はじめに
ふわっとした食感、しっとりとした口どけ、そしてじんわり広がるやさしい甘さ。 カステラは、どこか懐かしくて、でもいつ食べても新鮮な魅力にあふれたお菓子である。 実は、あの一切れには、異国の風と職人の技、そして長い歴史が詰まっている。
本稿では、日本で広く愛されているお菓子の一つであるカステラの知られざる魅力を、ちょっと自慢したくなるようなウンチクを交えて紹介したい。
| <目次> はじめに ポルトガルからの伝来 “日本のカステラ”に進化 わずか4つの材料 ざらめ糖の秘密 型のこだわり 黄金色の秘密 三日目が一番美味しい理由 長崎カステラの独自性 ご当地カステラの種類 カステラの味わい方 あとがき |
ポルトガルからの伝来
カステラは、16世紀半ばにポルトガル人宣教師が日本(長崎)に伝えたとされている。元々はポルトガルのお菓子、パオン・デ・ロー(Pão de Ló)と呼ばれるスポンジケーキが原型と言われている。それが、日本で改良され、現在のカステラに進化したという。
名前の由来は、カスティーリャ地方のパン(パン・デ・カスティーリャ)からと言われている。または、スペインの「カスティーリャ王国(Castilla)」にちなんだ名前であるとも言われている。
カステラのルーツは、なんと16世紀のポルトガル! ポルトガル語で「パン・デ・ロー(Pão de Ló)」と呼ばれるスポンジケーキが、日本に伝わったのが始まりとされている。
“日本のカステラ”に進化
日本に伝わったカステラは、和の素材と職人の工夫で独自の進化を遂げたと言われている。
- 材料はたったの4つ!
- 卵・砂糖・小麦粉・水あめ(または蜂蜜)だけ。シンプルだからこそ、素材の質と技術が味を左右する
- しっとり感の秘密は“ザラメ”
- 底に残るザラメ糖のシャリッとした食感が、長崎カステラの特徴!焼き上げの温度や時間で絶妙に調整されている
- 木枠でじっくり焼く伝統製法
- 金属ではなく木枠を使って、低温でじっくり焼くことで、あのふんわり感としっとり感が生まれる
わずか4つの材料
カステラは、シンプルな材料(卵、小麦粉、砂糖、みりん又は蜂蜜)だけで作られるが、作り手によって味わいや食感が驚くほど異なる。
特に、卵の鮮度や砂糖の種類(白砂糖、ざらめ糖など)が、カステラの風味と口溶けを左右すると言われている。
ざらめ糖の秘密
伝統的なカステラには、底にざらめ糖が入っているのが特徴的である。このざらめ糖がカステラ全体の甘さを引き締め、食感にアクセントを加えている。
ざらめがしっかり残るように焼き加減を調整するのは職人技の一つとされている。
型のこだわり
カステラを焼くためには木枠や紙の型が使われる。金属製ではなく木枠を使うのは、熱伝導を穏やかにし、全体を均一に焼き上げるための工夫であるという。これも伝統的な技法の一つとされている。
黄金色の秘密
カステラの美しい黄金色は、卵黄の豊富な使用と、丁寧な泡立て技術によるものである。手作業で泡立てる場合、細かく均一な泡を作ることで焼き上がりのきめ細かいテクスチャが生まれるらしい。卵白も泡立てて空気を含ませることで、ふわっとした仕上がりになるという。
三日目が一番美味しい理由
焼きたてのカステラも美味しいが、焼いてから3日後が最も美味しくなると言われている。それは、時間が経つことで素材が馴染み、しっとりとした食感と風味が引き立つためであるとされる。これを寝かせるプロセスと呼ぶこともある。
長崎カステラの独自性
日本では特に長崎がカステラの本場として有名である。長崎カステラは、みりんや蜂蜜を加えることで独特の甘さとしっとり感を持っている。
また、五三焼きと呼ばれる特別なカステラは、卵黄を多めに使って風味を濃厚に仕上げた高級品である。
ご当地カステラの種類
カステラは長崎だけじゃない!全国には個性豊かな“ご当地カステラ”がある。
- 長崎カステラ
- 王道のしっとり系。ザラメの甘さがアクセント
- 五三焼カステラ
- 卵黄多めで濃厚リッチ!贈答用にも人気
- 宇治抹茶カステラ(京都)
- 抹茶のほろ苦さと甘さのバランスが絶妙
- 黒糖カステラ(沖縄)
- コクのある甘さと香ばしさがクセになる!
カステラの味わい方
- お茶と一緒に
- 緑茶やほうじ茶との相性は言わずもがな。甘さが引き立つ
- 冷やして食べる
- 冷蔵庫で少し冷やすと、しっとり感がさらにアップ!
- アレンジして
- アイスを添えたり、フレンチトースト風に焼いても美味しい!
あとがき
歴史と技が詰まった甘い芸術品
カステラは、ただの焼き菓子ではない。 異国からやってきて、日本で育ち、今もなお進化を続ける“ふんわり甘い文化遺産”と言えるかも知れない。
カステラは一見するとシンプルであるが、細部にまで職人のこだわりが詰まったお菓子であると言える。
次にカステラを手に取るときは、ぜひその背景や職人のこだわりにも思いを馳せてみてほしい。 きっと、ひと口の味わいがもっと深く、もっと特別に感じられるはずである。
カステラに興味を持つと、カステラ作りにも挑戦してみたい気持ちも生まれてくる。近い将来、機会があれば、チャレンジしてみたいものだ。