はじめに
クラシック音楽とは、主に18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパで作曲された音楽のことを指す。バロック、古典派、ロマン派などの時代に分類されることが多く、特に有名な作曲家にはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンなどがいる。
クラシックという言葉は、ラテン語で「一流の」という意味を持つ「class(クラス)」に由来しているとされる。それが転じて、音楽や文学などの芸術作品においては「古典」あるいは「格式のある」という意味でも用いられるようになったと言われている。
クラシック音楽は交響曲、オペラ、ソナタ、協奏曲など、様々な形式で表現される。日本でも多くの人々に愛されており、オーケストラやピアノ演奏会などが盛んに行われている。私もモーツァルトやベートーヴェン、ショパンらのクラシック音楽が好きで、興味がある。
クラシック音楽と言えば、ストレス解消に効果があるとされている。特にゆったりとしたテンポや穏やかな旋律が、心を落ち着かせるのに役立つ。科学的にも、クラシック音楽を聴くことで脳内のアルファ波が増え、リラックス効果が高まることが証明されているという。例えば、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やドビュッシーの「月の光」などがリラックス効果の高い楽曲として知られている。このようにリラックス効果やストレス軽減に役立つため、クラシック音楽はメンタルヘルスに効果があるとされている。
さらに、クラシック音楽を聴いたり、楽器を演奏することで、脳の活性化が期待されており、認知症予防に寄与することが研究で示されているらしい。クラシック音楽にこのような効能があると聞くと、ますますクラシック音楽に興味を持ってしまう。この機会に、クラシック鑑賞を趣味に加えてみてはどうだろうか。
<目次> はじめに クラシック音楽は5つに区分できる バロック音楽 古典派音楽 ロマン派音楽 印象主義音楽 近代音楽 クラシック音楽の5つのメンタルヘルス効果 ストレス軽減効果 リラクゼーション効果 集中力を高める効果 意欲やヤル気を取り戻す効果 安眠効果 音楽療法の認知症への効果 認知症の音楽療法に適したジャンル あとがき |
クラシック音楽は5つに区分できる
クラシック音楽には、時代の変化に囚われない普遍性や、楽器本来の美しい響きを堪能できる構成など、さまざまな魅力がある。クラシック音楽の歴史は、大きく分けると、次の5つの時代に分類されるという。
- バロック音楽
- 古典派音楽
- ロマン派音楽
- 印象主義音楽
- 近代音楽
それぞれの時代のクラシック音楽について見ていこう。
クラシック音楽の基礎【バロック音楽】
バロック音楽は、16世紀末から18世紀前半にかけて広まった音楽の総称である。
ドイツの音楽者であるクルト・ザックスは、バロック音楽を「彫刻や絵画等と同じように速度や強弱、音色などに対比があり、劇的な感情の表出を特徴とした音楽」と定義づけている。
一方、この時代の音楽にはさまざまなスタイルのものが存在し、バロック音楽の特徴を一つに統括するのは難しいともされている。また、フランスでは、バロック音楽と呼ばず「古典フランス音楽」と呼ぶこともあるという。
バロック音楽には次のような代表的な作曲家が知られている。
- アントーニオ・ヴィヴァルディ
- 代表作:ヴァイオリン協奏曲集「四季」
- ヨハン・セバスティアン・バッハ
- 代表作:「G線上のアリア」
【古典派音楽】今でも一定の人気を誇る
古典派音楽は、18世紀前半から19世紀前半にかけて広まった音楽の総称である。
この時代は、ヨーロッパで主流となっていた啓蒙思想(聖書・神学など従来の権威ではなく理性を重視する思想運動)を背景に、楽曲全体のつりあいや合理的な展開が重んじられたという。序章・提示部・展開部・再現部・結尾部からなるソナタ形式が発展したとされる。
また、交響曲、協奏曲や弦楽四重奏曲などが盛んに作られた時代でもある。こうして、啓蒙思想の上に古典的な美学が形成されていったと言われている。
古典派音楽の代表的な作曲家にはハイドン(オーストラリア出身)、モーツァルト(オーストラリア出身)やベートーヴェン(ドイツ出身)がいる。
- フランツ・ヨセフ・ハイドン(1732~1809)
- ソナタ形式を確立した功績は大きい
- 弦楽四重奏曲と交響曲を数多く作曲したことから「弦楽四重奏曲の父」「交響曲の父」と呼ばれている
- 約30年間、大貴族エステルハージ家の音楽家として働き、多くの作品を作曲したと言われている
- 代表作:交響曲第45番「告別」
- 弦楽四重奏曲では第77番「皇帝」が特に有名、第2楽章は現在のドイツ国歌にも採用されている
- ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルト(1756~1791)
- 天才的な音楽の才能を持っており神童と呼ばれていた
- 学校にも通わず馬車に乗って演奏旅行に明け暮れた
- 人生の3分の1を旅して過ごしたと言われている
- ウィーンでは宮廷音楽家として活躍する
- 天才的なひらめきで作曲し、明るく軽やかな曲を多く残す
- 代表作:ピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲」
- 暗めな曲調の代表曲として、交響曲第40番がある
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)
- 交響曲に合唱を取り込み、古典派の音楽スタイルを完成
- ロマン派の作曲家たちに大きな影響を与えたとされる
- 貴族だけでなく大衆のための音楽を作曲したことも功績
- 苦しみや情熱などを込めた、深みのある曲を多く作曲
- 20代からの難聴に苦しみながら作曲活動を続けた
- 生涯独身であったが、恋多き作曲家としても知られる
- 代表作:交響曲第5番「運命」・交響曲第9番「歓喜の歌」
- ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」・第14番「月光」・第23番「熱情」など多数
【ロマン派音楽】クラシック音楽として一番有名
ロマン派音楽は、古典派音楽をロマン主義(啓蒙思想的な理性偏重・合理主義に対して感受性や主観を重視した精神運動)の精神により発展させた、19世紀の音楽の総称である。
理想・感性・夢など、本来人間が備えている感情に重きをおき、それらをテーマにした名作が数多く生み出されたという。
数世紀に渡るクラシック音楽の歴史において、現在まで愛され続ける名曲が最も多く輩出された時代とも言える。そのため、一般に知れ渡っているクラシック音楽の多くがロマン派音楽と言っても過言ではない。
ロマン派音楽の代表的な作曲家としては、下記のような有名な作曲家が名を連ねている。
- フランツ・シューベルト(1797~1828)
- 多くの名歌曲を生み出したことから「歌曲王」と呼ばれる
- 代表作:歌曲「魔王」・歌曲「死と乙女」
- 代表作:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
- フレデリック・ショパン(1810~1849)
- 大量のピアノ曲を創作した
- ロマンチックな作風から「ピアノの詩人」と呼ばれている
- ワルツ、ノクターンなどの小品から、情熱的なバラードやソナタまで、ショパンのピアノ曲は世界中で愛されている
- 代表作:感情豊かに奏でられる「ピアノソナタ第3番」
- 代表作:ポロネーズ第6番「英雄」
- フェリックス・メンデルスゾーン(1809~1847)
- 裕福な家庭に生まれ、幼い頃から神童と呼ばれた
- 指揮者・ピアニスト・オルガニストとしても活躍している
- 朗らかな性格を表したような曲が多く、クラシック音楽の優雅さとマッチしているとされる
- 代表作:哀愁を帯びた「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」
- フランツ・リスト(1811~1886)
- ピアニストとしても大活躍した
- 長い指を持ち、超絶技巧のピアノテクニックを誇ったことから「ピアノの魔術師」と呼ばれていた
- 超絶技巧を必要とするようなピアノ曲を多く残している
- 代表作:「愛の夢」第3番
- 超絶技巧が必要な最難曲:「ラ・カンパネラ」(鐘の意味)
- ロベルト・シューマン(1810~1856)
- 事故でピアニストになる夢を諦めて作曲家として成功
- 晩年は女性関係も多く、自殺未遂まで起こしてしまう
- 代表作:
- ヨハン・シュトラウス二世
- 代表作:「美しく青きドナウ」
- リヒャルト・ワーグナー
- 代表作:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」
- ヨハネス・ブラームス(1833~1897)
- ベートーヴェンに憧れ、20年を要して交響曲1番を作曲
- 変奏曲を得意とした作曲家としても知られる
- 「ハイドンの主題による変奏曲」に代表される変奏曲
- 代表作:ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」
- グスタフ・マーラー(1860~1911)
- 交響曲の大作家としても活躍し、指揮者としても有名
- 代表作:交響曲1番「巨人」、第五番など
- ジョキアーノ・ロッシーニ(1792~1868)
- ナポリのモーツァルトと称される
- 美食家であり、料理名「~のロッシーニ風」の由来となる
- 代表作:オペラ「セビリアの理髪師」
- ヴィンツェンツォ・ベッリーニ(1801~1835)
- 6歳でオペラ(歌曲)を作曲し、神童と呼ばれた
- 34年という短い生涯で12曲ものオペラを作曲した
- 代表曲:オペラ「夢遊病の女」など
- ジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901)
- オペラの作曲家として活躍
- 器楽曲などはあまり手掛けなかった珍しい作曲家
- 代表曲:歌曲「リゴレット」・「椿姫」・「アイーダ」など
【印象主義音楽】新しいクラシック音楽
印象主義音楽は、20世紀初頭のフランスで広まった音楽の総称である。印象派は、気分・雰囲気などの表現に重きをおいた音楽様式が特徴的とされている。
ロマン派音楽に見られる「人間の持つ感情の表現」よりも、気分・雰囲気などの表現に重きをおいた音楽様式が特徴とされている。また、中世西洋音楽、ルネサンス音楽など、バロック音楽以前の様式の影響を受けているのも、特筆すべき点とされる。
印象主義音楽の代表的な作曲家には次のような作曲家が知られている。
- クロード・ドビュッシー
- オーケストラ曲「牧神の午後への前奏曲」で、けだるい雰囲気や気分を表現し、新しい音楽を打ち出す
- その後も次々に独創的な曲を発表していく
- 代表作:ベルガマスク組曲「月の光」
- モーリス・ラヴェル
- 「オーケストラの魔術師」と呼ばれた
- 音の響きから色彩を感じさせるような斬新な曲を作曲
- 代表作:「ボレロ」
【近代音楽】玄人向けのクラシック音楽
近代音楽は、20世紀初頭から第二次世界大戦終結頃までの音楽の総称である。それ以降の音楽は「現代音楽」と呼ばれる。
しかしながら、近代音楽と現代音楽の境目にはさまざまな議論があり、近代音楽の終わりを1950年までとする意見や、近代音楽と現代音楽を分けずに20世紀以降はすべて現代音楽とする意見もある。
近代音楽の代表的な作曲家には次のような作曲家がいる。
- エリック・サティ
- 代表作:「3つのジムノペディ」
- アラム・ハチャトゥリアン
- 代表作:バレエ「ガヤネー」より「剣の舞」
- バルトーク・ベーラ
- 代表作:ピアノ協奏曲第3番
クラシック音楽のメンタルヘルス効果
ストレス軽減効果
クラシックを聴くことによって、ストレスホルモンの「コルチゾール」が抑制されると言われている。コルチゾールはストレスがかかると分泌されるホルモンで、体が臨戦態勢になった時などにコルチゾールが多くなる。
実際、モーツァルトの音楽を聞く前と後と比べると、聞いた後の方がコルチゾールのホルモン量が少なくなっていることが確認されているらしい。このように、クラシック音楽にはコルチゾールレベルを下げてストレスを軽減する効果がある。
リラクゼーション効果
クラシック音楽には、脳波、特にα波を誘って気持ちを落ち着かせる効果があるとされる。α波は、リラックスしている時にでる脳波の1つとされる。
川のせせらぎや水のリズムから発せられる「1/f ゆらぎ」という周波数を感じている時も、このα波が出ているらしい。つまり、クラシック音楽は自然音を聞いている時と同じような心地よさが得られるということである。
集中力を高める効果
かつて「クラシック音楽を聴くと頭が良くなる」という説を聞いたことがある。実は、クラシック音楽には脳の集中力を高めて脳を活性化させる効果があると言われている。
特に、ヨーロッパの研究では、4拍子のバッハの曲をBGMで流しながら外国語の勉強をすると最も効果があったという研究結果が報告されているらしい。しかしながら、集中力を高まるかどうかは個人差があることもあり、クラシック音楽を聞けば必ず集中力が高まるというわけではなさそうである。
意欲やヤル気を取り戻す効果
挫折したり、自信喪失したりして、無力感に苛まれる経験は誰しもある。実は、そんな時にもクラシック音楽が役立つと言われている。
クラシック音楽には、不安や痛みを和らげて、意欲やヤル気、そして元気を取り戻す効果があるらしい。但し、曲の好みは人それぞれなので、人によっては効果がある曲もあれば、あまり効果が得られない曲もあるのは当然の結果と言えるだろう。
安眠効果
クラシック音楽には眠りを促す効果もあると言われている。不眠の原因の一つに、不安や心配事といった精神的ストレスがある。精神的ストレスを感じると体が緊張して寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする。
先述したようにクラシック音楽にはストレス軽減効果やリラクゼーション効果があるので、それらの効果は安眠にもつながる効果となると言われている。
音楽療法の認知症への効果
認知症の音楽療法には受動的音楽療法と能動的音楽療法の2種類あるとされる。受動的音楽療法と能動的音楽療法の共通点は、どちらも音楽の持つ力を使って症状を改善するという点である。
受動的音楽療法
受動的音楽療法は、音楽を聴くことで認知症の症状を改善する療法である。聴くという行為は、症状により身体がうまく動かない患者やイライラして言うことを聞いてくれない患者でも自然と行える。そのため多くの患者に推奨できる療法になる。
能動的音楽療法
一方、能動的音楽療法とは、音楽を聴く以外の音楽に関わる行為をすることで認知症の症状を改善する療法を指す。例えば、楽器を演奏したり、歌を歌う事がこれに該当する
リラックス・ストレス軽減
音楽療法には、認知症の症状が原因となっている痛みや不安を軽減する効果がある。幻覚やイライラからくる暴言や暴力などの不安を取り除くことが可能とされる。これにより結果としてリラックス作用をもたらし、ストレスが軽減される。
脳の活性化
音楽療法には脳を活性化させる効果があるとされる。認知症の患者は普段、2つ以上のことを同時に行うのはとても困難である。
しかし音楽療法は、楽器を演奏しながら歌を歌うなど同時に2つのことを楽しみながら自然と行える。そのため、ストレスをかけずに脳に刺激を与えることができる。これにより脳が活性化し、認知症の進行を抑制することが可能であるとされる。
自信回復
認知症の初期症状である記憶障害が発症した場合でも、過去に聞いて覚えた楽曲や歌は覚えていることが多いと言われている。昔に聞いた馴染みのある歌などを歌ってもらうことで「まだこの歌は覚えている」「昔の歌を忘れずに今でも歌えた」という自信回復に繋がるとされる。
回想効果
音楽は過去の記憶と結びつきやすい特徴がある。この特徴を利用して、認知症の患者にとって懐かしい音楽を聞いてもらうことで自然と昔の記憶を呼び起こし、脳に刺激を与えることができると言われている。
心の扉を開く
認知症の患者は症状が原因で、コミュニケーションを取ることが難しい場合がある。コミュニケーションが取れていないと、認知症の患者は周囲の人へ不信感などを抱いてしまい、心の扉を閉じてしまうことが多くなる。
音楽療法では言葉を交わさなくても一緒に歌ったり、楽器を演奏することでコミュニケーションを取ることが可能である。これにより徐々に周囲の人とも打ち解けていき、心の扉を開いてくれるようになると言われている。
気持ちの表現
認知症の症状が悪化することで、言葉が不自由になる場合がある。そうなると自分の気持ちや感情を表現することが難しくなり、ストレスを溜め込みやすくなってしまう場合が多い。
このストレスは音楽療法で解消することができるという。簡単に行える手拍子や楽器演奏、言葉になっていなくても大声を出すなどさまざまな方法でストレス発散が可能であるという。これにより認知症の患者は普段できていない気持ちの表現が可能になり、ストレスの発散と脳へ刺激を与える事が同時にできるとされる。
認知症の音楽療法に適したジャンル
さまざまな音楽のジャンルがあるがその中でも、音楽療法に適したジャンルがある。音楽療法に適したジャンルにはジャズなどがある。ジャズはゆっくりとした4ビートというテンポが基本となって作られている楽曲が多いのが特徴的である。加えて、音を半音下げることでジャズ特有のメロディを作り出しているとされる。この独特なメロディとテンポにより長い時間聞いても飽きにくく、リラックスする効果を生み出しているとされる。
クラシック音楽もまた音楽療法に適したジャンルの一つと言えよう。しかし、ジャンルに関わらず、本人の好きな曲や思い出の曲を聴くことが集中力や記憶力の改善につながるため、より効率的に効果を得られるように意識すれば良い。
あとがき
クラシック音楽には犯罪抑止効果もあるという驚くべき効果が報告されている。ニュージランドの二番目の都市であるクライスチャーチ(人口38万人)の通りで、モーツァルトを流したら、2008年の10月に週77件あったものが2009年から週2件にまで減って、軽犯罪などが大幅に改善されたらしい。
また、2012年にアメリカ(ミネソタ州のミネアポリス)でも地下鉄での犯罪を防止するために、構内でクラシック音楽を放送するという試みて犯罪抑止の成果を上げたという報告もある。
ところで、クラシック音楽を痴呆症予防に用いる際には、聴力の確認をしておくことがポイントの一つとなる。認知症の患者に関わらず、私たちシニア世代は加齢により音が聞き取りにくくなるものである。音楽療法を行う際に音量が小さいと聞き取れなかったり、高音が聞き取りづらくなり、本来とは違う音で聞こえてしまう場合がある。そのため、過去に聞いていた懐かしい音楽が違う音楽に聞こえてしまい、音楽療法の効果が発揮されないこともあるので、聴力チェックは重要である。
また、疲れやすさにも注意が必要である。認知症の症状として多く見られるのが、集中力が続かない、脳が疲れやすくなる、注意力が散漫になるなどである。認知症の患者にとって楽しい音楽であっても、長時間にわたって音楽に集中することはストレスになってしまう恐れがある。適度に休憩を挟んだり、集中力を必要としない音楽を聞かせるなど疲れを感じにくくする工夫が必要であろう。
さらに、本人の好みを知ることも大切である。認知症の患者に関わらず、好きな音楽のジャンルや楽器などの好みは人それぞれである。聴いて懐かしいと思う音楽も世代などで別れる。一人一人の好みを知り、その人にあった音楽療法をする事が大切である。
その一方で、音楽療法は1人よりも2人、2人よりも3人と一緒に楽しむ人がいることでより効果を発揮する療法であるとされる。
例えば、1人ではなかなかうまく演奏できない楽器も教え合ったり励まし合うことで楽しむことができるとされている。つまり、音楽療法で重要なのは一緒に楽しむ人がいるかどうかといったことなのかも知れない。