はじめに
写真は、自分の目で見た世界を表現する楽しい趣味である。デジタルカメラが普及した今日では誰でもが簡単に写真を撮ることができる。今まで写真をあまり撮ったことがない人でもスマホで簡単に写真が撮れている時代となった。シニア世代が写真撮影を趣味に加えないという選択肢はないのではないかとさえ私は思う。
趣味のアマチュア写真家を目指す者は、写真の撮影技法を学習するに際し、写真の世界で使われている専門的な用語については理解しておく必要がある。そして最低限の専門用語については覚えておかなければならない。
しかしながら、かつての銀塩フィルムで撮影して時代と異なり、現在はデジタルカメラで撮影できる時代である。ほとんどの撮影操作はカメラの本体機能で自動的に調整してくれるので、私たちは被写体にカメラを向け、構図とアングルだけに気をつけてシャッターを押すだけで良い便利な時代に生きている。
だから専門用語を理解しなくても写真を撮る分には問題ないのが実情ではある。しかし、より良い写真を撮ろうとすると、どうしてもカメラの仕組みや被写体の撮影状態についての知識が必要となってくるものである。
行事写真は、ただの記録ではなく、瞬間の感動や雰囲気を未来に残す大切な手段である。初めての写真撮影でも、ちょっとした準備とコツでグッと魅力的な行事写真に仕上がる。本稿では、そんな写真愛好家が初めて行事写真を撮る際に役立つ知識とスキルについて紹介したい。
趣味のアマチュア写真家を目指す初級者の一人として、私もデジタルカメラを用いた写真撮影技術について一緒に学んでいきたいと思う。趣味のアマチュア写真家を目指す初級者にとって、知っておくと役立つ撮影技術を集めてみた。きっと何か一つぐらいはお役に立つはずである。アマチュア写真家の端くれとして、経験からもそのように私は確信する。
行事写真
夏祭りや秋祭りのような行事の写真撮影は、色彩豊かな瞬間を捉えることができる楽しいチャンスである。
長時間の撮影に備えて、必要に応じて、予備のバッテリーとメモリーカードを用意しておくとよい。
撮影前の準備
撮影前の準備は重要である。行事写真の成功の鍵は「撮影前の準備にあり!」と言っても良いくらいである。
- イベントの流れを把握する
- 式典や演出のタイミングを事前に確認しておくと、シャッターチャンスを逃さない
- ロケーションの下見
- 光の入り方や背景を確認して、ベストポジションを見つけておく
- 機材チェック
- バッテリーやメモリーカードを忘れないようにする
- 予備があると安心!
- レンズの清掃も忘れずに行っておく
レンズの選択
広角レンズは風景全体を捉えるのに適しているし、ポートレートには望遠レンズも良い。したがって、広角から中望遠をカバーするズームレンズがお薦めである。
撮影モードの設定
- 低いISO
- 昼間の撮影は、できるだけ低いISO設定を使用する
- ノイズを減らし、より鮮明な写真が撮れる
- 絞り設定
- 被写体に合わせて絞り設定を調整でする
- カメラ本体の機能「オートモード」が役立つ
構図とフレーミング
- リードインライン
- 祭り行列や道具を利用して視線を導く構図を考える
- 三分割法
- 主要な被写体をフレームの三分割線に配置するとバランスの取れた写真になる
- 構図の基本として「三分割法」を意識すると良い
- 背景も大切に
- 背景に注意を払い、被写体が際立つようにする
- 雑踏や賑わいを上手く利用して雰囲気を捉える
撮影テクニック
- 動きのある被写体
- 踊りや神輿行列などの動きのある被写体はシャッター速度を速く設定して動きを止めるか、わざと遅くして動感を出すと面白い写真になる
- 人物の自然な表情を捉える
- わざとらしくない自然な瞬間を捉えるよう心掛ける
- 笑顔や集中している顔などが良い
- ポーズよりも、笑顔や感動の瞬間を逃さずキャッチ!
- ストーリーテリング
- 一連の写真で祭りの始まりから終わりまでを物語を紡ぐように構成すると、より深みのある作品になる
- 光を味方に
- 逆光を避け、できれば自然光を活かして撮影する
- 夜の撮影
- 祭りは夜も魅力的である
- 三脚を使用してシャッタースピードを遅く設定し、光のトレイルを捉えると美しい写真が撮れる
人物の撮影における注意点
- 許可を取る
- 被写体が人物の場合、写真を撮ることを許可してもらうことを忘れずに行う。
撮影後の整理と編集
思い出を美しく残すためには「撮影後の整理と編集」が欠かせない。
- 写真の選定
- 似たようなカットは厳選して、ストーリー性のある並びにすると良い
- 簡単な補正
- 明るさや色味を整えるだけでも印象が変わる
- RAW撮影なら編集の幅も広がる
- 共有の工夫
- SNSやアルバムにまとめると、参加者にも喜ばれる
あとがき
初心者が初めての行事撮影を行うときには誰もがドキドキするものである。しかし、準備とちょっとした工夫で、きっと素敵な一枚が撮れるはずである。
初心者におすすめの練習法がある。例えば、次のような方法である。是非、試してみてほしい。
- 日常の中で練習
- 家族や友人との時間を撮ることで、自然な表情や構図の感覚が身につく
- テーマを決めて撮る
- 「笑顔」「動き」「光」など、毎回違うテーマで挑戦する
- 失敗を楽しむ
- ブレても、写真が暗くても、そこから学べばOK!
- 写真撮影においては経験が一番の教師である!