はじめに
空高く悠然と旋回する黒い影。 その正体は、小型の猛禽類「ハイタカ」。 鋭い目つきと俊敏な動きで獲物を狙う姿から、「空の狩人」とも呼ばれている。実は、私が探鳥地にしている「桔梗の森公園」の上空ではハイタカをよく目撃することができる。
本稿では、バードウォッチングを通して出会える猛禽類・ハイタカの生態や観察のポイントを紹介したいと思う。 身近な自然の中に潜む野生のドラマを、私と一緒に体験してみませんか?
猛禽類とは?
猛禽類【もうきんるい】とは、鋭い爪と嘴を持ち、他の動物を捕食する習性のある鳥類の総称である。獲物を捕まえるための鋭い爪、掴む力が強い趾【あしゆび】、鉤型に曲がったくちばしを持つことが共通の特徴である。
猛禽類には、タカ目、ハヤブサ目、フクロウ目などが知られている。代表的な猛禽類にはタカ目のタカやトビ、ハヤブサ目のハヤブサ、フクロウ目のフクロウなどがいる。ワシもタカ目タカ科に分類される大型の猛禽類である。
猛禽類は、古来から強さや高貴さの象徴として、文化や芸術にも影響を与えてきた。ハクトウワシがアメリカ合衆国の国鳥に選ばれ、米国のシンボルにもなっているのは有名な話である。
そんな猛禽類は、空中を自在に飛び回り、生態系の頂点に位置する強力な捕食者であるが、人間の活動による生息環境の破壊や乱獲などで、多くの種が絶滅の危機に瀕しているという。
三重県名張市で観察される猛禽類には、トビやノスリ、ミサゴなどのタカ科の鳥類がいる。トビは日本で最も普通に見られる猛禽類で、赤い尾と白い斑点が特徴である。ノスリはトビよりも小さく、茶色の羽と黄色い足を持つ。ミサゴは水辺に住み、魚を捕食する猛禽類であるらしい。
他にも、冬に北方から渡ってくるハイタカやオオタカなど猛禽類が見られることがある。ハイタカは小型のタカで、頭部が白く、目の周りに黒い模様がある。 一方、オオタカは日本最大のタカで、黒と白の縞模様が美しい猛禽類であるという。
このように猛禽類は自然の中で生きる素晴らしい鳥類である。猛禽類の美しさや力強さ、多様性や生態を深く知るために、私も猛禽類を観察してみたくなった。バードウォッチングは、猛禽類の観察のためのツールにもなるはずである。
ハイタカの生態
ハイタカ(Accipiter nisus)は、タカ科の小型猛禽類。 全長はオスで約30cm、メスは約38cmと、メスの方がひと回り大きいのが特徴である。
ハイタカは、タカ目タカ科ハイタカ属に分類される猛禽類で、日本では、主に本州以北に留鳥として分布しているという。
ハイタカの生態は下記のとおりである。
- 特徴
- 全長は、オス約30cm、メス約38cm
- オスは、背面が灰色で腹面には栗褐色の横じまがある
- メスは、背面が灰褐色で腹面の横じまが細かい
- 鋭いくちばしと爪
- 小鳥やネズミなどを捕らえるための武器
- 黄色い目と脚
- 成鳥になると目がオレンジ〜赤に変化することも
- 縞模様の胸と長い尾羽
- 飛行中のバランスをとるのに役立つ!
- 生息地
- 低地から亜高山帯にかけての森林や都市部に生息
- 巣作り
- 樹上に木の枝を束ねたお椀状の巣を作る
- 食性
- 動物食で、主に鳥類や昆虫類を空中または地上で捕食
- ネズミなどを捕ることもあるという
- 繁殖
- 5月頃に4-5個の卵を産み、主に雌が約33日間抱卵する
- ヒナは生後約1ヶ月で巣立ちする
- 行動
- 普段は単独行動をする
- 繁殖期にはつがいで行動することが多い
これらの特徴と生態を通じて、ハイタカはその生息地で独特の生活を送っているようだ。

ハイタカの生態トリビア
- 狩りの名手
- 木々の間を縫うように飛び、驚くほどのスピードで獲物を捕らえる
- 縄張り意識が強い
- 繁殖期には他の猛禽類を追い払うこともある
- メスが主に狩りを担当することも
- 特に子育て中は、オスが巣を守り、メスが狩りに出ることもある
どこで出会えるのか?
ハイタカは日本全国に分布していて、山林や雑木林、公園などの樹木が多い場所で見られる。 冬になると、平地や市街地にも姿を現すことがあるから、意外と身近な存在である!
観察しやすい季節:
- 秋〜冬:
- 落葉して視界が開け、猛禽類の渡りも多くなる時期
- 早朝や夕方:
- 活動が活発になる時間帯で、狩りの様子が見られることも!
ハイタカの観察技術
ハイタカの観察にも一般的なバードウォッチングの技術が役立つ。
- 適切な場所と時間を選ぶ
- ハイタカは森林や公園などに生息している
- 活動時間は主に昼間
- 鳴き声に耳を傾ける
- ハイタカの鳴き声や、他の小鳥が警戒の鳴き声を出しているときは、上空からハイタカが狙っている可能性がある
- 鳴き声を覚えると発見しやすい
- ハイタカは「キッキッキッ」と鋭く鳴くことがある
- 鳴き声アプリや図鑑で事前にチェックしておこう!
- 空を見上げる
- ハイタカは空を飛んでいることが多い
- 空を見上げて確認する
- 羽ばたきと滑空を交互に繰り返す飛び方が特徴的
- スズメやヒヨドリを追いかけている姿を見かけたら、ハイタカかも知れない!
- 双眼鏡を使用する
- ハイタカは木の上や空中にいることが多い
- 双眼鏡を使用して詳しく観察すると良い
- 遠くの枝や空を飛ぶ姿をとらえるには、8倍〜10倍の双眼鏡があると便利
- 静かに観察する
- ハイタカは人間に警戒心を持つことがある
- 静かに観察することが重要
このようなポイントを押さえつつ、自然を楽しみ、ハイタカの生態を観察することで、ハイタカの生態をより深く理解することができるかも知れない。
あとがき
猛禽類の魅力を身近な自然で感じよう!
ハイタカは、森の中にひっそりと暮らしながらも、力強く生きる野生の象徴。 その姿を見つけたときの感動は、バードウォッチングならではの体験である。
双眼鏡を片手に、少しだけ空を見上げてみよう。 そこには、知られざる猛禽類の世界が広がっているかもしれない。