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シニア世代の生活

森林浴を兼ねて楽しみたいバードウォッチング事始め

はじめに

森林公園などでは多くの野鳥をみることができる。私はバードウォッチングを始めたばかりで、彼らの名前をよく知らない。もし目の前にいる野鳥の名前や生態がすぐに判ればどんなに楽しいことだろうかと思う。

野鳥は自然の中で生活し、自然のしくみを構成する生き物であるので彼らの生活をじゃましてはいけない。何故なら、彼らは他の生き物と色々なかかわりを持ち、自然を形づくり、動かすと共に自然の恵みを受けながら一生懸命に生きているからである。

最近、私がバードウォッチングを始めたきっかけは、野鳥を知って、野鳥に親しみ、野鳥をとりまく自然環境を知ることは、しいては地球環境を考える機会になるはずと考えたからである。

かつて登山や森林浴に興味を持ったのは、あくまでも自分本位のアクティビティや健康に関心があったためである。自然環境という本来、関心を持つべきことに目をつぶっていたという反省と後悔が私にはある。私にとってのバードウオッチングは、野鳥を介しての自然環境の観察機会でもある。

同時に森林浴で健康を維持して、バードウォッチングを一回でも多く続けていきたいと思う。

目次
はじめに
バードウォッチングとは
バードウォッチングのマナー
野鳥の生態
野鳥の飛び方
野鳥の姿勢
ものさし鳥
野鳥の見つけ方
バードウォッチング事始め
必要な持ち物
双眼鏡
野鳥図鑑
カメラを使ったバードウォッチング
森林浴とは
三重県上野森林公園で初鳥見
あとがき

バードウォッチングとは

バードウオッチング(Bird watching)の日本語訳は、野鳥観察とか探鳥などと言われている。日本語にすると何か堅く感じられるので、本稿でもバードウオッチングと表記したい。

バードウオッチングは、英語表記の意味どおりで、野外で野鳥の姿を見たり、声を聞いたりして楽しむ趣味の一つである。そのためバードウオッチングの楽しみ方は人それぞれ違っていても良いと思う。

ある者は双眼鏡を片手に森林を散策し、野鳥の姿をみつけては自然の中での野鳥の生活を観察することに集中することだろう。ある者はバードウオッチングをのんびりムードで楽しみ、ストレス解消に役立たせることだろう。また、絵心のある者は観察した野鳥の絵を描いたりするかも知れない。そして、ある者は野鳥の生態から科学的な興味を持ち、自身のなかの研究心を満足させたりするかも知れない。

このようにバードウオッチングは、野鳥や自然に接し、日々の生活の中で私たちが忘れかけている本来の「自然」へ感性を呼び覚ます機会になるものである。

バードウオッチングを通じて大自然と親しむことから広がる世界もある。例えば、野鳥が食べている植物や昆虫、止まっている樹木など、野鳥以外の野生の生き物たちの存在にも気がつくことができれば、バードウオッチングを通じて、大自然をより身近に感じられるようになり、自然環境への意識も自ずと芽生えてくる。


バードウォッチングのマナー

バードウォッチングは、趣味の一つであるから、その楽しみ方は人それぞれ違っていても良いと述べたが、バードウォッチングにも当然ながらマナーというものが存在する。

バードウォッチングが他の趣味と異なる点は、私たちが自然環境の中に文字どおり土足で踏み込んでいくところにある。そこには当然、大自然に対する敬意を示さなければならない。

具体的には、野鳥とは適度な距離を保って観察することが重要であり、巣やヒナには決して近づかないことである。興味本位で不用意に近づけば親鳥が警戒して子育てをやめてしまうことがあるという。

日本野鳥の会では「や・さ・し・い・き・も・ち」で、バードウォッチングを楽しむことを提唱している[1]。これは、バードウォッチングのフィールドマナーを下記のように標語的にまとめたものである。

  •  : 野外活動、無理なく楽しく
  •  : 採集は控えて、自然はそのままに
  •  : 静かに、そーっと
  •  : 一本道、道からはずれないで
  •  : 気をつけよう、写真、給餌、人への迷惑
  •  : 持って帰ろう、思い出とゴミ
  •  : 近づかないで、野鳥の巣

野外活動、無理なく楽しく

バードウォッチングは自然の中で行うものであるため、決して無理をせず、ゆとりのあるスケジュールでの行動を心がける。

採集は控えて、自然はそのままに

バードウォッチングのような自然の中で行う趣味は、できるかぎり自然をそのままに保全するのがマナーである。大自然の中に存在するものは、例え小石であろうが勝手に採集してはならない。

静かに、そーっと

自然のなかで暮らす野鳥や野生動物は警戒心が強い。音を出したり騒ぐと、逃げてしまって観察の機会を逃すだけでなく、彼らの生活を邪魔していることになる。音を立てずに静かに、そーっと観察しなければならない。

一本道、道からはずれないで

野鳥を探すことに夢中になり、山道から外れると遭難の危険がある。また、里山の近くでは、道路から外れて田畑を踏み荒らすのはマナー違反である。田畑の所有者にとっては大迷惑である。

気をつけよう、写真、給餌、人への迷惑

カメラや双眼鏡を人家などに向けるのは迷惑行為になる。野鳥の向こう側に人家などがある場合は、カメラや双眼鏡を向けないようにする。

また、野鳥を撮影する際に、フラッシュをたいたり、反射板で光を当てるのは、野鳥にとってストレスになるので、そのような行為は絶対にしない。デジタルカメラで、明るい(F値が小さい)レンズを使用すればストロボは不要である。

また、撮影した野鳥をSNSなどに投稿する際、撮影場所を明記することはやめる。その野鳥を撮影しようとしたり、見ようとしたりして、人々がその場所に殺到すると、地元の人たちとのトラブルに発展することがあるためである。

野鳥や野生動物に餌を与えることも禁止されている。絶対に守らなければならないフィールドマナーの一つである。

持って帰ろう、思い出とゴミ

ゴミは必ず家まで持ち帰って処理する。大自然に足を踏み込む際には、そもそもゴミになるようなものは持ち込まないようにすべきである。野鳥や野生動物がビニールやプラスチックのゴミを誤って採餌すると死に至らしめることになることを肝に銘じておくべきである。

近づかないで、野鳥の巣

野鳥の生態において、特に子育ての時期は親鳥が神経質になり易い。危険を感じると巣をヒナと一緒に放棄してしまうことになるので、決して近づくべきではない。野鳥研究家でもない私たちが野鳥の巣やヒナを観察して、何か社会のために役に立つことがあるだろうか? 自己満足のための観察は止めるべきと私は思う。


私たちは少なくとも上記のフイールドマナーを守るべきである。これら最低限のマナーも守れない者はバードウォッチングをするべきでないと私は思う。趣味は他にもある。


野鳥の生態

バードウォッチングの観察対象が野鳥である以上、野鳥の生態を知っておく必要がある。

鳥類は、哺乳類と同じように背骨があり(脊椎動物)、体温が一定である(恒温動物)が、羽毛に包まれていることが他の生き物にはない大きな特徴である。また鳥類の雌は殻のついた卵を産むというのも特徴的である。

ペンギンやダチョウのように飛べない鳥もいるが、多くの野鳥は飛ぶことができるのも鳥類としての大きな特徴である。飛べるために他の生き物が巣を作れないような所に巣を作ったりすることができ、長距離の渡りをすることもできる。

では野鳥とペットの鳥類の違いは何か? 野鳥は、基本的には人間に飼われたことのない、自然のしくみに組み込まれた鳥類であると定義することができそうだ。


野鳥の飛び方

飛べるのが鳥類の特徴の一つであるとするなら、その飛び方に興味を抱くものである。当たり前の話であるが、鳥類の飛び方は、明らかに蝶や蛾のような昆虫やコウモリ(哺乳綱翼手目)の飛び方とは異なる。

鳥類は、空気の流れを受けて、自然と浮力を生じさせる翼の特殊な構造によって、いとも簡単に空中を飛ぶことができる。翼を動かすための筋肉が発達しているのも鳥類ならではある。

翼だけでなく、体全体が飛ぶために最適化されている。例えば、骨の中は空洞の多い構造になっていて軽量化されているらしい。骨粗鬆症とは異なるところが鳥類の骨の特徴と言えよう。

また、体の中には気嚢【きのう】という鳥類だけが備えている呼吸器官がある。気嚢は呼吸効率が高いため、鳥類は高度1万メートルの上空の空気密度の低い(酸素が少ない)空間でも呼吸ができるという。だから高い空を自由に飛べるのだろう。

さらに、食べた物で身体が重くならないように腸は短く、すぐに身体の外に排せつ物を出せるしくみになっている。吸収効率はどうなのかと気になる。多分、悪いだろう。だから常に食べ物を探して飛び回らなければならないのかも知れない。

以上が鳥類の「飛ぶ」という観点からの基本的な特徴であるが、鳥類の種類によって微妙に翼の構造が異なり、そのために飛び方に差異が生まれる。

鳥類の飛び方には、それぞれに理由があり、鳥類にとっての都合があるわけで、決して適当な飛び方をしているわけではない。

私は、バードウォッチングを始めるまでは、鳥類をそんな観点で観察したことがなかった。大空を自由に飛ぶ野鳥の姿、その飛び方一つをとっても、その野鳥が進化の過程で何故、その飛び方を選択したのかに思いをはせると非常に興味深いものである。


野鳥の姿勢

野鳥は、木の枝などにとまっている状態で見つけることが多い。そのとまり方(姿勢)の特徴だけ何の仲間の野鳥であるかを調べることができるという。

さらに、その野鳥の大きさ、羽の色、全体の形、止まった時の姿勢、飛び方、鳴き声、歩き方などをよく観察した上で、特定の1種類の名前に絞り込んでいくのがバードウォッチングの醍醐味であるらしい。

勿論、最初からうまくはいかない。経験を積むことで、少しずつ野鳥それぞれの違いが分かるようになるはずだ、と思う。それが趣味としてのバードウォッチングの楽しみ方の一つでもある。


ものさし鳥

私たちにとって一番身近な野鳥と言えば、スズメである。このスズメの大きさを基準にして、これより少しずつ大きい順に並べたムクドリ、ヒヨドリ、キジバト、ハシブトガラスの5種類の野鳥を基本5種と言い、ものさし鳥と呼ばれている。

スズメ
ムクドリ
ヒヨドリ
キジバト
ハシブトガラス
日本の野鳥識別図鑑

つまり、これら基本5種の野鳥の大きさをよく覚えておけば、例えば目の前の野鳥がスズメより大きいとか、キジバトより小さいとかの判断(評価)ができるようになるわけである。これが「ものさし鳥」の役目である。


野鳥の見つけ方

野鳥を見つけるポイントは、野鳥の止まりやすい所を探してみることである。では、野鳥の止まりやすい所とは何処かといえば、例えば、森の中では木のてっぺんであったり、木の実が残っている枝であったりする。

都市部においては、たとえば電線やアンテナ、池のクイなどにとまっている野鳥をみかけた経験は誰もがあると思う。このように野鳥にはそれぞれ好みの場所というものがあるのでその場所をいち早く見つけることが野鳥を見つける早道となる。やみくもに森を歩いても野鳥には会えない。

次は、耳を澄ませて、野鳥の鳴き声を聞き分けることである。野鳥ほど絶えず声を出している生き物はないのではないと思うほどに近くに野鳥がいれば鳴いている。

彼らは仲間同士で呼び合いをしたり、飛び立つ時ですら一声出すものである。ことわざに「雉も鳴かずば撃たれまい」というのがあるが、まさにキジも鳥なのでその習性としてつい鳴いてしまうのだろう。したがって、鳴き声が全く聞こえないのであれば、そこには野鳥はいないと判断して他を探すしかない。

このように、野鳥の見つけるには、野鳥の鳴き声を頼りにすることが多いはずである。とにかく野鳥の鳴き声が聞こえたら、聞こえた方角を意識して、野鳥の姿を探す。そして肉眼で野鳥の姿を見つける事ができたら、双眼鏡やカメラ越しに野鳥の姿を捉えるというのがバードウォッチングの基本的なやり方である。少なくとも私はそのように実践している。

尚、野鳥の特徴ある鳴き声を学習するのに私が参考にさせてもらっているのが下記の記事である。皆さんの役にも立つと思う。

鳴き声で探そう!|日本の鳥百科|サントリーの愛鳥活動


野鳥の中には、地面を歩いたりして餌を探す鳥もいるが、そんな野鳥を見つけるのは結構大変である。鳥が動くと、落ち葉や草がカサカサと音を立てるというが、実際には落ち葉や草が擦れるわずかな音を聞き分けることは余程の年季が入ったバードウォッチャーか、あるいは専門家や研究家でないと無理というものだ。私のような素人のバードウォッチャーにはハードルが高すぎる。


一方、キツツキ科の鳥で、例えばコゲラなどは木をつつくので、その生活音を聞き分け、その音が聞こえてくる方向を探せば野鳥が見つかる場合が多い。しかし、そんな分かりやすい生活音を出してくれる野鳥の数は希少である。

コゲラ
日本の野鳥識別図鑑
アカゲラ
キツツキ

したがって、野鳥を見つける方法は、野鳥の鳴き声に耳を澄ませるしか方法はないと覚悟すべきかも知れない。運よくたまたま目にした方向に野鳥の姿を見つけたなら、それはきっと日頃の行いが良いのでしょう。


バードウォッチング事始め

必要な持ち物

双眼鏡

バードウォッチングをするのに、最低限必要な道具と言えば双眼鏡であるかも知れない。一般に森林で暮らす野鳥の姿は小さく、肉眼でみても野鳥の種類を判別することが難しいことが多いからである。

双眼鏡を使って、野鳥の姿を見るだけで、バードウォッチングをしている気分になれるし、楽しさは格段に上がるのは確かだ。野鳥を観察するためにはなくてはならない道具の一つである。

だからと言って双眼鏡がないとバードウォッチングができないと言っているわけではない。肉眼でも野鳥観察は可能である。

もし双眼鏡をバードウォッチングのために初めて購入するのであれば、特に森林でバードウォッチングをするなら8〜10倍率の双眼鏡がおすすめである。

野鳥の動きは素早いので視野が狭い高倍率であると野鳥を見逃しやすい。そのため8倍程度の倍率だと視野が広くなり観察しやすい。一方で遠くからでも観察できるのが高倍率の双眼鏡である。

性能は値段相応であるから、安いというだけで飛びつくべきでないと思う。品質を期待して購入するのであれば、すこし高いと思うくらいでも、信頼できるメーカーの製品を選択する方が無難というものである。

森林で野鳥を観察するために使用する双眼鏡の選び方として、一般的に考えられている基準をまとめたのが下記の表である。これを参考に、自分の好みと予算に合わせて選択すればよい。


双眼鏡を選ぶ判断基準

項目双眼鏡を選ぶ判断基準
倍率8倍〜10倍
口径(対物レンズ有効径)20〜50mm
視野6〜9°
ひとみ径3〜5mmあれば森林でもOK
(7 mmに近い方が明るい)
明るさ9〜25(森林用の場合)
アイレリーフ基準は14mm、眼鏡ユーザーは14mm以上
大きさ(特に、重さ)長時間の携帯に適しているかが重要
重さ長時間の携帯に適しているか(<500g)
防水屋外で使うので、防水であった方が良い
双眼鏡を選ぶ判断基準

バードウォッチング用双眼鏡の選択肢

自分の好みと予算に合わせて下記のような双眼鏡を選べば、バードウォッチングの用途には十分に機能するはずである。

ニコンの双眼鏡
(モデル:MONARCH 7 8×30)
ニコンの双眼鏡
(モデル:プロスタッフ 7S 8×30)
オリンパスの双眼鏡
(モデル:8×25 WP Ⅱ)
ペンタックスの双眼鏡
(モデル:8×21 タンクローR)
メーカーNikonNikonOLYMPUSPENTAX
モデルMONA7
8X30
PS7S
8X30
8×25
WP Ⅱ
8×21
タンクローR
倍率(倍)8888
口径(mm)30302521
視野(°)8.36.56.26.2
ひとみ径(mm)3.83.83.12.6
アイレリーフ(mm)15.115.41513
サイズ(cm)17×
16.8×
8.4
12.3×
11.9×
4.9
11.5×
11.4×
4.5
11×
8.3×
4.8
重さ(g)435415260210
防水ありありありなし
Amazon価格(円)36,00021,9008,5004,500
双眼鏡の性能と価格比較表(2022年10月2日時点)

防振機能(手振れ防止機能)あると目が疲れない。双眼鏡を長く覗いていると目が疲れる。ときには気分が悪くなることがある。それは手振れをおこしているからであり、誰もが経験することである。双眼鏡に防振機能がついていれば、防振機能付きのカメラと一緒で手振れを防いでくれる。もし予算に余裕があるのであれば、防振機能付きの双眼鏡も選択肢になる。但し、防振機能付きの双眼鏡は、絶えず電池が必要なことと重いのが難点である。

Canon 双眼鏡
10×30 IS II BINO10X30IS2
Canon 双眼鏡
8×20 IS BINO8X20IS
メーカーCanonCanon
モデル10×30 IS II BINO10X30IS28×20 IS BINO8X20IS
倍率(倍)108
口径(mm)3020
視野(°)66.6
ひとみ径(mm)3.02.5
アイレリーフ(mm)14.513.5
サイズ(cm)12.7×
15.0×
7.0
11.8×
14.2×
6.9
重さ(g)約600(電池別)約420(電池別)
防水なしなし
Amazon価格(円)64,80060,500
双眼鏡の性能と価格比較表(2022年10月6日時点)

野鳥図鑑

野外で野鳥と出会ったら、その場で名前を知りたい。そんな願いをかなえるためのハンディな野鳥図鑑が日本野鳥の会山と渓谷社から出版されている。

書店で手にとり、どれか一冊でも自分が気に入った野鳥図鑑を購入しておくと野鳥との出会いの楽しさが広がる。


カメラを使ったバードウォッチング

バードウォッチングと言えば、双眼鏡がつきものである。不思議なもので、私のような初心者は双眼鏡を持つだけでバードウォッチャーになった気分を十分に味わえる。しかし、野鳥の姿がハッキリと見えるだけではつまらないと思うようになった。

勿論、見るだけに徹した方が野鳥の動きをしっかりと観察できるので、本来のバードウォッチングであると思う。しかし、私は写真撮影を趣味にしているので野鳥の写真を撮りたいと思うようになった。それでカメラを使ったバードウォッチングを試してみたところ、それが期待以上に私の趣向に合致していた。


カメラを使ったバードウォッチングのメリット

  • フルサイズのデジタル写真であれば、パソコンで野鳥の写真を拡大して、野鳥の種類を確認できる。
  • 何処でどの種類の野鳥を観察したのか記録が容易になる(当り前だが写真として残せるので、フイールドノートの代わりになる)。
  • 私のようにシニアになって動体視力が衰えた者にとってもカメラの視野は双眼鏡よりも広いので動きが敏捷な野鳥であっても捉えやすい。
  • シニアになって視力が衰えてもカメラのオートフォーカス機能で野鳥の姿を鮮明に捉えることが可能である。
  • 野鳥の追尾がカメラのオートフォーカス機能で容易になる。
  • 防振機能(手振れ防止機能)のない双眼鏡を長く覗き込むと目が疲れ、時に吐き気をもよおすように気分が悪くなるが、防振機能のあるカメラであれば長時間全く気にならない。

フイールドノートは、見つけた野鳥の名前や、観察した記録をメモしておくものである。初心者にとっては名前の分からない野鳥と出会うことが多いので、見た特徴をメモしておいて、後で名前を調べるためにも必要なものである。

しかしながら、手帳にメモをとることが苦手な私はフイールドノートを活用できるとは思えない。その点、カメラで観察し、そのまま写真を撮ってしまえばよいので便利である。デジタル写真には、撮影年月日・時刻が自動で記録されるのでメモをとる必要もない。フィールドワークにはこの上なく便利である。


カメラを使ったバードウォッチングのデメリット

  • 私が愛用しているカメラはミラーレスとはいえズームレンズ(24~105mm)を装着しているのでコンパクトカメラに比べると随分と重い。野鳥を探して森林を駆け巡るには機動性に劣る。
  • 望遠レンズ(300mm)を装着したいところだが、さらに重量が増え、三脚も必要となるので機動力がかなり低下する。行動範囲の狭い観察区域でないと使用できないので、本来のバードウォッチングが楽しめなくなる。
  • 双眼鏡で見るより野鳥が小さく見える。双眼鏡の倍率は、ファインダーで見たときの被写体の大きさが、肉眼で見たときよりどれだけ大きい(何倍)かを示す数値であるから、例えば8倍の双眼鏡の場合は肉眼でみる大きさの8倍で見える。より正確に表現するなら、40m先の野鳥が5m先に、8m先の野鳥が1m先にいるかのように見えるということである。一方、私のズームレンズ(24~105mm)では、最大にしても2倍ぐらいにしか見えない。300mmの望遠レンズを使用すると6倍程度に見えるようにはなる。

カメラを使ったバードウォッチングにもメリットとデメリットがあるが、私にとってはメリットの方が多いので、当分はこの方法でバードウォッチングを楽しむことにする。


森林浴とは

森林浴は、大気浴(空気浴)の一種であり、清浄な空気に浸って精神的安らぎを得ることを目的に森林に入ること、あるいは森林に入って清浄な空気を呼吸し、その香気を浴びて心身の健康を図ることによる、優れた森林内環境でのレクリエーションと定義される。(引用:ウィキペディア)

1982年に林野庁の提唱で、樹木に接し、癒しを求める行為として森林浴という言葉がうまれたという。

森林浴は身体に良いとされており、欧米では森林浴セラピー自然療法として森林浴が実際に医療の現場で実用化されており、保険が適用される国もあるらしい。

森林浴の効果は、癒し効果やリラックス効果とも呼ばれ、森林浴が心身の健康に良いことが科学的に証明されつつある[2]。森林浴には下記のような効能が期待されている。

  • ストレスホルモンの減少
  • 副交感神経活動の促進
  • 交感神経活動の抑制
  • 血圧や脈拍数の低下
  • たんぱく質の増加
  • 免疫力の向上

森林の中に身をおき、爽やかな空気の中で深呼吸してみると、自然ならではの「香り」があることに気づく。この不思議な「森林の香り」の本質はフィトンチッドと呼ばれる物質であるという。

フィトンチッドは、テルペン類の一種で、体をリフレッシュするだけではなく抗菌、防虫、消臭などの様々な効果があるらしい。

そんな森林浴に適した場所でバードウオッチングも楽しむというのはどうだろうか?


三重県上野森林公園で初鳥見

三重県上野森林公園は、三重県民が自然と親しみ、自然への理解を深める場として活用することを目的に整備された施設である。

およそ43 haの広大な公園内には多くの生き物が生息し、樹林・山野草・昆虫・野鳥などが四季を通じて観察できるようになっている。自然と接することでやすらぎが得られる場になっている。

公園内の遊歩道の分岐点には案内板や道路標識があるので、広大な公園内でも道に迷うことはない。整備されているので安心だ。

森林公園の敷地内には展示室や研修室などの屋内施設もあり、それらを無料で利用できる(事前申し込み要)。また、自然に関する行事(イベント)を毎月開催している。

私は、森林浴を兼ねたバードウォッチングの場として、この森林公園を最初に選び、「初鳥見」にチェレンジすることにした。

双眼鏡とカメラの両方を持参したので重装備になってしまった。次回からはカメラだけにしようかと思ってしまったほどである。今後も両方を持ち歩くなら、双眼鏡は超軽量タイプにする必要がありそうだ。

森林エリアに入って行くと野鳥の鳴き声が至るところから聞こえてくるが、落葉樹にまだ葉が残っていて野鳥の姿をとらえきれない。

目が慣れてきても野鳥の動きが敏捷すぎて追いつけないし、野鳥は知ってか知らずか私からは見えないように葉影を上手に利用して移動する。

飛び立つ野鳥もすぐに森林の中に姿を消してしまって、鳴き声だけが聞こえてくる。特徴のある色々な鳴き声が聞こえるので多くの種類の野鳥が生息していることが分かった。しかし肝心の野鳥の姿を捉えることができない。

野鳥の鳴き声のする方を追いかけ森林公園の中を歩き回ったのでかなり疲れた。そのとき気がついたのは野鳥を追いかけるのではなく、待ち伏せ作戦もありだということである。

つまり野鳥が寄ってきそうな場所や樹木を見つけて、そこでじっと野鳥がやってくるのを待つという戦術である。

一見、時間を無駄にしているようであるが、これが意外と効果があった。それに重装備の身には体力の消耗を抑えることができたのが良かった。

ターゲットに定めた数本の樹木には鳥の鳴き声と大きさから判断して少なくとも3種類くらいの野鳥がやって来たが木の葉の影に隠れて鮮明な野鳥の姿を捉えることができなかった。

そんななかで一羽だけ姿をカメラで捉えることができた野鳥がいた。帰宅後に確認したらシジュウカラであることが分かった。

以上が私にとって初めてのバードウォッチング、鳥見初体験の出来事であった。気がつけばおよそ2万歩も歩いていた。十分に森林浴も楽しんだことになった。

名 称三重県上野森林公園
所在地三重県伊賀市下友生1番地
Link三重県上野森林公園
見どころ | 三重県上野森林公園

あとがき

バードウォッチングを始めたばかりの私が偉そうに知ったかぶりでバードウォッチングの記事を書くことに最初は躊躇したが、文章を書くことで自分自身が随分と考えることができた。

言い訳がましいが、私はまだ初心者の域を出ないのでバードウォッチングについてこの記事が正しく伝えていない懸念がある。

しかしながら、私と同じようにシニアになってから趣味としてバードウォッチングを始めようと思っている人にとっては考えるヒントになるのではないだろうか。

私は自分で実際にバードウォッチングを始めてみて、先達が教えてくれるバードウォッチングの方法が自分にできるかどうかを検証した。そして、自分自身が納得できることを記事にしたつもりである。決して机上で適当に記事を書いたわけではない。

何年か後に私自身が経験を積み、経験値を高めた上で本記事の妥当性を検証してみようと思っている。そして誤っていればすぐに本稿を修正するつもりである。


【参考文献】
1日本野鳥の会 :『ゼロからわかるバードウォッチングBOOK』
2森林の健康と癒し効果に関する科学的実証調査報告書(要旨)
【参考資料】
今日からはじめるバードウオッチング(日本野鳥の会編、1993年)
身近な鳥30種類の名前を調べる【写真で見る】
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