はじめに
アイデアが湧かない、集中できない、なんだか気分が乗らない——そんなとき、ふと周りを見渡してみたことがあるだろうか?
実は、「どこで創るか」は、「何を創るか」と同じくらい大切であるという。
本稿では、理想のアトリエ(仕事場)がクリエイティビティに与える影響について、空間の力とその影響力の大きさ(魔法?)を探ってみたいと思う。
空間が創造力を左右する理由
私たちの脳は、視覚・音・香り・温度・光など、あらゆる環境要素に敏感に反応する。特に創造的な作業をするときは、感覚が研ぎ澄まされているからこそ、空間の質がインスピレーションに直結すると言われている。
たとえば…
- 自然光が差し込む窓辺は、心を開放し、アイデアの流れをスムーズに
- お気に入りのアートや植物は、視覚的な刺激となって創造性を刺激
- 静かな音楽や心地よい香りは、集中力とリラックスを同時に高めてくれる
つまり、アトリエはただの「作業場」ではなく、創造の泉を湧き出させる舞台のようなものである。
理想の仕事場に共通する魔法
理想のアトリエ(仕事場)には、以下のような3つの共通する”魔法”がある:
1. 余白のある空間
ごちゃごちゃした空間は、思考もごちゃごちゃになる! 必要なものだけを置き、余白を大切にすることで、発想の余地が生まれる。
2. 自分らしさがにじむディテール
好きな色、好きな素材、好きな香り。 「ここにいると落ち着く」と感じられる空間は、心の安全基地。そこから自由な発想が羽ばたいていく。
3. 変化を受け入れる柔軟性
創作のスタイルは日々変わるもの。 可動式の家具や、模様替えしやすいレイアウトは、変化に対応できる柔軟な空間づくりにぴったり!
クリエイター達の仕事場事情
ピカソは自然光がたっぷり入るアトリエを好み、 村上隆はカラフルで遊び心あふれる空間で創作しているそうである。 どちらにも共通するのは、「自分の感性にフィットした空間」を大切にしていることある。
私は画家ではないが、絵を描いてみたい。私は作家でないが小説を執筆してみたい。画家や作家が創作意欲を掻き立てられるようなアトリエを建てたなら彼らのエネルギーを傍で感じられるのではないだろうか? 残り少ない人生の後半でもインスパイアされたい。
画家、竹久夢二が常宿にしていたは、群馬・伊香保温泉にある 「塚越屋七兵衛」(江戸末期創業の老舗旅館)だという。 赤城山などの山々を見晴らす和室は落ち着いた佇まいであるという。日本を代表するこの画家は、晩年、榛名湖畔にアトリエを建設している。
作家のような執筆活動をする人が常宿としているようなところには創作活動を刺激するような何かがあるのではないかと勝手に想像している。集中して執筆活動ができる、お手軽なお宿が近くにあれば便利だと思う。
文豪、志賀直哉が一時期執筆活動に使っていた宿として知られているのが、兵庫県北部の城崎温泉にあるお宿、「三木屋」である。今でも、当時のお部屋がそのまま遺されていて、泊まることができるらしい。アイデアをひねり出すのに良いかもしれない。
川端康成の定宿だったらしいのが、伊豆市湯ケ島温泉にある「湯本館」である。文豪の定宿ならば間違いないかも知れない。 静かな所で落ち着いて執筆活動ができるのだと思う。 そして気づいたのが、創作活動には温泉宿が適しているということだろうか? 確かに、自分のペースで周りを気にすることなく、仕事をし、執筆に煮詰まったら温泉に浸かる。そんな贅沢な気分転換が温泉宿にはある。
奈良県・信貴山の豊かな自然に囲まれてた中にあるのが「信貴山観光ホテル」である。落ち着いた雰囲気を感じることができる館内や客室で、執筆活動にはふさわしい場所のようだ。露天風呂で、日頃の疲れをリフレッシュすることができるという。素晴らしい!
私たちのアトリエ(仕事場)は、私たちの創造力を引き出してくれる場所になっているだろうか?
あとがき
空間は、もうひとりの共作者
理想のアトリエ(仕事場)は、ただの背景ではない。 それは、私たちの創造性をそっと後押ししてくれる、もうひとりの共作者であると言えるかも知れない。
もし、アイデアが詰まったときは、ぜひ空間に目を向けてみてください。 もしかしたら、そこに魔法のヒントが隠れているかもしれない!