カテゴリー
仏教

西国三十三所の札所巡りはシニア世代の終活旅かも?

はじめに

巡礼とは日常的な生活空間を一時的に離れて、宗教の聖地や聖域に参詣し、聖なるものにより接近しようとする宗教的行動のことをいう。

世界の多くの宗教で重要な宗教儀礼と見なされ、特にその宗教の信者が特定の地域や文化圏を超えて広域に分布している宗教においてはとりわけ大切なものと位置付けられている。

したがって巡礼は、未開宗教よりも歴史的な宗教や世界宗教において、より一層さかんに行われているという。
(引用: ウキペディア)

日本でも「四国八十八箇所」が巡礼としてよく知られているが、「西国三十三所」の札所巡礼も忘れてはならない。

はじめに
観音菩薩【観音さま】の三十三応現身
西国三十三所の札所巡礼について
西国三十三所の札所
【六番札所】南法華寺(壺阪寺)【奈良県】
【十一番札所】醍醐寺【京都府】
【二十番札所】善峯寺【京都府】
あとがき

観音菩薩【観音さま】の三十三応現身

法華経」普門品第二十五「観音経」において、観音菩薩は、三十三応現身に変身し、人々を救う菩薩であるとされる。

観音三十三身対応する仏尊
1仏身【ぶっしん】阿弥陀如来
2辟支仏身【びゃくしぶつしん】
3声聞身【しょうもんしん】
4梵王身【ぼんおうしん 】梵天
5帝釈身【たいしゃく】帝釈天
6自在天身【じざいてんしん】他化自在天
7大自在天身【だいじざいてんしん】大自在天
8天大将軍身【てんだいしょうぐんしん】
9毘沙門身【びしゃもんしん】毘沙門天
10小王身【しょうおうしん】
11長者身【ちょうじゃしん】
12居士身【こじしん】
13宰官身【さいかんしん】
14婆羅門身【ばらもんしん】
15比丘身【びくしん】
16比丘尼身【びくにしん】
17優婆塞身【うばそくしん】
18優婆夷身【うばいしん】
19長者婦女身【ちょうじゃふじょしん】
20居士婦女身【こじふじょしん】
21宰官婦女身【さいかん ふじょしん】
22婆羅門婦女身【ばらもんふじょしん】
23童男身【どうなんしん】
24童女身【どうにょしん】
25天身【てんしん】天龍八部衆
26竜身【りゅうしん】
27夜叉身【やしゃしん】
28乾闥婆身【けんだつばしん】
29阿修羅身【あしゅらしん】
30迦楼羅身【かるらしん】
31緊那羅身【きんならしん】
32摩睺羅伽身【まごらがしん】
33執金剛身【しゅうこんごうしん】執金剛神
『観音経』の観音三十三応現身の種類及び対応する仏尊
 出典: ウィキペディア(Wikipedia)

観音菩薩は、仏教の菩薩の一尊。観世音菩薩観自在菩薩救世菩薩などの別名があるが、一般的には「観音さま」と呼ばれる。

菩薩とは、仏教においては菩提(悟り)を求める衆生を意味する。 (引用: ウィキペディア)。

そして、衆生【しゅじょう】とは、仏教において迷いの世界に住む一切の生きとし生けるもので、仏の救済の対象となるものである(引用:日本国語大辞典)。

常に慈悲の心で見守っていて下さるので、困難に出会った際、観音菩薩の導きを信じ「南無観世音菩薩」と唱えればよいことになっている。


西国三十三所札所巡礼

三十三所巡礼の起源については、中山寺の縁起である『中山寺来由記』、華厳寺(三十三番札所)の縁起である『谷汲山根元由来記』などに下記のように記されているという。

養老2年(718年)、大和国の長谷寺の徳道上人が 62歳のとき、病のために亡くなるが冥土の入口で 閻魔大王に会い、「世の苦しむ人々のために三十三箇所観音霊場を作って巡礼を勧めよ」と言われ、起請文と三十三の宝印を授けられ現世に戻された。

夢から覚めた徳道上人は宝印に従い三十三箇所の霊場を設けた。しかし、世の信仰を得ることが出来ず発展しなかったため、宝印を摂津中山寺石棺に収めた。

徳道上人が中山寺に宝印を納めてから約270年後の寛和2年(986年)に、19歳で出家した花山法皇は比叡山で修行の後、三十三箇所観音霊場巡礼を発願し、播磨国・書写山円教寺の性空上人と共に中山寺で石棺宝印を捜し出した。

そして永延2年(988年)に紀州熊野から宝印の三十三箇所霊場を巡礼し再興を祈願した。

以上が現在の西国三十三所の起源になったと伝えられている。(引用: ウキペディア)


現在、収集ブームの一つになっている御朱印は、徳道上人が閻魔大王から授かった三十三の宝印が起源といわれている。

御朱印は札所本尊の分身であり、閻魔大王の約束の証である宝印を三十三所のすべての寺院で集めると、極楽浄土への通行手形となると伝えられている。


西国三十三所は、和歌山、大阪、兵庫、京都、奈良、滋賀、岐阜と2府5県にまたがり、 総距離は約1000㎞に及ぶ。

中世日本の文化の中心地であった京都に、三十三所のうち三分の一の札所寺院が集中していることから、憧れの巡礼路として、その人気は全国に広がったようだ。

そして遠方者のために、各地に写し霊場が創設された。その代表的な巡礼路は、坂東三十三所秩父三十四所である。


西国三十三所札所

一番札所

山号・寺号【通称/別称】那智山・青岸渡寺【那智山寺】
本尊如意輪観音
所在地和歌山

二番札所

山号・寺号【通称/別称】紀三井山・金剛宝寺【紀三井寺】
本尊十一面観音
所在地和歌山

三番札所

山号・寺号【通称/別称】風猛山・粉河寺
本尊千手観音
所在地和歌山

四番札所

山号・寺号【通称/別称】槇尾山・施福寺【槇尾寺】
本尊千手観音
所在地大阪府和泉市槙尾山町136
槙尾山施福寺 – 河内長野市ホームページ

五番札所

山号・寺号【通称/別称】紫雲山・葛井寺【藤井寺】
本尊千手観音
所在地大阪府藤井寺市藤井寺1-16-21
西国第5番紫雲山葛井寺〜国宝千手観音の寺〜 | 日本最初の千手観音

六番札所

山号・寺号【通称/別称】壺阪山・南法華寺【壺阪寺】
本尊千手観音
所在地奈良県高市郡高取町壷阪3
駐車場あり(有料)
Link壷阪寺(南法華寺)
壷阪寺(南法華寺)- 西国三十三所第六番札所

壷阪山・南法華寺壺坂寺)【奈良県】

通称、壺坂寺【つぼさかでら】と呼ばれる壷阪山南法華寺は、大宝3年(703年)に法相大徳弁基上人の開基で創建された名刹である。36堂60余坊の大伽藍であった古刹は、4回もの火災で焼失しており、現在の建物は文政10年(1827年)に再建されたものであるという。

三重塔は礼堂と共に、国の重要文化財である。

昭和58年(1983年)に開眼された大観音立像は、インドで制作されたもので、高さ20m、重さ1,200トンもある。

また、平成11年(1999年)に安置された大涅槃石像もインドで制作されたものであり、全長が8mである。

平成19年に開眼された大釈迦如来石像もインドで制作されたものであり、総高が15m(身丈10m 台座5m)である。

山号・寺号【通称/別称】壺阪山・南法華寺【壺阪寺】
本尊千手観音
所在地奈良県高市郡高取町壷阪3
駐車場あり(有料)
Link壷阪寺(南法華寺)
壷阪寺(南法華寺)- 西国三十三所第六番札所

七番札所

山号・寺号【通称/別称】東光山・龍蓋寺【岡寺】
本尊如意輪観音
所在地奈良

【番外】

山号・寺号【通称/別称】豊山・法起院【徳道上人廟】
本尊
所在地奈良

八番札所

山号・寺号【通称/別称】豊山・長谷寺【初瀬寺】
本尊十一面観音
所在地奈良

九番札所

山号・寺号【通称/別称】ー・興福寺【南円堂】
本尊不空羂索観音
所在地奈良

十番札所

山号・寺号【通称/別称】明星山・三室戸寺【御室戸寺】
本尊千手観音
所在地京都

十一番札所

山号・寺号【通称/別称】深雪山・醍醐寺【上醍醐・ 准胝堂】
本尊准胝観音
所在地京都市伏見区醍醐東大路
西国第十一番札所醍醐寺西大門仁王門)(京都市伏見区醍醐東大路)
西国第十一番札所醍醐寺五重塔(京都市伏見区醍醐東大路)

十二番札所

山号・寺号【通称/別称】岩間山・正法寺【岩間寺】
本尊千手観音
所在地滋賀

十三番札所

山号・寺号【通称/別称】石光山・石山寺
本尊如意輪観音
所在地滋賀

十四番札所

山号・寺号【通称/別称】長等山・園城寺【観音堂・三井寺】
本尊如意輪観音
所在地滋賀

【番外】

山号・寺号【通称/別称】華頂山・元慶寺
本尊
所在地京都

十五番札所

山号・寺号【通称/別称】新那智山・観音寺【今熊野観音寺】
本尊十一面観音
所在地京都

十六番札所

山号・寺号【通称/別称】音羽山・清水
本尊千手観音
所在地京都

十七番札所

山号・寺号【通称/別称】補陀洛山・六波羅蜜寺蓋寺
本尊十一面観音
所在地京都

十八番札所

山号・寺号【通称/別称】紫雲山・頂法寺【六角堂】
本尊如意輪観音
所在地京都

十九番札所

山号・寺号【通称/別称】霊麀山・行願寺【革堂】
本尊千手観音
所在地京都

二十番札所

山号・寺号【通称/別称】西山・善峯寺【よしみねさん】
本尊千手観音
所在地京都

西山・善峯寺【京都府】

善峯寺楼門(京都市西京区大原野小塩町)

善峯寺【よしみねでら】(京都市西京区大原野小塩町)は、平安中期の1029年に源算上人により開かれたと伝わる。

紫陽花の季節における 善峯寺手水舎

西国三十三所観音霊場の第二十番札所で、御本尊は十一面千手観世音菩薩である。

西国第二十番札所善峯寺観音堂本堂(京都市西京区大原野小塩町)
善峯 白山 桜あじさい苑

境内の回遊式庭園では四季折々の花が楽しめ、6月には紫陽花も観ることができる。

善峯寺紫陽花

善峯寺は、天然記念物に指定されている「遊龍の松」で有名。

善峯寺の「遊龍の松」(天然記念物)

二十一番札所

山号・寺号【通称/別称】菩提山・穴太寺【穴穂寺・菩提寺】
本尊聖観音
所在地京都

二十二番札所

山号・寺号【通称/別称】補陀洛山・総持寺
本尊千手観音
所在地大阪

二十三番札所

山号・寺号【通称/別称】応頂山・勝尾寺【弥勒寺】
本尊千手観音
所在地大阪

二十四番札所

山号・寺号【通称/別称】紫雲山・中山寺【中山観音】
本尊十一面観音
所在地兵庫

【番外】

山号・寺号【通称/別称】東光山・花山院・菩提寺【尼寺のお寺】
本尊
所在地兵庫

二十五番札所

山号・寺号【通称/別称】御嶽山・清水寺【播州清水寺】
本尊千手観音
所在地兵庫

二十六番札所

山号・寺号【通称/別称】法華山・一乗寺
本尊聖観音
所在地兵庫

二十七番札所

山号・寺号【通称/別称】書寫山・圓教寺【西の比叡山】
本尊如意輪観音
所在地兵庫

二十八番札所

山号・寺号【通称/別称】成相山・成相寺【成相さん】
本尊聖観音
所在地京都

二十九番札所

山号・寺号【通称/別称】青葉山・松尾寺【まつのおさん】
本尊馬頭観音
所在地京都

三十番札所

山号・寺号【通称/別称】厳金山・宝厳寺【竹生島宝厳寺】
本尊千手観音
所在地滋賀

三十一番札所

山号・寺号【通称/別称】姨綺耶山・長命寺
本尊千手観音
十一面観音
聖観音
所在地滋賀

三十二番札所

山号・寺号【通称/別称】繖山・観音正寺【仏法興隆寺】
本尊千手観音
所在地滋賀

三十三番札所

山号・寺号【通称/別称】谷汲山・華厳寺【たにぐさん】
本尊十一面観音
所在地岐阜

あとがき

今まで何も知らずに参拝していた寺院が「西国三十三所」の札所であることを知った。次回からは意識して参拝したいと思う。


【参考資料】
西国三十三所 巡礼の旅
ウキペディア Wikipedia