はじめに
義母の自宅の庭には2本のクロマツと1本のゴヨウマツが植えられている。他界した義父が大事に育ててきたものである。長年手入れをしてくれていた庭師さんも亡くなり、最近ではマツの剪定を依頼できる庭師を探すのも苦労する時代となった。
私の自宅の庭にもマツの中でも比較的手入れが容易なゴヨウマツ(五葉松)が1本だけ植えてある。今まで自分では全く手入れをしてこなかったがリタイアを機に自分でも手入れをしてみようと思うようになった。なんとか趣味の一環として私にもマツの剪定ができるようにならないかと考えたわけである。
私の趣味の一つはガーデニングであり、私にとってガーデニングの醍醐味は庭木の剪定である。庭の雑草取りより何倍も楽しい。しかしながら、庭木の中でマツの剪定は私にとっては非常にハードルが高いものであった。その理由は、マツの剪定は一種のアートのようなもので、技術的な剪定方法が他の庭木とは全く異なるものであるからだ。
細かい枝の選別や剪定の仕方は、経験が求められるためである。庭師さんに庭木の剪定を頼んだ場合でも、マツを担当するのはベテランの庭師さんであって、経験の浅い庭師さんは他の庭木を担当するのが常である。マツの剪定は、他の庭木よりも技術と時間を要するため、シルバー人材センターに依頼するようなことはなく、腕の良い庭師さんに依頼する必要がある。当然ながら、費用も高くなるが、腕の良い庭師さんがリスペクトされる理由がここにある。
ガーデニングを趣味にする者の一人としてゴヨウマツの剪定にチャレンジしてみることは、次のステージに登るような高揚感を感じさせてくれる。勿論、実際に剪定ができるようにならなければ、単なる妄想でしかない。初めての剪定でも楽しめるよう確実なステップを踏んでゴヨウマツの剪定にチャレンジしてみたい。
素人がいきなりマツの剪定するのはハードルが高いので、書籍やネットで基礎を学び、分からないところは知り合いの庭師さんに相談し、自分の庭のマツで少し練習をした上で近い将来には義母の庭のマツにもチャレンジしたいと思う。
前述したようにゴヨウマツの剪定はアートのようなものである。初心者の私たちには最初からうまくできなくても気にせず、時間をかけて、楽しみながら取り組んでいくことが大切である。そして成功したときの達成感は格別であることを胸に秘めておく。初心者の私がゴヨウマツの剪定にチャレンジするプロセスについてときおりUpdateしながら本稿を記したいと思う。
本稿が私のようにはじめてマツの剪定にチャレンジしようとする読者の参考に少しでも役立つのであれば嬉しいかぎりである。
<目次> はじめに ゴヨウマツ(五葉松) 剪定の目的 マツの剪定時期 全体を観察 基本の形を保つ マツの剪定の基本 みどり摘み 透かし剪定 もみあげ マツの剪定が難しい理由 剪定に必要な道具のの準備 【実践】ゴヨウマツの剪定 ゴヨウマツの剪定のポイント ゴヨウマツの本格的な剪定方法 ゴヨウマツの剪定の実施例 マツの剪定の仕上げ確認 あとがき |
ゴヨウマツ(五葉松)
ゴヨウマツ(五葉松)は、日本固有のマツの種類で、特長は名前の通り、葉が5枚で1組になっている点が、クロマツやアカマツとの違いである。クロマツやアカマツの葉は、いずれも基本的に二本一組である。
ゴヨウマツは、銀色がかった緑の葉をしており、古来より庭木や観賞用として人気が高く、神社や寺院の境内にも植栽されている場合が多い。
葉先は尖っているが触れても痛くなく柔らかい感触で、枝も柔らかく柔軟に曲がる。このような柔軟な性質から盆栽としても非常に人気が高いという。
ゴヨウマツ(五葉松)もマツ科マツ属の常緑針葉樹であり、日本固有種である。樹高は30~35 mになるが、成長は遅く、原産地以外に植栽されたものは樹高6~8mにしか成長しないという。樹皮は暗灰色で、老木になると裂片がうろこ状に剥がれ落ちる。

葉は青みを帯びた緑色で、長さ5~6cmの針状で、短枝に5個ずつ束になって生える。これが名の由来となっている。
ゴヨウマツの盆栽は人気が高い。ゴヨウマツは、クロマツやアカマツと比べて樹齢が長く、暑さや寒さにも強く、成長による変化が緩やかな点など盆栽にとって非常に適した特徴を有する。
剪定の目的
庭木を剪定する目的には複数あり、主な目的は下記のようなものである。
- 見た目を美しくして鑑賞を楽しむ
- 樹木の健康を保つ
- 病気や害虫による被害から守る
特に、「透かし剪定」と「もみあげ」と呼ばれる秋の剪定を行う目的は大きく分けて2つある。それは「見た目の美しさ」と「害虫予防」である。
下記の葉や枝を取り除くとマツは非常に美しい樹形を見せる。
- 去年の古い葉
- 今年の葉の一部
- 枯葉
- 枯れ枝
- 不要枝
これらの古い葉や枯れ枝を取り除くことで毛虫などの害虫が身を隠す場所がなくなり、冬を越すことができなくなる。その結果、春になって毛虫などの害虫が出てくるのを予防することになる。
見た目を美しくして鑑賞を楽しむ
剪定の目的の一つは、見た目を整えて美しく見せることである。綺麗に手入れされた松の木の鑑賞は実に楽しい。特に、松は堅牢な幹と複雑に曲がりながらも整理された枝と特徴ある葉は造形的にも美しく、魅力的であり、観る者の心を捉える。
樹木の健康を保つ
剪定の目的には樹木の健康を保つ役割がある。不要な枝を取り除くことで日当たりを良くしたり、栄養を必要な箇所に集中させることができる。また、大きくなりすぎて、周りの樹木や低木の成長を阻害するのを防止できる。
病気や害虫による被害から守る
樹木を放置していると、不要な枝にも栄養分が使用される。剪定することで、必要な枝に栄養が行き渡り、樹木全体の抵抗力も上がるので病気にかかりずらくなる。
また、樹木を放置すると、枯れ葉や枯れ枝に害虫が繁殖する。剪定をして枝を間引くことで、風通しがよくなり害虫が増えるのを防ぐことができる。
マツの剪定時期
マツの剪定は、基本的に年2回、「春剪定」と「秋剪定」を行う。春剪定は「みどり摘み」とも呼ばれ、剪定時期は4~5月末に行う。一方、秋剪定は「透かし剪定」や「もみあげ」とも呼ばれ、剪定時期は11月頃が最適である。
みどり摘みに適した時期は、地域やその年の気候によって多少変動することがあるが、4~5月末に行うのが一般的である。時期が早すぎると、みどり摘みをしたところから新たに芽がでてきてしまったり、逆に遅すぎると手で折れないので鋏を使うことになり時間がかかる。桜が散ったあとの頃が、一つの目安らしい。
透かし剪定はマツの休眠期である11月以降に行うのが良いとされている。しかし、7〜8月の暑い時期でなければ、いつ剪定をおこなっても特に問題はないらしい。
もみあげの時期はマツが休眠期に入る、11〜2月中旬を目安に行うと良いらしい。休眠期にもみあげを行うことでマツへの負担を最小限にすることができるという。
全体を観察
ゴヨウマツ(五葉松)の理想的な姿は、優雅でありながら力強さを感じさせるバランスの取れた形である。ゴヨウマツは、柔らかい中にも品格がある松として愛されており、自然な美しさを大切にして育てるのがポイントである。
理想的なゴヨウマツの特徴は以下のようなものである。
- 自然な樹形の流れ
- ゴヨウマツの特長は、柔らかく丸みを帯びた針葉と穏やかな印象
- 全体的に自然な樹形を維持しつつ、均等な広がりを持たせる
- 幹の品格
- 幹はまっすぐ力強いもの、または適度に湾曲した自然な形が魅力的である
- 風雪に耐えたような風格が理想的である
- 層状の枝
- 枝はゴヨウマツの優雅さを引き立てるために、層をなすように配置される
- 一つ一つの層が重すぎず、適度に空間があるのが良い
- 針葉の美しい分布
- 葉は濃い緑色で、柔らかさを感じる自然な密度で生える
- このバランスがゴヨウマツの美しさを引き立てる
このような自然な姿を保つためには、定期的に古い枝を取り除き(剪定)、風通しを良くする必要がある。但し、自然な樹形を壊さないように注意しなければならない。
また、成長期に肥料を少量ずつ与え、急激な成長を抑えることで樹形を保つことができる。
病害虫の早期発見も重要である。特に葉が黄色くなる場合は注意が必要となる。
基本の形を保つ
自然な樹形を意識しながら、ピラミッド型に整える。樹木全体がやや丸みを帯びた三角形を描くように整えるのが理想的である。自然の風景を感じさせる柔らかさがポイントである。そのためには、下枝を長く、上枝を短くする。つまり、下の枝から上の枝にかけて、少しずつ短くなるように整えれば良い。ピラミッド型を意識すると見た目のバランスが良くなるものである。
ゴヨウマツは独特の成長パターンがあり、自然な樹形を保つためにはこの特性を理解して剪定する必要がある。
ゴヨウマツの剪定の基本
- 剪定の時期
- 冬季(12月~2月)の休眠期に行うのが基本
- 休眠期は樹の活動が穏やかなのでストレスが少なくて済む
- 成長期に軽く剪定する場合は、5月~6月頃が適している
- 古い枝と不要な枝の除去
- 枯れ枝や病害虫がついた枝を取り除く
- 樹の内側で重なり合ったり交差している枝も整えると、風通しが良くなる
- 新芽(松葉)の調整
- 新しい芽を間引いてバランスを整える
- 適度に松葉を残すことで、光合成をしやすくしつつ美しい形を作る
- 全体的な樹形の維持
- 自然な層を意識して剪定し、全体が三角形のシルエットを描くよう整える
- 人工的になりすぎないように注意し、樹木本来の流れを意識する
- 注意点
- 剪定後に樹が傷つきやすい部分は、速やかに癒合材を塗布して保護する
- 過剰な剪定は樹木の体力を奪うため避ける
ゴヨウマツはその優雅な印象が魅力なので、剪定でその自然な品格を引き出すことが大切である。
みどり摘み
春になって新芽が出始めたら、成長をコントロールするために不要な新芽を切り取る。マツの枝先から数本の新芽が出てくるが、この新芽を「みどり」と呼ぶ。このみどりを折って取る作業のことを「みどり摘み」という。
みどり摘みの目的は、マツの樹勢を抑えて均一にすることである。元気な芽を取っていくことでマツの樹勢を抑えることができる。春以降にマツがボサボサにならず、スッキリと見せることができる。
透かし剪定
不要な枝を取り除き樹形を整えることを「透かし剪定」と呼ぶ。
透かし剪定で、まずやることは、飛び出している樹勢の強い枝を切ることである。根元に小さな芽があれば残すように切る。
樹を上から覗き、下が見えないほど枝が密集している箇所を見つけ、枝を間引く。枝を透かし、葉をもみあげることで美しいマツの木に仕上げることができる。
樹から離れた場所から樹木全体のバランスを確認する。
- 飛び出している枝はないか?
- 形はおかしくないか?
- 広がりすぎていないか?
もみあげ
夏に伸びた新しい葉の一部と去年の古い葉を除去することを「もみあげ」と呼ぶ。「透かし剪定」と「もみあげ」は一緒に行う方が効率良く作業できるが、剪定の時期には注意を要する。
もみあげは、新しい小枝が伸びるのを止め、固まった時期に行うとよいと言われている。11〜2月中旬が一般的な適期とされる。
もみあげは、マツの手入れのうちで最も手間のかかる作業とされるが、樹木のふところ部分に日光を入れるために不可欠である。
マツの剪定が難しい理由
マツの剪定が難しいと言われている理由は何であろうか? 一般的に知られている困難な理由には下記のようなものがある。
- 剪定箇所を見誤ると枯れる
- 手間がかかる
- マツヤニで汚れる
- 数年後の姿を想像するのが難しい
剪定箇所を見誤ると枯れる
マツは葉のないところで切ると、その先は枯れてしまう。そのため切る箇所を間違えると大切な枝を枯らしてしまうことになる。マツのこの特性が剪定を難しくしている要因である。
手間がかかる
マツの剪定においては、一般に「刈り込み」と呼ばれる剪定はできない。「刈り込み」とは大きな鋏でバサバサと切っていく剪定方法を指す。マツの場合は、芽や枝を一つ一つ丁寧にハサミを入れる必要があるので、他の庭木に比べて非常に手間がかかる。
マツヤニで汚れる
マツの幹や切り口からは「マツヤニ」と呼ばれる樹脂が出る。このマツヤニは手につくとベトベトし、そのまま作業すると汚れを吸着して真っ黒になる。服につくと洗っても落ちないことが多いので捨てる覚悟が必要である。
数年後の姿を想像するのが難しい
庭木の剪定は数年後の姿をイメージして行うことが大切であるが、数年後の姿をイメージするには多くの経験が必要である。
剪定に必要な道具の準備
ゴヨウマツの剪定に必要な道具は、クロマツの場合と同じである。特段、アカマツ専用の道具が必要になるわけではない。道具については、別稿「クロマツの剪定技術を学んでガーデニングを楽しむ!」を参照してほしい。
ゴヨウマツの剪定のポイント
ゴヨウマツの剪定はポイントさえ押さえることができれば初心者でもチャレンジできる。庭木のゴヨウマツの場合は、飛び出している枝の整理だけでも綺麗になるが、ゴヨウマツの剪定におけるポイントには下記のようなものがある。
- 枯れ葉を手で落とす
- 飛び出た枝を剪定する
- 枯れ枝と垂れた枝を剪定する
枯れ葉を手で落とす
ゴヨウマツの場合は、枯れ葉を落とすことから始める。枝の中を覗くとたくさんの茶色い枯れた葉があるので、まずは手でむしりとって取り除く。枯れ葉を放置していると害虫の発生を引き起こすので、綺麗に取り除く。枯れ葉を取り除くだけでも、見た目が少しスッキリする。
飛び出た枝を剪定する
次に飛び出た枝を剪定する。樹形を確認して仕上げたいラインを決め、そのラインから飛び出している枝だけを剪定する。飛び出している枝だけを剪定することで、樹形を整えることができる。
枯れ枝と垂れた枝を剪定する
最後に枯れ枝と垂れた枝を剪定を剪定する。枯れ枝は枝先に芽のない枝であり、手でも折れる。太い枝は、剪定鋏を使って枝元から切る。少し離れた場所から木を見てみて、垂れている枝があれば剪定すれば、作業完了となる。
ゴヨウマツの本格的な剪定方法
ゴヨウマツの本格的な剪定方法と言っても実は、クロマツやアカマツと同様に年2回の剪定を実施するだけである。しかし、ゴヨウマツ独自の注意点もあるので必ず目を通して頂きたい。
ゴヨウマツの剪定時期は春と秋の2回
庭木のゴヨウマツの剪定時期は、春(5月~6月上旬)と秋(11月〜12月上旬)の年2回である。
春の剪定は、いわゆる「みどり摘み」である。みどり摘みの目的は、樹勢を抑えることである。ゴヨウマツの成長は、比較的遅いが、放っておくと枝がどんどんと伸び樹形を崩してしまう。みどり摘みを行うことで、早い段階で樹勢を抑えて成長をコントロールできる。
一方、秋の剪定は、いわゆる「もみあげ」と「透かし剪定」である。11月〜12月上旬にかけてゴヨウマツが休眠期に入るため、この時期に剪定すると木への負担を軽減できる。
みどり摘みの方法
枝先にたくさんの芽がある場合は、芽の数が2〜3芽になるように不要な芽を根元から摘む。特に長く強い芽は樹形を崩すので優先的に摘む。残った芽を半分ほどのところで手で折っていく。
芽が小さい場合はそのまま残しておいて、伸びたタイミングで折る方法もある。
ゴヨウマツはクロマツに比べて葉の伸びが短いので、あまり強くみどり摘みをする必要はないという。
みどり摘みの注意点
5月頃にみどり摘みをする際はみどりが硬くなっていて、手では折れないので無理をせず鋏を使うようにする。
ゴヨウマツは、二番芽(みどり摘み後に出る新しい芽)が出にくい特徴があるので、みどり摘みの際は、本当にいらない芽なのかをしっかりと判断する必要がある。
透かし剪定の方法
まず、仕上がりラインを決める。横から眺めてお椀を逆さにしたような形をイメージして仕上げたいラインを決める。
仕上げたいラインから伸びすぎている枝を見つけて剪定する。その方法は、仕上げたいラインから飛び出している枝をたどり、枝の途中に小さな芽があればそこから切断する。芽がなければ枝が分かれているところから切断する。
次に上からと見て枝が混んでいる箇所を剪定する。上から覗いてみて芽や枝の混み合っている箇所があれば、小さな芽を残して剪定する。
離れた場所から樹形を確認して、伸びすぎている枝がなければ完了である。ゴヨウマツは透かし剪定だけで綺麗な樹形を保つことができるので、伸びすぎている枝を見つけて剪定するだけでも樹形が整う。
小枝を密生させるので、貧弱な枝やふところ枝を抜き、全体の枝葉のバランスがとれるようにすれば良い。
もみあげの方法
ゴヨウマツのもみあげは軽く古葉をむしる程度にしておくことが重要である。クロマツやアカマツのように、綺麗に古葉むしってしまうと木が弱る場合がある。
したがって、ゴヨウマツのもみあげは葉の混んでいる箇所を軽くむしる程度にしておく。実際にゴヨウマツのもみあげを行う人はあまり多くはない。プロの庭師も要望がある場合以外は、透かし剪定で仕上げる場合がほとんどであるという。
その理由は、葉が細かくて難易度が高く、時間がかかる上にやりすぎると木が弱るからである。
ゴヨウマツの剪定の実施例
下記の写真は妻の実家の庭のゴヨウマツの剪定である。剪定の実施時期は4月下旬であった。プロの庭師の作業であり、参考にしたいものである。
【剪定前】

【剪定後】


マツの剪定の仕上げ確認
マツの剪定を終えたら、最後に樹形全体を確認しておく。チェックポイントは、次のようなものであり、これらを確認して剪定終了となる。
- 棚はお椀をひっくり返した形になっているか?
- 剪定したマツの葉が枝や幹に引っかかっていないか?
- 垂れた枝葉はないか?
- 枯れた枝は残っていないか?

もし、棚に飛び出している箇所があれば切っておく。
剪定したマツの葉を放置すると、茶色くなり見栄えが良くないので、枝や幹を軽く揺するか、軽く叩いて葉を落としておく。
垂れた枝葉は樹形を崩してしまう。垂れた枝は鋏で切り、垂れた葉は手でむしっておく。
害虫被害や美しい樹形のためにも、枯れた枝は必ず取っておく。硬い枝の場合は剪定鋏かノコギリを用いて切断する。
あとがき
マツの剪定に興味を持つと神社仏閣の境内にあるマツや日本庭園のマツの手入れ具合にも自然と関心がいく。庭師さんたちに感謝したいと思う。庭師さんたちの尽力によって私たちは優美なマツの姿を目にすることができ、散策を楽しめるのだから。
難しいとされるマツの剪定も基本を押さえて剪定すれば私のような初心者でもチャレンジすることができるかも知れない。マツは放置するよりは、やはり手入れすることで確実に綺麗になる。時間はかかるがその分達成感を味わうことができる。
ゴヨウマツの剪定は確かに難易度が高い。特に成長パターンや形状を維持するための技術が必要であるからだ。だからゴヨウマツの剪定は初心者にとっては確かにハードルが高く感じられるのは当然である。
しかしながら、基本的な知識を身につけて、少しずつ経験を積むことで初心者でも上手に剪定できるようになるかも知れない。実際に、私自身は基本を押さえて慎重に取り組むことで、少しずつ上達することができることを実感した。
剪定のための細かいポイントを押さえれば、挑戦してみる価値はガーデニングを趣味する者にとっては十分にある。庭木としてのゴヨウマツは、庭の主木になることが多いので、どんな庭にしたいかイメージを膨らませることができる醍醐味がある。
ゴヨウマツの剪定は、最初は少しずつ剪定して、木の反応を見ながら進めると良い。たとえ失敗しても次の成長期には修正できるので、思い切って挑戦してみたいと思う。庭が美しくなることを夢みて私の挑戦は続く!
【参考資料】
庭師の技術がわかる庭木の手入れ(中山草司著、1993年刊、大泉書店) |
庭木の手入れ12か月(船越亮二監修、1993年刊、主婦と生活社) |
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