 炎症・免疫領域の創薬プログラム
特徴:
- アプタマー創薬に特化した国内有数のバイオ企業
- 独自技術 RiboART System® による高精度な候補選定
- 眼科領域を中心にグローバル展開を視野に研究開発を推進
窪田製薬HD(4596)
窪田製薬ホールディングス株式会社(Kubota Pharmaceutical Holdings Co., Ltd.) は、 眼科領域に特化した創薬・医療機器開発を行うバイオベンチャーである。
「失明のない世界へ」をミッションに掲げ、 遺伝性網膜疾患・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性などの眼疾患に対する 医薬品・医療機器の研究開発および実用化を推進している。
基本情報
- 社名:窪田製薬ホールディングス株式会社
- 英語名:Kubota Pharmaceutical Holdings Co., Ltd.
- 証券コード:4596(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:東京都港区南青山1-15-37
- 代表者:窪田 良
- 設立:2015年12月11日(前身は2002年設立のAcucela Inc.)
- 決算期:12月末
- 従業員数:連結 15名(2025年12月期)
- 資本金:5億78百万円(2025年12月期)
事業内容
● 医薬品開発(眼科領域)
- 遺伝性網膜疾患(スターガルト病)向け エミクススタト塩酸塩(RETAKU®)
- 糖尿病網膜症向け治療薬の開発
- FDA・EMAからオーファンドラッグ指定を取得した実績あり
● 医療機器・デジタルヘルス
- Kubota Glass®:近視進行抑制を目指すウェアラブルデバイス
- eyeMO®(PBOS):在宅・遠隔眼科モニタリング機器
- NASA向けの超小型OCT(眼科診断装置)開発実績あり
● 研究開発
- 遺伝子治療・眼科用デリバリー技術の共同研究
- 海外研究機関(NCI、SIRION Biotech など)との連携
企業の特徴・強み
- 眼科領域に特化した日本発バイオベンチャー
- 医薬品 × 医療機器 × デジタルヘルスの ハイブリッド型事業モデル
- FDA・EMAのオーファンドラッグ指定など 国際的な開発実績
- 自己資本比率90%超と 財務基盤が比較的安定(2025年)
● 主要パイプライン
- エミクススタト塩酸塩(RETAKU®)
- 視覚サイクルモジュレーター
- 対象疾患:スターガルト病、糖尿病網膜症
- 開発状況:臨床第3相(海外)
- Kubota Glass®
- ウェアラブル医療機器
- 対象疾患:近視進行抑制
- 開発状況:販売・事業展開中
- eyeMO®(PBOS)
- 遠隔眼科モニタリング機器
- 対象疾患:網膜疾患
- 開発状況:臨床試験完了済
DWTI(4576)
株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(D. Western Therapeutics Institute, Inc./略称:DWTI) は、 三重大学発の創薬バイオベンチャーで、プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした 眼科領域(緑内障・角膜疾患など)および難治性疾患向けの新薬開発を行う企業である。
緑内障治療薬「グラナテック®」の創製企業として知られ、 現在も複数の自社創薬パイプラインを保有している。 また、DWTIは 研究開発特化型モデルを採用し、製薬企業との提携を通じて開発を進める点が特徴である。
基本情報
- 社名:株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所
- 英語名:D. Western Therapeutics Institute, Inc.
- 証券コード:4576(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:愛知県名古屋市中区錦一丁目18番11号
- 設立:1999年2月
- 上場:2009年10月23日
- 代表者:日高 有一
- 資本金:697百万円(2025年12月末時点)
- 従業員数:19名(2025年12月末時点)
事業内容
● 創薬事業(眼科・難治性疾患)
- プロテインキナーゼ阻害剤を基盤とした創薬
- 緑内障・高眼圧症・角膜内皮疾患などの治療薬開発
- 大学(特に三重大学)との共同研究
● 主な上市品(提携先による販売)
- グラナテック®点眼液(緑内障治療薬/興和)
- グラアルファ®(緑内障治療薬/興和)
- DW-1002(眼科手術補助剤/DORC)
● 主要パイプライン
- H-1337
- 自社開発のキナーゼ阻害剤
- 対象疾患:緑内障・高眼圧症
- H-1129
- 眼圧下降作用を持つ候補化合物
- 対象疾患:眼科領域
- K-321
- 興和と共同開発
- 対象疾患:フックス角膜内皮変性症
- DW-1001/DW-1002
- 一部は既に上市
- 眼科手術補助
- DW-5LBT(MRX-5LBT)
- メドレックス(MedRx)と共同開発(日本)
- リドカイン貼付剤
企業の特徴・強み
- 三重大発の創薬ベンチャーとして強固なアカデミック基盤
- プロテインキナーゼ阻害剤に特化した 独自創薬エンジン
- 緑内障治療薬の創製実績(グラナテック®)
- 製薬企業との提携による研究開発特化型ビジネスモデル
- 眼科領域に強みを持つ希少性の高い創薬企業
ケイファーマ(4896)
ケイファーマ株式会社(Kei Pharma Inc.)は、脊髄損傷を中心とした再生医療・細胞治療の実用化を目指す創薬バイオベンチャーである。慶應義塾大学発の研究成果を基盤に、神経再生を促す独自技術を用いた再生医療等製品「KP-8011」の開発を主軸としている。大学・医療機関・製薬企業との連携を活かし、難治性疾患の治療法創出を進めている。
社名:ケイファーマ株式会社
英文社名:Kei Pharma Inc.
所在地:東京都港区芝浦三丁目14番18号
設立:2016年12月
代表者:代表取締役社長 CEO 佐藤俊彦
事業内容:
- 再生医療等製品の研究開発
- 脊髄損傷など中枢神経系疾患の治療法開発
- 大学・研究機関との共同研究および技術ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4896)
主な開発パイプライン:
- KP-8011(脊髄損傷)
- KP-2011(ALS など神経難病領域)
特徴:
- 慶應義塾大学発の神経再生技術を基盤
- 脊髄損傷の早期承認制度(条件付き早期承認)を視野に開発
- 国内外企業とのライセンス交渉も進行
詳細は、“バイオベンチャーの投資リスク評価 ⑭:ケイファーマ”を参照して下さい。
セルソース(4880)
セルソース株式会社(CellSource Co., Ltd.) は、 再生医療関連事業を中心に、細胞加工受託サービスや医療機関支援サービスを提供するバイオベンチャーである。
脂肪・血液由来の細胞加工受託を主力とし、整形外科領域(特に変形性ひざ関節症)を重点分野として事業を拡大。 医療機関向けの再生医療法規対応支援、医療機器販売、化粧品販売なども手がけ、 再生医療の実用化を支えるプラットフォーム企業として成長している。つまり、再生医療のインフラ企業としての存在感を高めている。
基本情報
- 社名:セルソース株式会社
- 英語名:CellSource Co., Ltd.
- 証券コード:4880(東証スタンダード)
- 業種:医薬品(再生医療関連)
- 本社所在地:東京都渋谷区渋谷1-23-21 渋谷キャスト11F
- 代表者:山川 雅之(代表取締役社長CEO)
- 設立:2015年11月30日
- 上場:2019年10月28日(東証)
- 決算期:10月末
- 従業員数:148名(連結・単体、2025年時点)
- 資本金:14億2500万円(2025年)
事業内容
● 再生医療関連事業(主力)
- 脂肪・血液由来の 細胞加工受託サービス
- 細胞・組織の保管サービス
- 再生医療等安全性確保法に基づく 医療機関支援サービス(法規対応・経営支援)
- 整形外科領域(ひざ関節症など)での導入が拡大中
● 医療機器販売
- 再生医療関連の医療機器を医療機関へ販売
● 化粧品販売・その他
- 細胞加工技術を応用した化粧品の開発・販売
企業の特徴・強み
- 再生医療の実用化を支える細胞加工受託の専門企業
- 変形性ひざ関節症など整形外科領域での需要が拡大
- 医療機関向けの法規対応支援など 高い参入障壁を持つサービスモデル
- 自社CPC(細胞加工施設)を活用した高品質な加工体制
- 研究開発・設備投資を継続しつつ、安定した収益基盤を構築
事業構成(売上比率)(2025年10月期)
- 加工受託サービス:66%
- 医療機関支援サービス:5%
- 医療機器販売:20%
- 化粧品販売・その他:9%
拠点
- 本社:東京都渋谷区渋谷1-23-21 渋谷キャスト11F
- 羽田グローバルCPC:神奈川県川崎市殿町(ライフイノベーションセンター内)
デルタフライファーマ(4598)
Delta-Fly Pharma株式会社(デルタフライファーマ) は、 「がん患者を全体として診る」ことを理念に掲げる抗がん剤創薬ベンチャーである。
既存の抗がん物質を組み合わせて安全性と有効性を高める “モジュール創薬” を独自技術として展開し、 急性骨髄性白血病、肺がん、膵がん、固形がんなどを対象とした 複数のパイプラインを開発している。
主力候補品 DFP-10917 は、米国でフェーズ3試験が進行するなど、 グローバル開発が進む注目パイプラインである。この米国フェーズ3試験の進展は企業価値に直結する。
基本情報
- 社名:Delta-Fly Pharma株式会社
- 英語名:Delta-Fly Pharma, Inc.
- 証券コード:4598(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:徳島県徳島市川内町宮島錦野37番地の5
- 東京オフィス:東京都中央区日本橋本町3丁目11-5
- 代表者:江島 清(代表取締役社長)
- 設立:2010年12月6日
- 上場:2018年10月12日
- 資本金:51億1300万円(2025年時点)
- 従業員数:単体 12〜13名(2025年時点)
事業内容
● 抗がん剤の研究開発(モジュール創薬)
- 既存の抗がん物質を組み合わせ、副作用低減と効果向上を目指す創薬
- 血液がん・固形がんなど幅広いがん種を対象
- 国内外での臨床試験を推進
● 研究開発特化型モデル
- 自社で創薬研究に集中し、臨床・販売は外部パートナーと連携
- 大学・医療機関・製薬企業との共同研究
● 主要パイプライン
- DFP-10917
- 再発/難治性急性骨髄性白血病(AML)
- 米国フェーズ3、日本フェーズ1
- Venetoclax併用試験も進行中
- DFP-14323
- 肺がん
- フェーズ3
- DFP-17729
- 固形がん
- フェーズ1/2
- DFP-11207
- 膵がん
- フェーズ1完了
- DFP-14927
- 血液がん
- フェーズ1
- DFP-10825
- 胃がん/卵巣がん
- 前臨床
企業の特徴・強み
- “モジュール創薬” による独自の抗がん剤開発手法
- 少人数精鋭で研究開発に特化した組織
- 米国でフェーズ3が進むパイプラインを保有
- 大学・医療機関・製薬企業との連携による効率的な開発体制
- 徳島発の創薬ベンチャーとして地域発イノベーションを牽引
オンコセラピー・サイエンス(4564)
オンコセラピー・サイエンス株式会社(OncoTherapy Science, Inc./略称 OTS) は、 がん領域に特化した創薬バイオベンチャーで、 大学や研究機関との共同研究を基盤に、 がんペプチドワクチン・低分子医薬・抗体医薬・核酸医薬など幅広い創薬研究を行っている。
同社は「産学連携型」企業として知られ、 研究者が取締役や顧問として参画する独自の体制を構築。 がん遺伝子解析や免疫解析サービスを行う子会社 Cancer Precision Medicine(CPM) を持ち、 がんプレシジョン医療にも取り組んでいる。
基本情報
- 社名:オンコセラピー・サイエンス株式会社
- 英語名:OncoTherapy Science, Inc.
- 証券コード:4564(東証グロース)
- 業種:医薬品/バイオテクノロジー
- 本社所在地:神奈川県川崎市川崎区東田町1-2
- 電話番号:044-201-6429
- 設立:2001年4月6日
- 資本金:5,000万円(資本剰余金:286億円)
- 決算期:3月
- 従業員数:連結 47名(単体 18名)
事業内容
● 創薬研究事業(主力)
- がんペプチドワクチン
- 低分子医薬
- 抗体医薬
- 核酸医薬
- 大学・研究機関との共同研究による創薬
● 医薬品候補のライセンスアウト
- 製薬企業との共同開発
- 医薬品候補物質の提供
● がん遺伝子解析・免疫解析(子会社 CPM)
- TCR/BCR解析サービス
- がん遺伝子の大規模解析
企業の特徴・強み
- がん領域に特化した創薬ベンチャー
- 大学研究者が経営に参画する 産学連携型モデル
- がんペプチドワクチンから抗体・核酸医薬まで 幅広い創薬技術
- 子会社CPMによる プレシジョン医療(遺伝子解析) 事業
- 高い自己資本比率(83%超)で財務基盤が比較的安定
グループ構成
- 連結子会社:1社
- 株式会社 Cancer Precision Medicine(CPM)
- 事業領域:がん創薬/遺伝子解析/免疫解析
カイオム・バイオサイエンス(4583)
株式会社カイオム・バイオサイエンス(Chiome Bioscience Inc.) は、 理化学研究所(理研)発の創薬バイオベンチャーで、独自の抗体作製技術 ADLib®システム を中核とした抗体医薬品の研究開発を行う企業である。
がん領域を中心に、抗体創薬事業 と 創薬支援事業 の2本柱で事業を展開。 自社パイプラインとして CBA-1205(抗がん抗体) や CBA-1535(Tribody®技術を用いた抗体)などを開発しており、海外企業との提携も積極的に進めている。
基本情報
- 社名:株式会社カイオム・バイオサイエンス
- 英語名:Chiome Bioscience Inc.
- 証券コード:4583(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:東京都渋谷区本町3丁目12番1号
- 代表者:小池 正道
- 設立:2005年2月8日
- 上場:2011年12月20日
- 決算期:12月末
- 資本金:9億9,552万5千円
- 従業員数:単体 49名(2025年時点)
事業内容
● 創薬事業(抗体医薬品の研究開発)
- 独自技術 ADLib®システム による抗体作製
- がん領域を中心とした抗体医薬品の開発
- 自社パイプライン(CBA-1205、CBA-1535 など)の臨床開発
- 海外企業(ADC Therapeutics など)との共同研究・ライセンス契約
● 創薬支援事業
- 抗体作製・抗体改変技術の提供
- 製薬企業・研究機関向けの受託サービス
- 技術供与・ライセンス収入が収益源の一部
● 主要パイプライン
- CBA-1205
- 抗がん抗体(固形がん)
- 開発状況:第1相臨床試験
- CBA-1535
- Tribody®技術を用いた抗体(がん)
- 開発状況:前臨床〜初期開発
- LIV-1205(ADC)
- 抗体薬物複合体(がん)
- 開発状況:ADC Therapeutics と提携
企業の特徴・強み
- 理研発ベンチャーとして強固な研究基盤
- 独自の抗体作製技術 ADLib®システム を保有
- がん領域に特化した 抗体創薬パイプライン
- 海外企業との提携によるグローバル開発体制
- 創薬支援事業による安定収益モデル
- 自社パイプラインの進展と、創薬支援事業の拡大が企業価値向上の鍵
セルシード(7776)
株式会社セルシード(CellSeed Inc.) は、 日本発の「細胞シート工学」を基盤とした再生医療ベンチャーである。
温度応答性ポリマーを利用して細胞をシート状に回収する独自技術を活用し、 食道再生上皮シート・軟骨細胞シートなどの再生医療等製品の開発を進めている。
また、細胞培養器材(UpCell®、RepCell® など)の製造・販売や、 細胞加工受託(CPC)などの 再生医療支援事業も展開している。再生医療のインフラ企業としての存在感を高めようとしている。
基本情報
- 社名:株式会社セルシード
- 英語名:CellSeed Inc.
- 証券コード:7776(東証グロース)
- 業種:精密機器(再生医療関連)
- 本社所在地:東京都江東区青海2-5-10 テレコムセンタービル東棟15F
- 設立:2001年5月
- 代表者:橋本せつ子(代表取締役社長)
- 決算期:12月
- 資本金:35億900万円(IR BANK)
- 従業員数:単体 36名(2025年時点)
事業内容
● 細胞シート再生医療事業(主力)
- 食道再生上皮シート(第3相治験中)
- 自己軟骨細胞シート(東海大学と共同、先進医療B)
- 同種軟骨細胞シート(治験準備中)
- 再生医療等製品の製造販売を目指す開発型ビジネス
● 再生医療支援事業
- 温度応答性培養器材 UpCell®/RepCell®/HydroCell® の製造・販売
- 細胞加工受託(CPC:特定細胞加工物製造許可取得)
- 再生医療法規対応支援
● 企業の特徴・強み
- 日本発の細胞シート工学という世界的に評価の高い技術基盤
- 食道・軟骨など アンメットメディカルニーズの高い領域に特化
- 自社CPCを活用した 高品質な細胞加工体制
- 大学(東京女子医科大学・東海大学など)との強固な共同研究体制
- UpCell® などの器材は グローバル展開が進む
● 主要パイプライン
- 食道再生上皮シート
- 食道がん術後の再生
- 第3相治験中
- 2025年承認申請予定
- 承認取得は企業価値を大きく左右する重要イベント
- 自己軟骨細胞シート
- 変形性膝関節症
- 先進医療B
- 東海大学が実施
- 同種軟骨細胞シート
- 変形性膝関節症
- 治験準備中
メディネット(2370)
メディネット株式会社(Medinet Co., Ltd.)は、がん免疫細胞療法を中心とした再生・細胞医療の支援事業を行うバイオベンチャーである。
医療機関向けに細胞加工施設(CPC)の運営支援や、免疫細胞の加工受託サービスを提供し、がん治療の普及と質の向上に貢献している。自社技術を活用した細胞加工の標準化・効率化を強みとし、国内の医療機関とのネットワークを広く構築している。
社名:メディネット株式会社
英文社名:Medinet Co., Ltd.
所在地:東京都大田区平和島6-1-1 TRCセンタービル
設立:1995年10月
代表者:代表取締役社長 CEO 久布白兼直
事業内容:
- 免疫細胞療法の細胞加工受託(CPC運営支援)
- 再生・細胞医療関連の技術提供・コンサルティング
- 医療機関との共同研究・臨床支援
上場市場:東証グロース(証券コード 2370)
特徴:
- がん免疫細胞療法の加工受託で国内トップクラスの実績
- CPC(細胞加工センター)の運営支援に強み
- 細胞医療の産業化を支える“インフラ型”ビジネスモデル
ファンペップ(4881)
ファンペップ株式会社(FunPep Co., Ltd.)は、ペプチド医薬の研究開発を行う大阪大学発の創薬バイオベンチャーである。
免疫調節ペプチドや抗体誘導ペプチドなど、独自のペプチド創薬技術を基盤に、感染症・がん・皮膚疾患など幅広い疾患領域でパイプラインを展開している。大学・企業との共同研究を積極的に進め、技術ライセンスを中心とした事業モデルを構築している。
社名:ファンペップ株式会社
英文社名:FunPep Co., Ltd.
所在地:大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目7番18号
設立:2013年10月
代表者:代表取締役社長 CEO 佐藤雅彦
事業内容:
- ペプチド医薬の研究開発
- 免疫調節・抗体誘導ペプチドの創薬プログラム
- 大学・企業との共同研究およびライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4881)
主な開発パイプライン:
- SR-0379(創傷治癒・皮膚疾患)
- FPP003(抗体誘導ペプチド)
- 感染症・がん領域のペプチド創薬プログラム
特徴:
- 大阪大学発のペプチド創薬技術を基盤
- 免疫調節・抗体誘導など独自性の高い創薬アプローチ
- 共同研究・ライセンス中心の“技術提供型”ビジネスモデル
モダリス(4883)
モダリス株式会社(Modalis Therapeutics Inc.)は、CRISPR-GNDM(遺伝子制御型CRISPR)技術を用いた遺伝子治療の研究開発を行う創薬バイオベンチャーである。
従来のゲノム編集とは異なり、DNAを切断せずに“遺伝子の発現量を調整する”独自技術を強みに、希少遺伝性疾患を中心とした治療法の開発を進めている。海外企業との共同研究やライセンス事業も積極的に展開している。
社名:モダリス株式会社
英文社名:Modalis Therapeutics Inc.
所在地:東京都中央区日本橋本町三丁目8番5号
設立:2016年1月
代表者:代表取締役社長 CEO 森田晴彦
事業内容:
- CRISPR-GNDM 技術を用いた遺伝子治療の研究開発
- 希少遺伝性疾患向け創薬プログラム
- 製薬企業との共同研究・ライセンス事業
上場市場:東証グロース(証券コード 4883)
主な開発パイプライン:
- MDL-101(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)
- MDL-201(遺伝性神経疾患)
- その他、希少疾患向け遺伝子制御プログラム
特徴:
- DNAを切らない“遺伝子制御型CRISPR”という独自技術
- 希少疾患に特化した高付加価値パイプライン
- 海外企業との提携を軸にした技術提供型ビジネスモデル
ブライトパス・バイオ(4594)
ブライトパス・バイオ株式会社(BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.) は、 がん免疫療法の研究開発に特化した創薬バイオベンチャーである。
久留米大学発の技術を基盤に、
- がんペプチドワクチン
- iPS細胞由来NKT細胞療法(iPS-NKT)
- CAR-T細胞療法(BP2301) など、次世代がん免疫療法の開発を推進している。
後期臨床から創薬探索段階まで幅広いパイプラインを保有し、 国内外での臨床試験や共同研究を積極的に展開している点が特徴である。
基本情報
- 社名:ブライトパス・バイオ株式会社
- 英語名:BrightPath Biotherapeutics Co., Ltd.
- 証券コード:4594(東証グロース)
- 業種:医薬品(がん免疫療法)
- 本社所在地:東京都千代田区麹町2-2-4(本社)
- 研究所:神奈川県川崎市殿町(川崎創薬研究所)
- 設立:2003年5月8日
- 上場:2015年10月22日(東証マザーズ→グロース)
- 代表者:永井 健一(代表取締役社長)
- 資本金:11億99百万円(2025年3月31日現在)
- 従業員数:24名(2025年3月期)
事業内容
● がん免疫療法の研究開発(主力)
- がんペプチドワクチン(ITK-1、GRN-1201 など)
- iPS細胞由来NKT細胞療法(iPS-NKT)
- HER2 CAR-T細胞療法(BP2301)
- 免疫チェックポイント阻害剤との併用療法研究
● 共同研究・ライセンス活動
- 富士フイルム、理化学研究所、大学病院などと連携
- 医師主導治験を活用した臨床開発
● 主要パイプライン
- iPS-NKT細胞療法
- 細胞療法(固形がん)
- 医師主導治験中(2020〜)
- BP2301(HER2 CAR-T)
- CAR-T細胞療法(HER2陽性がん)
- 医師主導治験開始(2022)
- GRN-1201
- がんワクチン(メラノーマ・肺がん)
- 米国第II相は早期中止(2022)
- ITK-1
- がんワクチン(前立腺がん)
- 第III相まで進むも開発中止(2019)
● 企業の特徴・強み
- がん免疫療法に特化した日本有数の創薬ベンチャー
- iPS細胞技術を応用した 次世代細胞療法(iPS-NKT) を開発
- 大学・研究機関との共同研究による 産学連携モデル
- 早期〜後期まで多様なパイプラインを保有
- 自己資本比率約80%と比較的安定した財務基盤
アンジェス(4563)
アンジェス株式会社(AnGes, Inc.) は、 大阪大学医学部発の創薬バイオベンチャーで、 遺伝子医薬・核酸医薬・ワクチンなどの研究開発を行う企業である。
2024年には早老症治療薬 「ゾキンヴィ」 の販売を開始し、 遺伝子医薬の実用化に向けた取り組みを強化している。
基本情報
- 社名:アンジェス株式会社
- 英語名:AnGes, Inc.
- 証券コード:4563(東証グロース)
- 業種:医薬品
- 本社所在地:大阪府茨木市彩都あさぎ7丁目7番15号
- 代表者:山田 英(代表取締役社長)
- 設立:1999年12月17日
- 上場:2002年9月25日
- 決算期:12月末
- 従業員数:連結 56名、単体 35名
事業内容
● 遺伝子医薬の研究開発
- HGF遺伝子治療用製品(重症虚血肢など)
- NF-κBデコイオリゴDNA(炎症性疾患)
- DNAワクチン(感染症領域)
- ゲノム編集・マイクロバイオーム事業
● 希少疾患向け医薬品
- 2024年より 早老症治療薬「ゾキンヴィ」 を販売開始
● アライアンス・共同研究
- 大学・研究機関・製薬企業との共同開発
- 海外企業との提携によるグローバル展開
● 主要パイプライン
- HGF遺伝子治療薬(重症虚血肢向け)
- NF-κBデコイオリゴDNA(炎症性疾患向け)
- DNAワクチン (感染症)
- AV-001(Tie2受容体アゴニスト)
- 脳障害予防;透析患向け
- 医師主導試験で投与開始(2026年)
企業の特徴・強み
- 阪大医学部発の創薬ベンチャーとして強固な研究基盤
- 遺伝子医薬・核酸医薬など 先端領域に特化
- 希少疾患向け医薬品の開発で社会的意義が高い
- 共同研究・アライアンスを活用した研究開発特化型モデル
- 自己資本比率55%超(2025年)で一定の財務基盤
あとがき
バイオ株の世界は、夢と現実が常に交錯する独特のフィールドである。 かつてアンジェス(4563)やオンコセラピー・サイエンス(OTS)(4564)は、「日本のバイオを牽引する存在」として大きな期待を集めた。 しかし、長期臨床の停滞、資金調達の難航、事業の収益化の遅れなど、 バイオ特有の“谷”に飲み込まれ、投資家の期待に応えきれなかった面も否めない。
とはいえ、バイオ業界は常に新陳代謝を繰り返す世界である。 停滞する企業があれば、その陰で静かに力を蓄え、 新たに台頭してくるバイオベンチャーも確実に存在する。
例えば――
- クオリプス(4894)
- iPS細胞由来心筋細胞シートで世界を狙う再生医療の新星
- ティムス(4891)
- 脳梗塞治療薬TMS-007でグローバル開発を進める大学発ベンチャー
- セルソース(4880)
- 細胞加工受託で“再生医療のインフラ企業”へ成長
- ブライトパス・バイオ(4594)
- iPS-NKTやCAR-Tなど次世代免疫療法に挑む企業
- デルタフライファーマ(4598)
- 米国フェーズ3を持つ数少ない国産バイオ
これらの企業は、かつてのアンジェスやOTSがそうであったように、 “次の主役”になる可能性を秘めている。 もちろん、バイオ株はハイリスク・ハイリターン。 一夜にして株価が倍にも半分にもなる世界である。 だからこそ、企業の技術、パイプライン、資金、提携、そして経営陣の姿勢を 冷静に見極めることが、一般投資家にとって何より重要になる。
本稿が、私たちのバイオ株投資の判断材料として、 そして未来の“スター企業”を見つけるヒントとして役立てば幸いである。 バイオ株の旅は長く、時に険しいものであるが、 その先にある“成功の瞬間”は、他のどのセクターにも代えがたい魅力がある。
私たちの投資が、希望と確信に満ちたものになりますように。