はじめに
桜の季節が過ぎ、5月になると紫から淡紅色、いわゆる藤色をした花をつけるフジ(藤)の季節となる。
花序(枝上における花の配列状態)は枝の先端に出て下に垂れるように伸び、多数の花を付ける。開花はその花序の基部側から先端に向かって数日かかるので、その初期には花序は綺麗な倒円錐形をなす。
フジ(藤)は、マメ科フジ属のつる性落葉樹で日本の固有種である(引用:ウィキペディア)。
藤の花を観賞するには訪れるタイミングが重要である。見頃の藤は本当に素晴らしい。私のお勧めの「藤の名所」を紹介したい。
<目次> はじめに 白毫寺の九尺藤【兵庫県】 白井大町藤公園【兵庫県】 大歳神社の千年藤 【兵庫県】 あとがき |
白毫寺の九尺藤【兵庫県】
白毫寺【びゃくごうじ】(兵庫県丹波市市島町白毫寺709)は、天台宗の寺院で、 山号は五大山と称す。開基は705年で、法道の開山により創建されたと伝わる。御本尊は 薬師瑠璃光如来である 。
百毫寺の境内にL字型をした総延長120 mの藤棚がある。この藤棚に薄紫色/藤色の藤の花が咲く。
一房が長いもので約150 cmにも及ぶところから「 九尺藤 」と名付けられた見事な藤の花は、見る人に感動を与える。
藤の花は藤棚の内側から鑑賞する方が格別の感動がある。そのことを知ったのは、この九尺藤を観て感動した時からだと思う。
また、境内には白藤と山藤の藤棚もある。石楠花(シャクナゲ)などの季節の花を境内で楽しむこともできる。お勧めの花の名所である。
コロナ禍でなければ、毎年5月初旬に恒例の「九尺藤まつり」が寺の行事として行われていて、多くの観光客が藤棚を目当てに訪れ、にぎわいを見せる。夜間にはライトアップも行われていた。
白井大町藤公園【兵庫県】
白井大町藤公園(兵庫県朝来市和田山町白井1008)は、山陰一の藤の名所として知られている所である。
0.7 haの広大な敷地内に幅4 m、総延長500 mにも及ぶ藤棚を設置している兵庫県随一の藤公園だ。
5月の開花時期になるこの藤棚に藤(フジ)の花が咲き誇り、紫色の花房と甘い香りが私達の目と鼻を楽しませてくれる。
ここの藤の花は大きくて見事な花房をつけているだけではない。種類が多いのが特徴である。紫・桃色・白といろんな藤の花を堪能することができる。
コロナ禍でなければ、例年の開園時期は5月上旬から5月下旬までとなっている。
大歳神社の千年藤 【兵庫県】
大歳神社【おおとしじんじゃ/ださいじんじゃ】(兵庫県宍粟市山崎町上寺122)の御祭神は、大歳神(おおとしのかみ)である。
大歳神は、出雲国の建国に際して大国主神(おおくにぬしのかみ)に力を貸した、豊年・豊作の神であるとされる。
この大歳神社の境内にある「千年藤」は、天徳4年(960年)に植えたと伝えられている。伝承が正しければ、現在の樹齢は1060年超である。
藤の樹の幹回りが約3.8mもあり、この大木から枝が四方に伸び、境内一面に広がる藤棚の広さは、境内の広さに匹敵する約500 m2にも及ぶという。
この「千年藤」は、兵庫県の指定文化財(天然記念物)に指定されている。
例年4月下旬から5月上旬の開花期には約100 cm以上の花房が垂れ下がり、境内を埋め尽くす。その様は壮観である。
私が訪れたタイミングは決してベストではなかったけれども、その壮観さは十分に感じた。満足だ。でも、ベストのタイミングに再訪したいものだ。
コロナ禍でなければ、例年5月上旬には藤まつりが開催される。
あとがき
私は、神戸に住むようになってはじめてフジ(藤)の花の魅力を知ったといってよいかも知れない。
今回紹介した兵庫県にある藤の名所を知るまで規模の小さな藤棚しか知らなかったからである。藤の魅力を知ることができて本当に良かったと思う。
是非、皆さんも藤の名所で藤の花を実際にご覧になり、藤の魅力を実感してみて下さい。
【参考資料】
白毫寺|兵庫県丹波市【公式サイト】 |
白井大町藤公園-兵庫県朝来市【公式サイト】 |
大歳神社の千年藤 しそうツーリズムガイド |