このブログでは何度か書いているように私は高い所がとても苦手である。一方、私の妻は吊橋や断崖絶壁のような恐怖感を伴う高い所が大好きな人間ときているから困ったものである。旅先の境港市内にいた際にも、江島大橋を見に行こうと妻に誘われた。
江島大橋は、鳥取県境港市と江島(島根県松江市八束町)とを結ぶ中海にかかる橋である。最上部の高さは約45 mに達し、コンクリート製の桁橋としては日本最大であるという。桁橋とは、橋桁によって橋面を支える方式で作られた橋のことである。
江島大橋は、その急勾配から通称「ベタ踏み坂」として一躍有名になった橋であり、橋脚と橋体がコンクリートによって一体化しているPCラーメン橋(Prestressed concrete rigid frame bridge)としては日本一(世界でも第3位)であるらしい。
確かにそんな立派な橋なら一見の価値はありそうだ。しかし、写真を撮るなら江島大橋を渡り、江島に行かなければならない。
当日は、あいにくの悪天候なので良い写真が撮れそうもない。わざわざ江島に行く必要もないのではないかと私は心の中で正直思ったものである。しかし、妻の機嫌が悪くならないうちに江島に行くことに決めた。これが私の妻に対する普段の対応である。
ベタ踏み坂の撮影スポットは、突き当りの角にあるファミリーマート付近であることをネット検索で知り、その場所へと車で向かった。
江島大橋は確かに中海の上に架かる橋であり、私にとっては嫌な高さである。しかし、当日は悪天候で視界も悪く、恐怖を感じないままに目的のファミリーマートの駐車場に到着した。
雨の中、ベタ踏み坂を撮影しようと撮影スポットを探すが、SNSにアップされているような撮影スポットを探すことがなかなかできないでいた。私と同じ目的で来たと思われる観光客たちも「意外と大したことない」と思っているかのような表情をしながら引き返し、皆んな帰って行ってしまった。悪天候だから当然で、賢明な判断と思う。
結局、ファミリーマート付近の場所からカメラのズーム機能を使って撮影してみたが迫力不足は否めない。
帰宅後、ベタ踏み坂の本当の撮影スポットをネットで調べたところ、本当の撮影スポットは江島の対岸にある大根島にあることが分かった。大根島は江島と陸続きなので簡単に行くことができるようだ。次回、もし機会があったなら、その場所から再チャレンジしてみよう。
ベタ踏み坂が実在する坂であることを確認できたのは良かった。そして、結局のところ、ベタ踏み坂は遠く離れた場所からカメラのズーム機能を使って撮影することで、あのような脅威的な視覚角度の急坂に見えるようになることも理解できた。
事前調査の不足から撮影スポットを探しきれなかったのは反省点である。また、悪天候のため綺麗な写真も撮れなかったのも残念であった。しかしながら、デジタル一眼レフカメラでの写真撮影による遊び方を一つ教わった。それは私にとっては大きな収穫であったと言うべきであるかも知れない。
妻の我儘に従って遠くまで来た甲斐があったというものだ。そう言えば、このブログのネタの大半は妻に同行して撮影したものばかりである。このことに関しては妻に感謝しないといけない。感謝の気持ちで、これからも妻の我儘に付き合っていこうと思う。