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庭に野鳥を呼ぼう!巣箱でミニサンクチュアリーを作る方法

はじめに

春のさえずり、秋の羽ばたき。 もし自宅の庭に、そんな野鳥たちが訪れてくれたら…と想像したことはありませんか?

実は、巣箱を設置するだけで、庭が小さなバードサンクチュアリー(野鳥の楽園)に変わることがある!

本稿では、初心者でもできる巣箱の設置方法や、野鳥が安心して訪れる環境づくりのコツを紹介したいと思う。

目次
はじめに
巣箱を設置するメリット
自宅の庭に巣箱を設置
どんな野鳥が来てくれるの?
巣箱づくり&設置のポイント
野鳥が来る庭づくりのコツ
巣箱をDIYで作ってみよう!
鳥のエサ台も作ってみよう!
バードバスも置いてみよう!
巣箱設置の注意点
あとがき

巣箱を設置するメリット

巣箱は、野鳥たちにとって「安全な住まい」である。 自然の中では天敵や環境の変化で巣作りが難しいこともあるため、人の手で用意された巣箱はとてもありがたい存在であるという。

私たちにとっても、野鳥の姿や声に癒されたり、季節の移ろいを感じたりと、たくさんの喜びをもたらしてくれる。まさにWin-Winの関係が築けるかも。

スズメ シジュウカラ 巣箱掃除

自宅の庭に巣箱を設置

ミニサンクチュアリーを作ろう

バードウオッチングのために遠くに出かけなくても、自分の家に野鳥を招待したい。小さな庭でも木を植え、餌を与え、水場を作れば、野鳥は集まってくる。

ネコなどに驚かされないような場所に餌場を作ってやりたい。冬になると、野鳥のエサが少なくなる。12月頃から3月の寒い時期だけ、少しのエサを与えるだけで、喜んで集まってくる。その証拠に、ピラカンスやナンテン(南天)の色づいた実は全て冬場に野鳥のエサになっている。
 
野鳥のエサは、みかん、柿、りんご、ひまわりの種、ピーナッツなどで良い。エサの種類により、色々な野鳥が集まってくる。野鳥も好き嫌いがあるのだろう。

餌場の次は、水場も作ってやりたい。水場を作るだけで沢山の野鳥が来る。野鳥は毎日水浴びをするので、浅いところから深いところまである水場を作ってやりたい。浅いところは1~2cm、深いところは5~6cmが良いだろう。

前述したように、実のなる木を植えると野鳥が集まりやすい。木の実が好物の野鳥は沢山いる。特に冬にはエサが少なくなるので喜んで集まってくる。野鳥は赤い色を識別することができるため、赤い実のなる樹木に野鳥たちが集まると言われている。赤い実のピラカンサス、ウメモドキ、ナンテン、ネズミモチなど丈夫で沢山の実を付けるものを選びたい。

餌場や水場を作り、実のなる木を植えるなど環境全体を整えることが野鳥を呼び込むためには大切なことである。野鳥は警戒心が強いため、すぐには寄って来ないかも知れないが、気長に待つようにしたい。

ミニサンクチャリーによって、身近に野鳥の声が聞こえる自然環境を整えることは、野鳥のためだけではなく、私たち人間にとってもすばらしいことである。

鳥は赤色を識別できる
鳥は赤色を識別できるらしい!

どんな野鳥が来てくれるの?

人がつくる巣箱を利用してくれる可能性が高いのは、日本で子育てをする留鳥と夏鳥。そのなかでも、大木や老木の洞【ほら】に営巣する野鳥たちである。

日本の庭先にやってくる代表的な野鳥には、意外と少数派の、以下のような種類がいる:

  • シジュウカラ
    • 黒いネクタイ模様が特徴。巣箱を好む代表格!
  • ヤマガラ
    • オレンジと黒のコントラストが美しい小鳥
  • メジロ
    • 緑がかった羽と白いアイリングがかわいい人気者。
  • スズメ
    • 身近だけど、実は巣箱を使うこともある

巣箱づくり&設置のポイント

巣箱のサイズと入口の大きさに注意

鳥の種類によって好みが違うので、入口の直径は2.5〜3.5cm程度が目安。 シジュウカラやヤマガラなら、直径3cm前後がぴったり!

設置場所は静かで安全な場所に

人通りが少なく、猫などの天敵が近づきにくい場所を選ぼう。 しかし、大型の鳥などの外敵から襲われにくい、少し人通りがある場所が好まれるようである。

また、蛇が入りにくいよう、下枝の少ないまっすぐな木を選び、地面から2メートル以上の高所に架ける。地面から2〜3mの高さが理想的!

雨や直射日光を避けるために、入口をやや下に向けるのがポイント。木の幹に結び付ける場合は、幹を傷つけないシュロ縄や麻ひもを使いましょう。

風通しと雨対策を忘れずに

日当たりと風通しがよく、湿度の低い場所を選ぼう。雨や直射日光を避けるために、入口をやや下に向けるのがポイントである。

巣箱には通気穴を開けて、湿気がこもらないように。 また、雨が入りにくい構造にするのも大切!

木の幹に結び付ける場合は、幹を傷つけないシュロ縄や麻ひもを使うと良い。

季節は冬〜早春がベストタイミング

野鳥の繁殖は、3月~5月ごろにはじまる。巣箱を設置するのはそれよりも前、秋から冬にかけて行うのが適している。翌年の秋には必ず中の巣材を取り出し、掃除・補修をして架け替えましょう。

野鳥たちは春に巣作りを始めるので、冬のうちに設置しておく必要がある。早めに設置して、安心できる場所だと覚えてもらおう!


野鳥が来る庭づくりのコツ

  • エサ台(餌場)を設置する
    • ヒマワリの種や果物など、種類に合わせたエサを
    • 野鳥が立ち寄りたくなるのは、好物の餌がある処なので、巣箱の周りに餌場を作ってあげると良い
    • 餌場は、地面から1m付近に餌台を取り付けたりして、野鳥が立ち寄りやすいようすると良い
ひまわりのタネをついばむシジュウカラの親子
ひまわりのタネをついばむシジュウカラの親子
  • 水場を用意する
    • 浅い水皿やバードバスで水分補給&水浴びの場を
    • 野鳥が立ち寄りやすくするためには、餌場と同様に水場を作ることも大切である
    • 野鳥は、水を飲むだけでなく羽をキレイにするために水浴びをすることが多い。そこで、餌場の横に水を入れておくことを忘れないようにしよう!
バードバスとガビチョウ
野鳥用の水場バードバス
  • 農薬を使わない
    • 虫を食べる野鳥も多いので、自然な環境が大切!
  • 常緑樹や低木を植える
    • 隠れ場所や休憩場所になる

巣箱をDIYで作ってみよう!

巣箱を作るには、できるだけ自然の板を使う。おすすめは杉板である。1.2cm以上の厚みのもので、合板は使わないようにしたい。箱の中は暗くなるようにして、小鳥が穴から入り、下に降りるように作る。

巣箱のサイズは野鳥の種類によって異なる

どの野鳥に来てほしいかによって、適した穴の大きさ、巣箱の深さ、底の広さは異なる。底面に水抜き用の穴があり、屋根や側面が開けられる作りになっていると、手入れしやすくて便利である。

巣箱の大きさは、例えば、シジュウカラの場合で、縦・横は各々15cm、高さは20cm、出入りする穴の大きさは直径3cm程度である。直径2.7cmがベストという説もある。巣穴の深さは、巣箱の底から15㎝~17㎝くらいがベストと言われている。

それでは、以下に作り方を説明する:

1. 図1のように杉板を鉛筆で割り付ける

図1:板材をカットするための展開図
図1:板材をカットするための展開図

2. A、B、B’、C、Dと底板はノコギリでカットする

3. BとB’の間は斜めにカットして、Dが斜めに取り付けられるようにする

4. Cは前述のように、呼ぶ鳥に合わせて鳥が出入りできるように穴をあける

5. 巣箱の底板は雨水がたまらないように、ドリルで5ヵ所程度の穴をあける

6. 各部材は、図2のような形になるよう、クギを金づちで打ち付けて組み立てる

図2:巣箱の姿図
図2:巣箱の姿図
Cの穴のサイズは小鳥の大きさに合わせて決める

7. AとDは蝶番を付けて開け閉めができるようにする。巣箱の掃除をする際に役立つ

8. Aはドリルで穴を2ヵ所あけ、針金かシュロ縄を通して樹木に取り付けられるようにする。完成したら、バーナーで少し表面を焦がしておくと、木が腐るのを防ぐことができる


鳥のエサ台も作ってみよう

冬場は森のエサが不足するため、庭にエサ台を設置して鳥を呼び込もう!

シジュウカラは、ひまわりの種や殻付きピーナッツが大好物である。ピーナッツは殻の両端を切っておくと食べやすくなる。一方、メジロやウグイス、ヒヨドリは柿やリンゴ、みかんを切って置いておくと寄ってくる。

下図のように、20×30cm程度の板材の四方に、適度な長さの木の枝を接着剤で貼りつける。それを、支柱に少し斜めに取りつけて、足元を土に埋めれば出来上がりである。

エサ台の脚部は角材を十字に組むと安定する
エサ台の脚部は角材を十字に組むと安定する

斜めに取りつけるのは、エサ台に水がたまらないようにするためである。土に埋まる部分は、あらかじめ支柱の直角方向に十字にした角材を、互い違いにクギで打ち付けておくと、地面に安定して立てられる。


バードバスも置いてみよう!

水場は単に水飲み場だけでなく、水浴びをするところでもある。鳥は羽の中の虫やゴミを水浴びして洗い落とす。滑らないように浅くして、水は毎日替えて、きれいにしておく。

参考までに、誰でも簡単にできるバードバスの作り方を紹介しておこう。自分のお気入りの深めのお皿またはめだか鉢に小石を敷き詰める。これは、野鳥が滑らないようにするためである。

次に、1cm程度の深さまで水を入れる。出来上がったら、自宅の庭の花台や景石などに置いてみよう。

そして後は、毎日、水を新しく交換しながら、シジュウカラやスズメがやってくるまで気長に待ちましょう!


巣箱設置の注意点

巣材は野鳥自身で産卵のための準備をすると考えられており、どのくらいの柔らかさの巣材をどのくらい用意するかは野鳥自身が判断して集めてくる。したがって、私たちは決して藁などを巣箱の中に勝手に敷き詰めたりしてはいけない!

そして、野鳥のための巣箱を設置し、野鳥たちが巣立ったあとは、巣箱の掃除をしなければならない。

ヒナたちが巣立つと、ヒナたちを育てていた巣を取り除く作業をする必要があるわけである。藁やコケ、木屑などで作られている巣を放置するとダニやノミ、カビの原因になるからである。これらをキレイに除去し、水洗いして乾燥させる。

放置したままの巣箱や傷んだ巣箱に野鳥が営巣すると、理由はよく分からないが大型の鳥に狙われやすくなるらしい。架けた巣箱は年に1度、必ず手入れをする必要がある。

また、自然の中に巣箱を架けすぎると、巣箱を利用する種類の鳥だけが増え、生態系のバランスを崩してしまうことがあるので注意が必要であると指摘されている。自宅の庭では、巣箱は1個か2個であるので特に問題はないでしょう。


あとがき

冬場は、梅や椿の花の蜜を目当てにメジロが自宅の庭にやってくる。しかし、欲を言えば、冬場だけでなく他の季節でも野鳥に訪問して貰いたい。そのためには野鳥が好む環境を整える必要がある。

巣箱ひとつで、自然との距離がぐっと近づく

巣箱を設置することで、野鳥たちとの小さな共生が始まる。 毎朝のさえずり、ひなの成長、羽ばたく姿―― そんな日々の中に、自然の豊かさとやさしさを感じられるようになる。

ぜひ、あなたの庭にも小さなサンクチュアリーをつくってみてください。


【参考資料】
(財)日本野鳥の会編 「今日からはじめるバードウオッチング」(1993年)
庭に巣箱を架けてみよう!野鳥のための巣箱設置方法:鳥と親しむトリノート vol.7|バードブランチプロジェクト | Canon Global
東北森林管理局/巣箱づくり資料