はじめに
トラベルフォトライターが個人ブログサイトを開設する際、成功させるためには計画的な準備と継続的な努力が必要である。本稿では、実行すべきステップを具体的にまとめてみた。
<目次> はじめに ブログの目的とターゲットを明確化 ブログのプラットフォーム選び 魅力的なブログデザインを作成 個人ブログサイトの開設 高品質なコンテンツの準備 ブログ記事執筆のプロセス プロモーション戦略の立案 継続的な運営と改善 収益化の準備 あとがき |
ブログの目的とターゲットを明確化
目的を定める
情報提供(旅の魅力を伝える)、収益化(広告、アフィリエイト)、自己表現など、ブログを運営する目的を明確にする。
ターゲット読者を設定する
初心者旅行者、写真愛好家、特定の地域に興味を持つ人々など、ターゲット層を具体化する。
ブログのプラットフォーム選び
WordPress(推奨)
カスタマイズ性が高く、SEO対策が容易なため、多くのブロガーに選ばれている。
無料ブログサービス
初期費用を抑えたい場合は、はてなブログやBloggerなども選択肢になる。
自分でドメインとホスティングを取得する
独自ドメインを取得し、信頼性を高める
(例: “myname.com”)。
信頼性の高いホスティングサービスを利用する
(例: XserverやBluehost)。
魅力的なブログデザインを作成
テーマを選ぶ
旅行や写真をテーマにしたデザイン性の高いテンプレートを選択する。
ブランドアイデンティティの確立
ロゴ、配色、フォントを統一し、ブログの個性を表現する。
モバイルフレンドリーにする
スマートフォンやタブレットで見やすいレイアウトを優先する。
個人ブログサイトの開設
将来的に、直接、コンタクトがとれる窓口として機能するような個人ブログサイトを開設する。個人ブログサイトを開設する理由は、文章力のトレーニングには実践が欠かせないので、実践道場としてブログ作成に活用したいからである。
なんでも自由に好きなことを書ける個人ブログは、文章力のトレーニングに最適である。また、Google Analyticsを活用すれば、アクセス数や検索ワードなど、ユーザーの反応や動向も確認できる。
ブログが果たす「窓口」の役割も侮れない。個人ブログを運営していれば、旅行サイトなどなんらかの形で記事を読んで興味を持ってくれた人から直接コンタクトをとってくれる場合がある。このように窓口として機能してくれるのが個人ブログサイトであると思う。
高品質なコンテンツの準備
旅の専門家(=ナビゲーター)として、観光スポットや宿泊施設のガイド記事を書く。ナビゲーターとして専門性の高いテーマや読者への旅行提案を意識した文章構成、原稿作成や写真撮影が求められる。勿論、記事はオリジナルである事が重要である。読者が客観的に記事をみて「ここに行きたい」と思わせる内容と信頼性が必要となる。そのためには自分自身の旅行経験を基にした観光スポットのガイド記事の作成が中心となるはずだ。
記事を計画的に用意する
魅力的な写真やストーリーを伴った旅行記、観光地のガイド、旅行のヒントや豆知識など、読者が興味を持つ内容を計画する。
旅行が好きな読者の方に「面白い!」、「参考になる!」と思ってもらえるような自分の実体験を元にした記事を中心にサイトを構築する。
コンテンツのバリエーションを増やす
長文の記事だけでなく、フォトエッセイやリスト形式の投稿を取り入れることで、読者の興味を引きつける。
ブログ記事は、1記事あたり1,500文字前後の原稿とし、3~15枚の自分自身が撮影した写真(オリジナル)のみを使用する。
SEOを意識する
ターゲットキーワードを適切に使用し、検索エンジンからのトラフィックを狙う。
個人ブログで文章作成のトレーニングを積み、PV数や、読者がブログにたどりついた検索ワードなども細かく把握することでSEO対策についても実践で学ぶことができる。
ブログ記事執筆のプロセス
ブログ記事の一般的な執筆の流れは下記のとおりである。
- 企画
- 取材・調査
- 構成案作成
- 執筆、画像挿入
- 校正
- 記事公開
企画
まずは記事に何を書くのかを決める。どのような媒体でも、その文章を読んでもらうことで達成したい目標があるはずである。その目標を達成するためのテーマやターゲットを設定する。
例えば、WEBメディアであれば、認知度を上げ、予約サイトに誘導するなどがある。そして、雑誌であれば、実際に行ってみたいと思わせるような魅力が伝わることなどが考えられる。
取材・調査
テーマやターゲットが決まったら取材や調査をし、どのようなコンテンツにするかネタ集めをする。テーマやターゲットに響く内容に沿った取材・調査が原則であるが、現地に足を運ぶことで見つかる新しい視点や調べてみて初めてわかることもある。多方向にアンテナを張って進める。
WEBメディアの場合、どのようなキーワードがよく検索されているかを、Googleキーワードプランナー等のツールを使って調べる。Googleでよく検索されるキーワードや一緒に検索される共起語がわかれば、そうしたキーワードを文章に盛り込むことでよりSEO対策を強化することができる。
構成案作成
取材・調査で得たネタを元にタイトルや見出しを決め、どのような情報を載せていくのかの骨組みを立てていく。WEBメディアの場合は、キーワードを盛り込んだタイトルや見出しにしていくこと重要となる。
構成案作成時に意識しておきたいのは、この記事によってターゲットが知りたい情報や解決したい問題が解決できるか、という視点である。自分の書きたいことを書くのではなく、あくまでも読者が知りたいことに注目し、読者のニーズに刺さる記事にすることを念頭におくことが大切であるとされる。私の場合は、この点が劣っていると思うので、反省が必要である。
執筆、画像挿入
作成した構成案に基づき、執筆していく。
トラベルフォトライターに求められるのは、分かりやすくてストレスのない文章である。一度書き上げた文章は何度も推敲を重ねる。施設名や営業時間の店舗情報などに誤表記が無いかも必ず確認する。また、その情報はいつ時点のものなのかを明記することも必要である。
文章のみだと読みにくさを感じる場合もあるため、現地の様子が想像できるような画像も、文章内に適切に配置し、より現地の雰囲気や空気感が伝わるように工夫する。
校正
文字ゆれや、表記の統一、誤表記など無いか、最終チェックをする。特に、旅行先の施設情報(営業時間・住所・価格など)は、間違いがないか慎重に確認する。
記事公開
構成後、URLを付与して記事を公開する。公開した記事は、SNSを使って拡散することも可能である。
プロモーション戦略の立案
個人ブログサイトを立ち上げれば、文書作成のトレーニングや記事を企画・立案するトレーニングになる。一日でも早く、個人ブログサイトを経由して新たな仕事の依頼がもらえるようにしたいものだ。
SNSの活用
Instagramなど写真を重視したSNSでの発信に力を入れる。
ブログのアクセスを伸ばすには、SNSが効果的であるとされる。その理由は、ブログのアクセスはGoogleなどの検索からだけでなく、SNSからも呼び込むことができるからである。
ただし、ブログ記事の執筆とSNS運用の同時並行は作業量的にかなりキツイと言わざるを得ない。したがって、ブログ記事を50~100記事以上書いて、ブログ運営に慣れてからSNS運用を始めるのが良いのではないだろうか。そうすれば、作業負荷も軽減できると思うからである。
他のブログやメディアとの連携
ゲスト投稿やコラボレーションにより、ブログの認知度を高める。
メールマーケティング
ニュースレターを通じてリピーターとの関係を深める。
継続的な運営と改善
定期的な記事投稿
週に1~2回のペースで新しい記事を投稿し、ブログを活発に保つ。
Google Analyticsでの分析
トラフィックや読者の行動を追跡し、改善のヒントを得る。
読者フィードバックの活用
コメントやアンケートを基に、読者が求める内容を反映させる。
収益化の準備
アフィリエイトプログラムに参加
旅行関連の商品やサービス(ホテル予約サイト、カメラアクセサリーなど)を紹介し、収益を得る。
広告の掲載
Google AdSenseやスポンサー広告を利用して収益化を図る。
これらのステップを着実に実行することで、個人ブログを魅力的で収益性のあるものにすることができるはずである。
あとがき
私が考える「起業を軌道に乗せた状態」とは、自分自身の得意なことを活かして仕事ができ、自分が提供するサービスによって顧客に満足してもらい、その仕事を継続していける仕組みを構築できた状態である。
経営的側面では、仕事に必要な経費を除いて毎月10万円程度の利益が手元に残せるような状態である。
「起業を軌道に乗せた状態」に至るまではまだまだ遠い道程が続きそうだ。でも仕事自体は楽しくやれているので健康状態にもよるがもうしばらくは続けていけそうだ。