はじめに
フリーランスの活動拠点となるWebサイトとは、自分の仕事やスキルをインターネット上で紹介し、クライアントや仕事の依頼を得られるようにするWebサイトのことを指す。そのようなWebサイトを一般的にはポートフォリオサイトと呼ぶ。
つまり、ポートフォリオサイトとは、自分のスキルや仕事の成果をオンラインで紹介するためのWebサイトである。ポートフォリオサイトは、フリーランスのアイデンティティやブランドイメージを表現し、自分の実力や作品を見せることで、信頼や評価を得られる有効なツールとなる。また、オンラインでの集客や受注につながる可能性も高まる。
このようにフリーランスの活動拠点となるポートフォリオサイトは、フリーランスとしての成功に欠かせない要素の一つである。
したがって、フリーランスが何かのビジネスを始めようとするならば、情報化社会の現代においてはポートフォリオサイトの構築を検討した方がよいということになる。
トラベルフォトライターも自分のポートフォリオサイトで、自分の写真や記事をプロフェッショナルに展示し、クライアントや読者に直接アプローチすれば、強力なツールとして機能するはずである。すなわち、ポートフォリオサイトは、フリーランスのトラベルフォトライターにとっての活動拠点になり得る。
本稿では、ポートフォリオサイトの一般論から話を始めて、最終的にはトラベルフォトライターのためのポートフォリオサイトの構築のための具体的な方法論を記述したいと思う。
<目次> はじめに ポートフォリオサイトを作るメリット ポートフォリオサイトの作成時の要点 ポートフォリオサイトの作り方(手順) トラベルフォトライターのためのポートフォリオサイトの構築 魅力的で使いやすいデザイン 自分を明確に伝える「自己紹介」 SEO対策で発見されやすくする SNSと連携させる ブログセクションを活用する コンタクトフォームで仕事の依頼を円滑にする 定期的に更新する 分析と改善 あとがき |
ポートフォリオサイトを作るメリット
ポートフォリオサイトとは、自分の作品やスキルを紹介するためのWebサイトのことである。このWebサイトを構築することには多くの価値がある。
ポートフォリオサイトを持つと下記のようなメリットがある。
- 自分のアイデンティティやブランドイメージを表現できる
- 自分のブランディングやキャリアの発展に役立つ
- 潜在的なクライアントや雇用者に自分を知ってもらえる
- クライアントや雇用主に自分の実力をアピールできる
- 作品の幅や質を見せることで信頼や評価を得られる
- 自分の作品を整理し、改善する機会となる
- 作品の管理や更新がしやすい
- オンラインでの集客や受注につながる
- 無料で作成できるツールやサービスが多い
ポートフォリオサイトの作成時の要点
ポートフォリオサイトを作成するときのポイントには、次のような注意点も考慮する必要がある。
- 制作に使用したツールや作成者の名前を記載する
- 作品の写真やイメージを掲載する
- 作品のコンセプトやターゲットなどの内容を説明する
- シンプルでスタイリッシュなデザインにする
- 自分と連絡がとれる方法や連絡先を記載する
ポートフォリオサイトは、自分の作品を魅力的に見せることができるWebサイトであるので、フリーランスの活動の場としても重要な役割を果たしてくれると思う。
ポートフォリオサイトの作り方(手順)
ポートフォリオサイトを作るためには次のような手順がある。
- ポートフォリオの目的を明確にする
- 素材を集める
- 参考にしたいデザインのサイトを探す
- サイトの構成を考える
- ワイヤーフレームを作成する
- コーディングを行う
- ドメインやサーバーを取得し公開する
ポートフォリオの目的を明確にする
自分が何を伝えたいのか、誰に見てもらいたいのか、見てもらった後にどんなアクションを取ってもらいたいのかを考える。
素材を集める
自分の作品やプロフィール、連絡先などを用意する。作品は自分の魅力や能力がわかるものを選ぶ。
参考にしたいデザインのサイトを探す
自分の好みや目的に合ったデザインのサイトを見て、イメージを膨らませる。
サイトの構成を考える
トップページ、プロフィールページ、ポートフォリオページ、サービス概要ページ、お問い合わせページなど、必要なページを決める。
ワイヤーフレームを作成する
各ページのレイアウトやコンテンツの配置を決める。ワイヤーフレームとは、サイトの骨組みを示す簡素な図のことである。
コーディングを行う
HTMLやCSSなどの言語を使って、サイトの見た目や動きを実装する。コーディングが苦手な場合は、ホームページ作成サービスを利用することもできる。
ドメインやサーバーを取得し、公開する
ドメインやサーバーを取得し、アップロードする。ドメインとは、サイトの住所のようなものである。一方、サーバーとはサイトのデータを保存する場所のことである。
ドメインやサーバーを取得したら、サイトのデータをアップロードして、公開する。
以上が、ポートフォリオサイトの作り方の概要である。ポートフォリオサイトは、自分の才能やスキルをアピールするための大切なツールである。
ポートフォリオサイトを作ることで、フリーランスとしての活動拠点を確立し、自分の魅力を発信できるようになる。是非、自分らしいポートフォリオサイトを作りたいものである。
トラベルフォトライターのためのポートフォリオサイトの構築
下記のようなポイントを実践することで、プロフェッショナルなポートフォリオサイトを構築できるはずである。
魅力的で使いやすいデザイン
- 写真を引き立てるレイアウト:
- トラベルフォトライターにとっては写真が主役である
- 大きなビジュアルやギャラリー形式のレイアウトを採用
- ナビゲーションの簡潔さ:
- サイト訪問者が迷わず目的の情報にアクセスできるよう、メニューやカテゴリー分けを工夫したい。
自分を明確に伝える「自己紹介」
- プロフィールページの充実:
- 自分のキャリアや作品の特色、得意分野(例: 温泉地の取材や海外の風景写真など)を詳しく記載
- 信頼性のアピール:
- 過去の仕事実績や掲載歴、クライアントからの推薦コメントを掲載すると、信頼度が向上する
SEO対策で発見されやすくする
- 写真や記事のタイトル、説明文にキーワードを盛り込み、検索エンジンに最適化する
- 例えば「日本の秘境温泉」や「日本の隠れた観光スポット」といった具体的なフレーズが有効である。
SNSと連携させる
- シェアボタンの設置:
- 記事や写真を簡単にSNSで共有できるようにする
- 定期的な投稿:
- SNSを活用して、新作写真や記事を発信し、サイトへのトラフィックを増やす
ブログセクションを活用する
- 訪問した場所のストーリーや体験談を記録
- 写真だけでなく、文字情報も交えて読者を引き込むコンテンツを作成する
- 読者に役立つ情報(例: 旅行のヒント、持ち物リスト、アクセス方法など)を提供すると、ファン層が拡大する
コンタクトフォームで仕事の依頼を円滑にする
- クライアントが簡単に連絡を取れるよう、使いやすいお問い合わせフォームを用意する
- 具体的な依頼内容を記載できる項目(例: 写真撮影、記事執筆、予算感など)を設けると、やり取りがスムーズである
コンテンツのボトムパートでは、記事を読み終えたユーザーにどのような行動を取ってほしいのかを提案したい。この提案がうまく機能すれば、コンテンツの最終的な目標であるコンバージョンにつなげることができる。コンバージョンは、コンテンツの内容やユーザーの検索ニーズによって異なるが、次のようないくつかの例がある。
- 資料請求
- お問い合わせ
- メルマガ登録
- SNSでの拡散
- セミナー参加予約
- アポイント
- 購入
これらのコンバージョンにつなげるために、記事の最後にコンバージョンポイントとなるCTA(Call To Action)を設置すると効果的である。CTAとは「行動喚起」とも言い、ユーザーに行動を呼びかける工夫のことを指す用語である。
CTAには主に次のような3つの方法がある。
- ボタン
- ボタンのような画像をクリックすると、フォームの入力画面などに遷移する
- バナー
- 旗のような画像で、クリックすると他ページやフォームなどに遷移する
- テキストリンク
- 「お問い合わせはこちら」などのテキストに遷移先のURLをリンクする
ユーザーがアクションを起こしやすいCTAを配置することでコンバージョン率もアップする。
定期的に更新する
- 新しい作品や取材記事を継続的に追加し、活気のあるサイトを維持する
- 定期的に更新することでSEO効果も高まる
分析と改善
- アクセス解析ツール(例: Google Analytics)を活用して、どの記事や写真が人気なのか把握する
- 訪問者の興味に応じてコンテンツを調整すると、より魅力的なサイトになる
あとがき
私がトラベルフォトライターのポートフォリオサイトを作る際に是非参考にさせて貰いたいのが田島 知華(たじはる) さんのサイト(TAJIHARU OFFICIAL WEBSITE)である。トラベルフォトライターの第一人者としての活動がよく分かる構成になっている。将来、是非、このようなポートフォリオサイトを自分自身のために準備したいものである。そのためには、まずは身の丈にあったブログサイトの開設から始めて、必要なスキルの習得に精進したいと思う。