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シニア世代の生活 理解系脳を鍛える

増え続ける社会保険料…シニアの暮らしに忍び寄る負担の影

はじめに

外資系製薬企業に勤めていた私は、60歳で勤め先を一旦定年退職し、再雇用で65歳まで働いた。そして年金生活者となったわけであるが、年金収入だけでは生活できないことがすぐに分かった。

年金収入だからと言って非課税になるわけではなく、しっかりと所得税と住民税が差し引かれる。所得税と住民税だけではなく、家屋の固定資産税、さらには健康保険料と介護保険料を支払わなければならない。健康保険料と介護保険料を合わせると年金収入の約2割に相当するのでかなりの負担となる。

シニア世代にとって、社会保険料の負担額増加は大きな課題である。社会保険料の負担が増える理由として、高齢化による医療・介護サービスの需要増加が挙げられている。

特に2025年には団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)となり、約800万人(国民の約15人に1人)が後期高齢者になると推計されている。それに伴い、高齢者医療や介護費用が急増することが予想されている。その結果、現役世代の保険料負担も増加し、家計に大きな影響を与える可能性があるが、年金生活者にもそのしわ寄せが来ている。

政府は、保険料率の引き上げや自己負担割合の見直しなどを検討し、社会保障制度の財源確保に向けた施策を進めているが、これらの施策が家計に与える負担を軽減する対策でないことは明らかだ。

シニア世代にとって、固定費の見直しや資産形成、副業の活用など考え得る有効な手段で自己防衛をしなければ、他力本願では生活していけない時代である。自分の生活スタイルに合わせた対策を講じることで、社会保険料負担に耐えられるような経済的基盤を構築しなければならない。

本稿では、社会保険料がシニア世代に与える影響と、その背景、そして私たちにできる備えについて考えてみたい。

目次
はじめに
社会保険料とは?
負担が増えているのはなぜ?
シニア世代の家計への影響
私たちにできる備えとは?
あとがき

社会保険料とは?

社会保険料とは、健康保険や介護保険、年金保険など、私たちの生活を支える制度を維持するために支払うお金のことである。

現役世代だけでなく、年金受給者であるシニア世代も負担の対象となっている。


負担が増えているのはなぜ?

  1. 高齢化の進行
    • 高齢者人口が増えることで、医療や介護の需要が拡大
    • 制度を維持するために保険料も上昇傾向に
  2. 医療・介護費の増加
    • 高度な医療や長寿化により、1人あたりの医療費・介護費が増加
  3. 現役世代の減少
    • 支える側(現役世代)が減り、支えられる側(高齢者)が増えることで、1人あたりの負担が重くなる

シニア世代の家計への影響

  • 年金からの天引き増加
    • 健康保険料や介護保険料は、年金から自動的に差し引かれるため、手取り額が減少
  • 医療費の自己負担増
    • 高齢者医療制度の見直しにより、自己負担割合が増えるケースも。
  • 生活費の圧迫
    • 物価上昇と相まって、生活費のやりくりが難しくなる家庭も増加中

シニア世代の多くは年金を主な収入源としているが、介護保険料や健康保険料が年金から天引きされるため、手取り額が減少する。これにより、自由に使えるお金が減り、生活費のやりくりが厳しくなっている。

社会保険料の負担額増加はシニア世代の生活費にも影響を与えている。高齢化が進む中で、医療や介護サービスの需要が増加し、それに伴い社会保険料も上昇している。

特に75歳以上の後期高齢者医療制度では、自己負担割合が引き上げられるケースもあり、家計において医療費の負担が増える可能性が高い。


私たちにできる備えとは?

  1. 家計の見直し
    • 固定費の削減や、無駄な支出の見直しを定期的に行うことが大切
  2. 制度の理解と活用
    • 高額療養費制度や介護保険サービスなど、公的支援制度を正しく知って活用しよう
  3. 地域とのつながりを持つ
    • 地域包括支援センターやシニア向けの相談窓口を活用して、孤立を防ぎ、情報を得ることも重要
  4. ライフプランの再設計
    • 退職後の収支を見直し、長期的な視点で資金計画を立てることが安心につながる

社会保険料増加の影響を軽減するためには、固定費の見直しや、地域の支援制度の活用、または副収入の確保などが有効な対策となる。シニア世代にとって、計画的な家計管理がますます重要になるだろう。


あとがき

見えにくい負担に目を向けよう

社会保険料の増加は、ニュースでは語られにくいが、シニア世代の暮らしに確実に影を落としているのは現実である。

しかし、正しい知識と備えがあれば、その影を少しでも小さくすることはできるはずである。

これからの暮らしを守るために、今こそ見えにくい負担にも目を向け、適切な対応策を考えていきたい。

さらに、社会保険料の増加に加えて、物価の上昇が続くと、生活必需品やサービスのコストも上がり、家計全体にさらなる負担がかかる。

私は会社員生活をリタイアした後、年金の不足分を補うべきフリーランスのコンサルタントとして働き、税金徴収や社会保険料負担、物価上昇に耐えている。