はじめに
マイナポータルは、日本の行政手続きのオンライン窓口であり、下記のような機能があるので、大いに活用すべきである。
- 情報確認
- 自分自身の所得や地方税、行政機関からのお知らせなど、必要な情報をいつでも確認できる
- 手続き
- 居住地域の行政サービスや手続きを自分のパソコンやスマートフォンから簡単に検索でき、手続きによってはそのまま申請できる
- マイナンバーカードの利用
- マイナポータルからマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにすることができる
- マイナンバーカードを健康保険証として使用すれば、医療費の支払いや確定申告が便利になる
この便利なマイナポータルを利用するためにはこのWEBサイトにログインする必要がある。自分のパソコンからマイナポータルにログインするためには、マイナンバーカードとICカードリーダーを準備する必要である。
私の経験では、マイナンバーカードをICカードリーダーで読み取り、パソコンからマイナポータルにログインする方法の方が、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取るよりも容易であった。もし、私と同じようにスマートフォンを用いてマイナンバーカードの読み取りに苦労した経験がある方は、パソコンとICカードリーダーを使ってみては如何でしょうか?
本稿は、自分のパソコンからマイナポータルにログインし、マイナポータルを活用する方法について述べたものである。そのためマイナンバーカードのICチップの情報を読み取るための手段としてICカードリーダーを使用している。
ICカードリーダーを使うとマイナンバーカードの読み込みが簡単なので、お勧めする次第である。
マイナポータルへのログイン方法
マイナポータルに自身のパソコンからログインするにはマイナンバーカードとICカードリーダーが必要となる。これらが準備できれば、大まかには下記のような方法でマイナポータルにアクセスするとよい。
ICカードリーダーでマイナンバーカードを読み込む方法
- ICカードリーダーの動作確認
- 電子申請の前には、まずICカードリーダーが問題なく使用できるかを確認する
- ICカードリーダーが認識されない場合には、デバイスドライバをインストールする
- デバイスドライバをインストールしてもICカードリーダーの動作確認に失敗した場合には、PCを再起動する
- 電子申請の実施
- ICカードリーダーが動くようになったら電子申請をする
マイナポータルへのログイン方法
マイナポータルの利用にはログインが必要で、ログインの手順は以下の通りである。
- マイナポータルのウェブサイトにアクセスし、「登録・ログイン」ボタンを押す
- マイナンバーカードの暗証番号(4桁)を入力する
- マイナンバーカードをICカードリーダーで読み込む
- ログインが完了するとマイナポータルのWEBサイトが開く
ICカードリーダーの動作確認や活用法については、次項で詳しく説明したいと思う。
ICカードリーダーの活用
ICカードリーダー
ICカードリーダーは、ICカードを読み取るために使用するパソコン周辺機器の一つである。ICカードを使用するとマイナンバーカードをはじめ、交通系ICカードや電子マネーカードなどのデータを読み取ることができる。
ICカードリーダーには各社から色々なタイプのものが市販されているので、自分のパソコンのOSに対応したものを選択すればよい。
非接触型ICカードリーダーに拘らない場合、接触型を選択すれば非接触型により安価で購入できる。
ソニー(SONY)は、非接触決済技術の「FeliCa」を開発したメーカーである。FeliCaはnanacoやWAON、楽天Edyなどの電子マネーをはじめ、SuicaやPASMO、ICOCAなどの交通系ICカードにも広く活用されている。
そして、ソニーは、FeliCaの技術を活用した非接触型ICカードリーダーを製造している。
SONY非接触ICカードリーダー/ライター (モデル:PaSoRi RC-S380)は、対応OSはWindowsのみであるが、人気のロングセラー品(2012年発売)である。
e-Taxによる確定申告やeLTAXによる地方税の納付が可能である他、電子マネーや交通系ICカードの管理にも対応する多機能な製品となっている。
パソコンのUSB Type-Aポートに接続して、対応するICカードをかざすだけで情報の読み取りが可能である。また、読み取りの確実性を高めるカード保持用のスタンドも付属している。
SONY非接触ICカードリーダー/ライター (モデル:PaSoRi RC-S380)は、公的個人認証サービスにも対応しており、マイナンバーカードを使った確定申告や地方税の納付が可能である。勿論、各種交通系ICカードの利用履歴や残高確認ができる他、楽天EdyやWAONといった電子マネーの残高確認やチャージや、ネットショッピングにも利用できる。
ちなみに私はSONY非接触ICカードリーダー/ライター (モデルPaSoRi RC-S300;2021年発売)を購入した。購入理由はMacOSでも利用したいからである。対応OSは、MacOS 12/11とWindows 11/10/8.1である。
従来品のRC-S380と比べると、通電時やICカード読み取り時に点滅するLEDランプが追加されており、ホルダーを使ってカード固定やケーブル収納が可能になった。
機能的にはRC-380とほとんど変わらないので、Macを使う必要がなければRC-380を選択しても何ら支障はないと思う。
ICカードにはICチップと呼ばれる集積回路が埋め込まれており、そのICチップ内には所有者の個人データやサービスの利用履歴などの情報が保存されている。ICカードリーダーを使用することで記録された情報を読み取ることができる。
ICカードリーダーの用途
ICカードリーダーで読み取った情報は、下記のような用途で利用できる。
- マイナポータルでのマイナンバーカードの読み取り
- 確定申告でのマイナンバーカードの読み取り
- 交通系ICカードの利用履歴や残高確認
- ネットショッピングでの電子マネー決済やチャージ
マイナポータルでの利用
政府運営サービス「マイナポータル」は、マイナンバーカードで認証することで、子育てや介護に関する支援サービスや各種給付金などの申請にも利用できる。
確定申告での利用
国税庁が運営する国税電子申告・納税システム、e-Taxを活用することで、税務署に行かなくても自宅で確定申告ができる。
e-Taxのサービスを利用するには、マイナンバーカードの電子証明書を使った本人確認手続きが必要であるが、これに対応したICカードリーダーがあればマイナンバーカード内の電子証明書が読み取れるので電子申告の手続きが行える。
但し、ICカードリーダーを確定申告で使用する場合は、「公的個人認証商品」に対応する製品を選んでおく必要がある。
その理由は、マイナンバーカードに記録された電子証明書の読み取りに対応したICカードリーダーは全国の市町村で統一して決められているからである。電子証明書の読み取りに対応しないICカードリーダーでは、確定申告には使用できない。
マイナンバーカードに対応する対象製品のリストは、行政が運営する「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できる。
交通系ICカードの利用履歴や残高確認
各種交通系ICカードの利用履歴や残高確認がスマホやパソコンで手軽に行えるようになる。
交通系ICカード内のデータを閲覧できれば、交通費の精算や経費の申請、記帳などが容易に行えるので会社員や私のようなフリーランスにも便利である。つまりプライベート用と仕事用で清算を分ける必要がある人には重宝するとはずである。
ネットショッピングでの電子マネー決済やチャージ
各種電子マネーの残高や利用履歴の確認ができるほか、クレジットカードを使うことでスマホやパソコンから電子マネーへのチャージが行えるらしい。私はこの用途でICカードリーダーを利用したことがないので便利さが実感できていないが・・・
確かに、電子マネーの残高を常に把握できていれば、店頭で支払いの際に、残高不足で慌てる必要がなくなるだろう。
但し、自分が使用している電子マネーカードに対応しているかを確認しておく必要がありそうだ。電子マネーの管理を目的にICカードリーダーを購入する際は、目的のサービスに対応しているかどうかを確認して機種を選択した方が無難であるといえよう。
ICカードリーダーをnanacoやWAONといった電子マネーカードの管理用に使用したい場合は、非接触決済技術「FeliCa」に対応した製品を選ぶよう推奨されている。
SONY ICカードリーダー/
ライター PaSoRi RC-S300
非接触ICカードリーダー/ライターは原理的に金属の影響を受けやすく、設置する机などが金属製の場合、ICカードとリーダー/ライターの通信が不安定になることがあるという。付属のホルダーを使うと、パソリ本体の通信をより安定させることができるようだ。
PaSoRiのセットアップ方法
ドライバーのインストール(Windowsの場合)
OSがWindowsのパソコンの場合、インターネットに接続したパソコンとリーダー/ライターを付属のUSBケーブルで接続すると自動でドライバ―がインストールされる。
パソコンの状態やネットワーク設定により、自動インストールが始まらない場合は、基本ソフトウェア一覧より手動でダウンロードして、インストールする。
ドライバ―がインストールされたことを確認したら、付属のセットアップガイドに従って、基本ソフトウェア(NFCポートソフトウェア)をインストールする。
タスクバーに表示されたアイコンをクリックすると、「デバイスのソフトウェアのインストールを完了します」のメッセージが表示されるので、これをクリックすればインストールが開始する。
使用許諾契約画面が表示されたら[使用許諾契約の全条項に同意します]を選択してから[次へ]をクリックすると、NFCポートソフトウェアのインストールが完了する。
ドライバーのインストール(MacOSの場合)
OSがMacOSのパソコンの場合、ドライバ―が自動でインストールされない。MacコンピューターとPaSoRi(パソリ)RC-S300を接続するために「MacOS用USB ドライバー for RC-S300」をソニーのサポートサイトからダウンロードしなければならない。
動作確認やインストール手順は、サポートサイトに記載されているのでそれに従えばよい。
ドライバーのインストールが完了したら再起動する。
再起動後Macコンピューターとパソリ本体を接続して、Appleメニューから[このMacについて]をクリックする。
次に表示された画面の[システムレポート]ボタンをクリックする。
次に表示された画面のスマートカードの項目に[FeliCa Port/ PasoRi 4.0]が表示されていれば、当該リーダー/ライターが認識されたと確認できる。
コンピューターがパソリ本体を認識していない場合は、ソニーウェブサイトを確認して、その指示に従って対応する。
パソリ本体の自己診断
Webアプリで行う方法
URL<self-diag.felica-support.sony.biz>にアクセスし、画面の指示に従って自己診断を行う。
使用するブラウザ:Microsoft Edge又はGoogle Chrome
デスクトップアプリで行う方法(Windows)
- スタート画面を表示させ、アプリ一覧からNFCポート自己診断を選んでクリックする。
- 画面の指示に従って自己診断を行う。
- 画面内のリーダー/ライターとの通信とカードとの通信欄を確認する。
- 「〇」と表示されていれば成功で、動作確認は完了!
- 「×」と表示されたら問題が発生!画面の指示に従って対応しなければならない。
マイナポータルを使うには
- マイナポータルのウェブサイト(myna.go.jp/)から接続用のアプリケーションをインストールする。
- マイナポータルのウェブサイトで、各利用手順を確認し、セットアップを行う。
エラーコードが出た場合の対応
- マイナポータルからマイナポイントを申し込む際にエラーコード「MKCZ2346E」が出た場合には、ICカードリーダーを接続した状態のままでパソコンを再起動させると解消する場合がある。私の経験ではこの方法で問題が解消した。
マイナポータルの活用
マイナポータルは、日本の行政手続きのオンライン窓口であり、次のような機能がある。
- 自分自身の所得や地方税、行政機関からのお知らせなど、必要な情報をいつでも確認できる
- 居住地域の行政サービスや手続き方法を自分のパソコンやスマートフォンで簡単に検索でき、手続きによってはそのまま申請できる
マイナポータルでは、他にも私たちの生活に役立つサービスが多くある。そこで、マイナポータルの活用法として下記にまとめてみたいと思う。
公金受取口座の登録や変更
- 国や地方自治体から給付金を受け取るための口座情報を登録したり、変更したりできる
年金に関する情報の確認や手続き
- 「ねんきんネット」との連携により、自分の年金に関する情報の確認や手続きが行える
確定申告の電子申請
- e-Taxとの連携により、所得税・個人消費税・贈与税等の申告書を作成し、確定申告を行うことができる
健康保険証としての利用
- マイナンバーカードを健康保険証として利用できる
- 医療費の支払いや確定申告が便利になる
児童手当や介護保険などの電子申請
- 子育て・介護・被災者支援などの申請について、どんな手続きが必要か、どのような書類を用意したらいいかなどを簡単に検索でき、手続によってはそのまま申請できる
行政機関等からの通知の受け取り
- 行政からのお知らせを受け取ることができる
引越しの手続き
- 引越しに伴う各種手続きを行うことができる
マイナポータルの活用事例
事前準備
- マイナポータルアプリのインストール
- マイナンバーカード
- 4桁の暗証番号
- ICカードリーダー(マイナンバーカード読取用)
マイナンバーカードを健康保険証として利用
- マイナポータルアプリを開くと、「健康保険証利用申込」があるので、タップする
- 利用規約を確認して、「同意して次へ進む」をタップする
- 「申し込む」をタップすると、マイナンバーカードのパスワードとマイナンバーカードの読み込み画面に移動する
- マイナンバーカード受領の際に設定した、4桁の暗証番号を入力する(3回間違えるとロックがかかるのが要注意)
- マイナンバーカードを読み取る
- 読み取りが終われば、申込完了
あとがき
最近はパソコンよりもスマートフォンを使用する人が多い。そのためスマートフォンからもマイナポータルにログインできるようにもなっている。
しかしながら、現状ではスマートフォンからマイナンバーカードを読み取るにはコツが必要で、読み取れない場合や何度も試みる必要があるなどストレスがかかる場合が多い。
つまり、現状ではスマートフォンからよりもICカードリーダーを用いてパソコンからマイナポータルにログインする方がストレスもなく簡単にできるということである。
近い将来、iPhoneにマイナンバーカードを登録できるようになれば、現状のようなストレスは解消され、そちらがメインのアクセス方法になるかも知れない。
iPhoneにマイナンバーカードを登録できるようになった際には、iPhoneユーザーの一人として、改めてスマートフォンからマイナポータルにアクセスする方法を記したいと思う。