はじめに
私もはじめてマイナンバーカードの申請をすることにした。理由は、フリーランスとして仕事をするようになれば納税には確定申告が必要になり、確定申告にはマイナンバーカードが便利だからである。
また、マイナンバーカードが健康保険証としても使用されるようになったことから利便性が発揮されると期待できるからである。
さらにマイナンバーカード交付促進や活用の施策としてマイナポイントが政府(総務省+デジタル庁)から付与される事業が実施されており、期限も設定されていることから申し込みをするのは今だと思ったからである。ある意味、私は政府の思惑に素直に従っている(従順な)国民の一人ではある。
<目次> マイナンバーカード交付申請 マイナンバーカードの申請手続き マイナンバーカード所持のメリット 健康保険証として利用することのメリット 高額療養費制度とは 高額療養費制度で、限度額適用認定証が必要な場合 マイナンバーカード利用で限度額適用認定証が持参不要 マイナポイントの申込み 施策1:マイナンバーカードの新規取得 施策2:マイナンバーカードを健康保険証として利用 施策3:公金受取口座を国(デジタル庁)に登録 マイナポータルからの申込み方法 事前準備 アプリからの申請操作手順 ICカードリーダーの活用 ICカードリーダー ICカードリーダーの用途 マイナポータルでの利用 確定申告での利用 交通系ICカードの利用履歴や残高確認 ネットショッピングでの電子マネー決済やチャージ SONY ICカードリーダー/ライター PaSoRi RC-S300 PaSoRiのセットアップ方法 ドライバーのインストール(Windowsの場合) ドライバーのインストール(MacOSの場合) パソリ本体の自己診断 マイナポータルを使うには エラーコードが出た場合の対応 |
マイナンバーカード交付申請
マイナンバーカードの申請手続き
マイナンバーカードの申請は難しくはなく、マイナンバーカード総合サイトが提供する申請手順に従って行えば簡単にできる。
事前準備として自分の「顔写真」を準備することぐらいである。顔写真は、なんでもOKではないので指示どおりに準備する必要がある。それさえ守れば自撮りでもOKであった。
ちなみに私はパソコンから交付申請を行ったが、指示されたとおりに下記の手順に従えば非常に簡単に行うことができた。
- メールアドレス登録
- 顔写真登録
- 申請情報登録
- 申請完了
マイナンバーカードの受領
交付申請をしてから約1ヶ月後ぐらいに市区町村から交付通知書(ハガキ)が届くので、あとは必要な持ち物を確認し、交付通知書に記載された期限までに交付場所へ取りに行けばよい。
必要書類
- 交付通知書(ハガキ)
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 「通知カード」(交付を受けている者のみ)
- 住民基本台帳カード(所持者のみ)
- マイナンバーカード(所持者のみ)
マイナンバーカード所持のメリット
従来、マイナンバーカードを所持するメリットは、率直に言って下記の事項ぐらいであった。
- 確定申告時の電子申告(e-Tax)が可能になる
- 住民票などをコンビニで出力できる
上記の他にもメリットがあったのかも知れないが、私はその利点を認識できなかったので、今日までマイナンバーカードの申請をしてこなかった経緯がある。
しかしながら、マイナンバーカードが健康保険証として利用できることになったので、下記に示すようなメリットを享受できるようになると期待している。
健康保険証として利用するメリット
- 受付がスムーズになる。顔認証付きカードリーダーでの受付が可能となるので、本人確認と保険証確認が同時にできる。
- 暗証番号を入力することで本人確認が可能
- 薬剤情報や特定検診情報を閲覧することに同意が可能
- 医療費が高額になると予想される際に、限度額適用認定証などを発行してもらうための情報提供における同意が可能
- 手続きしなくても高額療養費の限度額までの支払いが可能
- 高額医療費の窓口支払いが不要になる
- 過去の投薬履歴や特定検診の受診結果などが共有されるため、データに基づいた診察および処方を受けることができる
- データは日本全国の病院で共有されるから、旅行先で体調が悪くなって病院で診てもらう際にも役立つ。特に災害時などには重宝されるはずである。
- マイナポータルで特定健診情報が閲覧可能
- マイナポータルで薬剤情報や医療費が閲覧可能
- マイナポータルから確定申告の医療費控除が自動入力可能
- 保険証の切り替えや更新が不要になる
- 就職や転職をしてもそのまま健康保険証として使える
- 転職後、保険者側の発行手続きが済んだ段階で利用可能
- 一部書類の窓口への持参が不要になる
マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットは上記のように多岐に渡るが、下記のような証明書類の持参が不要となる点を忘れてはならない。
- 健康保険証(健康保険被保険者証、国民健康保険被保険者証、高齢受給者証等)
- 被保険者資格証明書
- 限度額適用認定証(限度額適用)
- 標準負担額減額認定証
- 特定疾病療養受療証
特に、マイナンバーカードを持っていると高額療養費制度を利用するときにその利点を実感できるのではないかと推察する。「推察」としているのは、私自身は高額療養費制度をまだ利用したことがないからである。
しかしながら、シニアになった今、近い将来に利用するようになるかも知れない。できることならそのような状況は避けたいと思うが、誰にも将来のことは分からない。
通常、高額医療費制度を利用する際は、一度窓口で医療費を負担し、後日請求して返還してもらう形となる。加入している健康保険組合によっては、事前に限度額適用認定証を発行してもらうことで、窓口での支払い負担を軽減することも可能である。
マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、今後は事前に認定証を発行してもらわなくても、限度額以上の窓口でも一時的な負担が不要になるはずである。
高額療養費制度とは
高額療養費制度とは医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度である。
上限額は、年齢(69歳以下と70歳以上の年齢別)と年収によって異なる(下表参照)。
例えば、70歳以上で年収370万円〜770万円(3割負担)の人が、100万円の医療費が掛かった場合は、窓口負担は30万円である。しかし、高額療養費制度を利用すれば212,570円が還ってくる。そのため自己負担額は87,430円となる(下表参照)。
多数回該当
また、高額療養費制度では、過去12か月以内に3回以上、上限額に達した場合は、4回目から「多数回」該当となり、上限額が下がるという仕組みがある。医療費負担が下がるので有難い。
このように、高額療養費制度を利用すれば医療費がそこまで高額になることは少ない。
限度額適用認定証が必要な場合とは?
この高額療養費制度は、一旦窓口で支払った医療費が後で払い戻される制度であるが、予め、「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口に提示しておくと、1ヵ月 (1日から月末まで)の窓口での支払いが自己負担限度額までとなる。
限度額適用認定証は、加入している健康保険協会や健康保険組合に申請しないと発行してもらえない。
カード利用で限度額適用認定証が持参不要に
マイナンバーカードを健康保険証として利用する場合にはこの「限度額適用認定証」の持参は必要ない。
つまり、手続き不要で高額療養費の限度額までの支払いとなる。
このことが、マイナンバーカードを健康保険証として利用する場合の最大のメリットの一つと言えるのではないかと私は思う。
マイナポイントの申込み
総務省は国民にマイナンバーカードの取得を推進させるために、下記のようなマイナポイント事業を行っている。
施策1:マイナンバーカードの新規取得
対象者:
- 2022年9月末までに新規取得し、かつ、マイナポイントの申込みをした人
- マイナポイント事業第1弾に申し込んでいない人
申込み期限:
- 2023年2月末
マイナポイントの付与:
- 登録したキャッシュレス決済サービスで20,000円までのチャージまたは買い物をすると、利用金額の25%のマイナポイント(上限5,000円分)が受け取れる
マイナポイントの申込み方法:
マイナポイントの取得・利用まで(soumu.go.jp)
備考:
- 2021年12月末までに申込みをした人で、キャッシュレス決済サービスで20,000円分のチャージや買い物を行っていない場合は、上限(5,000円分)までのポイントが受け取れる。
施策2:マイナンバーカードを健康保険証として利用
対象者:
- マイナンバーカードを健康保険証として利用できるよう申込みを行い、かつ、マイナポイントの申込みをした人
申込み期限:
- 2023年2月末
マイナポイントの付与:
- 7,500円分のポイントを付与
マイナポイントの申込み方法:
マイナポイントの取得・利用まで (soumu.go.jp)
備考:
- まだ利用申込みが済んでいない場合、マイナポイントの申込みの際に一緒に申込める。
施策3:公金受取口座を国(デジタル庁)に登録
対象者:
- 自分自身の預貯金口座を国(デジタル庁)に登録し、かつ、マイナポイントの申込みをした人
申込み期限:
- 2023年2月末
マイナポイントの付与:
- 7,500円分のポイントを付与
マイナポイントの申込み方法:
マイナポイントの取得・利用まで(soumu.go.jp)
備考:
- マイナポイントの申込み完了後に、公金受取口座を登録することもできる。
マイナポータルからの申込み方法
事前準備
- マイナポータルアプリのインストール
- マイナンバーカード
- 4桁の暗証番号
- スマートフォン又はパソコン利用の場合は ICカードリーダー(マイナンバーカード読取用)
アプリからの申請操作手順
- マイナポータルアプリを開くと、「健康保険証利用申込」があるので、タップする。
- 利用規約を確認して、「同意して次へ進む」をタップする。
- 「申し込む」をタップすると、マイナンバーカードのパスワードとマイナンバーカードの読み込み画面に移動する。
- マイナンバーカード受領の際に設定した、4桁の暗証番号を入力する(3回間違えるとロックがかかるのが要注意)
- マイナンバーカードを読み取る。
- 読み取りが終われば、申込完了。
私は、ICカードリーダーでマイナンバーカードを読み取り、パソコンから申し込みを行った。非常に簡単に行うことができた。
もし、スマートフォンからの申し込みが容易でなければ(マイナンバーカードの読み取りが困難な場合は)、私と同じようにパソコンとICカードリーダーを使ってみては如何か?
ICカードリーダーを使うとマイナンバーカードの読み込みが簡単なので、お勧めする。
ICカードリーダーの活用
ICカードリーダー
ICカードリーダーは、ICカードを読み取るために使用するパソコン周辺機器の一つである。ICカードを使用するとマイナンバーカードをはじめ、交通系ICカードや電子マネーカードなどのデータを読み取ることができる。
ICカードリーダーには各社から色々なタイプのものが市販されているので、自分のパソコンのOSに対応したものを選択すればよい。
非接触型ICカードリーダーに拘らない場合、接触型を選択すれば非接触型により安価で購入できる。
ソニー(SONY)は、非接触決済技術の「FeliCa」を開発したメーカーである。FeliCaはnanacoやWAON、楽天Edyなどの電子マネーをはじめ、SuicaやPASMO、ICOCAなどの交通系ICカードにも広く活用されている。
そして、ソニーは、FeliCaの技術を活用した非接触型ICカードリーダーを製造している。
例えば、SONY非接触ICカードリーダー/ライター (モデル:PaSoRi RC-S380)は、対応OSはWindowsのみであるが、人気のロングセラー品(2012年発売)である。
e-Taxによる確定申告やeLTAXによる地方税の納付が可能である他、電子マネーや交通系ICカードの管理にも対応する多機能な製品となっている。
パソコンのUSB Type-Aポートに接続して、対応するICカードをかざすだけで情報の読み取りが可能である。また、読み取りの確実性を高めるカード保持用のスタンドも付属している。
公的個人認証サービスにも対応しており、マイナンバーカードを使った確定申告や地方税の納付が可能である。勿論、各種交通系ICカードの利用履歴や残高確認ができる他、楽天EdyやWAONといった電子マネーの残高確認やチャージや、ネットショッピングにも利用できる。
ちなみに私はSONY非接触ICカードリーダー/ライター (モデルPaSoRi RC-S300;2021年発売)を購入した。購入理由はMacOSでも利用したいからである。対応OSは、MacOS 12/11とWindows 11/10/8.1である。
従来品のRC-S380と比べると、通電時やICカード読み取り時に点滅するLEDランプが追加されており、ホルダーを使ってカード固定やケーブル収納が可能になった。
機能的にはRC-380とほとんど変わらないので、Macを使う必要がなければRC-380を選択しても何ら支障はないと思う。
ICカードにはICチップと呼ばれる集積回路が埋め込まれており、そのICチップ内には所有者の個人データやサービスの利用履歴などの情報が保存されている。ICカードリーダーを使用することで記録された情報を読み取ることができる。
ICカードリーダーの用途
ICカードリーダーで読み取った情報は、下記のような用途で利用できる。
- マイナポータルでのマイナンバーカードの読み取り
- 確定申告でのマイナンバーカードの読み取り
- 交通系ICカードの利用履歴や残高確認
- ネットショッピングでの電子マネー決済やチャージ
マイナポータルでの利用
政府運営サービス「マイナポータル」からのマイナポイントの申込みに利用できるが、マイナンバーカードで認証することで、子育てや介護に関する支援サービスや各種給付金などの申請にも利用できるようだ。
確定申告での利用
国税庁が運営する国税電子申告・納税システム、e-Taxを活用することで、税務署に行かなくても自宅で確定申告ができる。
e-Taxのサービスを利用するには、マイナンバーカードの電子証明書を使った本人確認手続きが必要であるが、これに対応したICカードリーダーがあればマイナンバーカード内の電子証明書が読み取れるので電子申告の手続きが行える。
但し、ICカードリーダーを確定申告で使用する場合は、「公的個人認証商品」に対応する製品を選んでおく必要がある。
その理由は、マイナンバーカードに記録された電子証明書の読み取りに対応したICカードリーダーは全国の市町村で統一して決められているからである。電子証明書の読み取りに対応しないICカードリーダーでは、確定申告には使用できない。
マイナンバーカードに対応する対象製品のリストは、行政が運営する「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できる。
交通系ICカードの利用履歴や残高確認
各種交通系ICカードの利用履歴や残高確認がスマホやパソコンで手軽に行えるようになる。
交通系ICカード内のデータを閲覧できれば、交通費の精算や経費の申請、記帳などが容易に行えるので会社員や私のようなフリーランスにも便利である。つまりプライベート用と仕事用で清算を分ける必要がある人には重宝するとはずである。
ネットショッピングでの電子マネー決済やチャージ
各種電子マネーの残高や利用履歴の確認ができるほか、クレジットカードを使うことでスマホやパソコンから電子マネーへのチャージが行えるらしい。私はこの用途でICカードリーダーを利用したことがないので便利さが実感できていないが・・・
確かに、電子マネーの残高を常に把握できていれば、店頭で支払いの際に、残高不足で慌てる必要がなくなるだろう。
但し、自分が使用している電子マネーカードに対応しているかを確認しておく必要がありそうだ。電子マネーの管理を目的にICカードリーダーを購入する際は、目的のサービスに対応しているかどうかを確認して機種を選択した方が無難であるといえよう。
ICカードリーダーをnanacoやWAONといった電子マネーカードの管理用に使用したい場合は、非接触決済技術「FeliCa」に対応した製品を選ぶよう推奨されている。
SONY ICカードリーダー/ライター PaSoRi RC-S300
非接触ICカードリーダー/ライターは原理的に金属の影響を受けやすく、設置する机などが金属製の場合、ICカードとリーダー/ライターの通信が不安定になることがあるという。付属のホルダーを使うと、パソリ本体の通信をより安定させることができるようだ。
PaSoRiのセットアップ方法
ドライバーのインストール(Windowsの場合)
OSがWindowsのパソコンの場合、インターネットに接続したパソコンとリーダー/ライターを付属のUSBケーブルで接続すると自動でドライバ―がインストールされる。
パソコンの状態やネットワーク設定により、自動インストールが始まらない場合は、基本ソフトウェア一覧より手動でダウンロードして、インストールする。
ドライバ―がインストールされたことを確認したら、付属のセットアップガイドに従って、基本ソフトウェア(NFCポートソフトウェア)をインストールする。
タスクバーに表示されたアイコンをクリックすると、「デバイスのソフトウェアのインストールを完了します」のメッセージが表示されるので、これをクリックすればインストールが開始する。
使用許諾契約画面が表示されたら[使用許諾契約の全条項に同意します]を選択してから[次へ]をクリックすると、NFCポートソフトウェアのインストールが完了する。
ドライバーのインストール(MacOSの場合)
OSがMacOSのパソコンの場合、ドライバ―が自動でインストールされない。MacコンピューターとPaSoRi(パソリ)RC-S300を接続するために「MacOS用USB ドライバー for RC-S300」をソニーのサポートサイトからダウンロードしなければならない。
動作確認やインストール手順は、サポートサイトに記載されているのでそれに従えばよい。
ドライバーのインストールが完了したら再起動する。
再起動後Macコンピューターとパソリ本体を接続して、Appleメニューから[このMacについて]をクリックする。
次に表示された画面の[システムレポート]ボタンをクリックする。
次に表示された画面のスマートカードの項目に[FeliCa Port/ PasoRi 4.0]が表示されていれば、当該リーダー/ライターが認識されたと確認できる。
コンピューターがパソリ本体を認識していない場合は、ソニーウェブサイトを確認して、その指示に従って対応する。
パソリ本体の自己診断
Webアプリで行う方法
URL<self-diag.felica-support.sony.biz>にアクセスし、画面の指示に従って自己診断を行う。
使用するブラウザ:Microsoft Edge又はGoogle Chrome
デスクトップアプリで行う方法(Windows)
- スタート画面を表示させ、アプリ一覧からNFCポート自己診断を選んでクリックする。
- 画面の指示に従って自己診断を行う。
- 画面内のリーダー/ライターとの通信とカードとの通信欄を確認する。
- 「〇」と表示されていれば成功で、動作確認は完了!
- 「×」と表示されたら問題が発生!画面の指示に従って対応しなければならない。
マイナポータルを使うには
- マイナポータルのウェブサイト(myna.go.jp/)から接続用のアプリケーションをインストールする。
- マイナポータルのウェブサイトで、各利用手順を確認し、セットアップを行う。
エラーコードが出た場合の対応
- マイナポータルからマイナポイントを申し込む際にエラーコード「MKCZ2346E」が出た場合には、ICカードリーダーを接続した状態のままでパソコンを再起動させると解消する場合がある。私の経験ではこの方法で問題が解消した。