<目次> 皆生温泉【鳥取県】 玉造温泉【島根県】 松江しんじ湖温泉【島根県】 温泉津温泉【島根県】 立久恵峡温泉【島根県】 鳥取県・島根県に行ったら入湯したい温泉郷一覧 |
皆生温泉【鳥取県】
皆生温泉【かいけおんせん】は、鳥取県米子市の郊外にある温泉地であり、「米子の奥座敷」と呼ばれることがある。美保湾を臨む白砂青松の美しい海岸線と中国山地最高峰の大山を眺めることができる、山陰を代表する海辺の温泉地である。
皆生温泉は、明治期に地元の漁師が海中に湧いている湯を発見し「泡の湯」と名付けたのが始まりとされる。大正期になって開発が進められ、昭和期に現在のような大温泉地に発展したという。
皆生温泉の温泉街は、弓ヶ浜の皆生海岸に面する東西約1 km、南北400mの狭い範囲に旅館やホテルが集積する。その収容規模は約5,000人で、山陰最大級であると言われる。
泉質は、塩化物泉(ナトリウム・カルシウム塩化物泉)であり、湧出量は毎分約4.5トンと豊富な湯量を誇る。源泉数は19カ所もあるという。
源泉温度は63〜83℃と高温で、鳥取県内で最も高温であるという。主な効能は神経痛、リウマチ、慢性皮膚病、慢性婦人病などであるとされる。
玉造温泉【島根県】
玉造温泉【たまつくりおんせん】は、島根県松江市玉湯町玉造(旧出雲国)にある温泉地である。奈良時代に開湯された古湯は、平安時代にはすでに三名泉(枕草子)に数えられている。
玉造温泉は、規模、歴史ともに島根県随一であり、皆生温泉や三朝温泉などと共に山陰を代表する温泉地といえる。
宍道湖へと注ぐ玉湯川沿いに立ち並ぶ温泉宿は、どの宿も魅力的で、それぞれに趣の異なる温泉風呂が楽しめるという。温泉風呂の他、料理や美しい庭園などが自慢の宿も多いと聞く。
泉質は、硫酸塩・塩化物泉であり、源泉温度は42℃以上といわれている。硫酸イオンやメタケイ酸をバランスよく含む泉質は、ある化粧品製造会社よる調査でも化粧水に匹敵する潤い効果を持つと評価されたことがあるという。玉造温泉は、潤い成分を多く含んだ化粧水のような泉質が特徴の温泉といえるだろう。
古くから美肌の湯として全国に知られている玉造温泉の温泉街には美肌スポットが点在する。また、足湯もありのんびりと散策も楽しめる温泉街である。
松江しんじ湖温泉【島根県】
松江市のシンボルとなっている宍道湖【しんじこ】は、島根県松江市と出雲市にまたがる湖である。淡水湖ではなく汽水湖(平均塩分濃度は海水の約1/10)である。湖の約5割が水深5m以上であり、湖底はほぼ水平になっているという。面積は国内で7番目の大きさであり、島根県内では鳥取との県境に位置する中海に次ぎ、2番目の湖である。
宍道湖は、特に夕景が綺麗なことでも有名で、近くの湖岸の公園から見る宍道湖の光景は心癒されるものがある。
松江しんじ湖温泉は、宍道湖の北側の湖畔に面した情緒あふれる温泉地で、四季折々に変化する宍道湖の眺望を文豪・小泉八雲がこよなく愛したことで知られる。
泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉である。地下1250 mから掘削した高温(77℃)の源泉を全部の宿で活用しているという。肌にしっとり潤いを与えてぽかぽかと温まる温泉であるとされる。
温泉街は、国宝松江城や松江市街地へのアクセスが良く松江観光に便利である。松江は、京都、金沢と並び「三古都」と呼ばれる城下町の面影を残す情緒豊かな街である。堀川をめぐる遊覧船は松江観光の一つで、野鳥や緑豊かな自然が街並みとあいまって、詩的で風流な景観が楽しめると言われ人気が高い。
淡水と海水が入り混じる宍道湖は魚介の宝庫であり、「宍道湖七珍」と呼ばれるシジミ、スズキ、シラウオ、ワカサギ、コイ、ウナギ、モロゲエビを使った郷土料理が有名である。温泉に浸かって疲れを癒したら、郷土料理に舌鼓を打つのが旅の贅沢というものだ。自然がもたらす恩恵をしっかりと享受したい。
温泉津温泉【島根県】
温泉津温泉【ゆのつおんせん】(島根県大田市温泉津町)は、旧石見国にある温泉郷であり、重要伝統的建造物群保存地区(国指定)でもある。港町として栄えた当地は「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として世界遺産にも登録されている所である。
石見銀山の一角にあり、往時は積み出し港として賑わった温泉津港から山側に伸びる温泉街は、長い歴史を感じさせるレトロな感じの日本旅館が両側に立ち並ぶ静かな街並みであった。
温泉津温泉街には江戸・明治・大正・昭和それぞれの時代の建物が立ち並び、今も人々の暮らしが息づく。この温泉街は、時間を閉じ込めた博物館のようだと形容されている。町並み保存地区に指定された温泉街は全国で唯一であるという。
温泉津温泉の湯は、湧出時は透明だが湯船では淡茶褐色を呈すといわれ、古くからその効能の高さが知られているという。豊富に湧き出す湯は、銀山の鉱夫や運び手を癒やしてきたことだろう。
立久恵峡温泉【島根県】
立久恵峡【たちくえきょう】(島根県出雲市乙立町)は、出雲市内を流れる神戸川【かんどがわ】上流にある渓谷である。距離にして約1kmに渡って高さ100~200mもの奇岩柱石がそそり立つ景勝地として知られている。
立久恵峡は、1927年に国の名勝・天然記念物に指定され、1964年には県立自然公園となった。立久恵峡温泉は、そんな立久恵峡のすぐそばにある温泉地である。
立久恵峡にかかる不老橋と浮嵐橋の2つの橋の間は自然観察モデルコースとして遊歩道が設置されている。渓谷美を楽しみながらの散歩の途中には五百羅漢や霊光寺などもある。
立久恵峡にかかる不老橋と浮嵐橋の2つの橋の間は自然観察モデルコースとして遊歩道が設置されている。渓谷美を楽しみながらの散歩の途中には五百羅漢や霊光寺などもある。
客室からは勿論のこと、露天風呂からも山水画に描かれているような奇岩柱石を眺めることができる。癒されると共に贅沢な気分が感じられるひとときである。
鳥取県・島根県に行ったら入湯したい温泉郷一覧
温泉郷 | 所在地 | 特徴 |
---|---|---|
三朝温泉 | 鳥取 | 放射能泉/塩化物泉/単純温泉、800年以上続く世界屈指のラジウム温泉、「3晩泊まって3回朝を迎えると難病も治ってしまう」ことが名前の由来 |
皆生温泉 | 鳥取 | 塩化物泉、弓ヶ浜海岸沿いの絶景やさざなみを見ながら浸かれる温泉地 |
玉造温泉 | 島根 | 美肌、うる肌に効く「美人の湯」、薬湯の「神湯」、日本最古の歴史を持つ |
宍道湖温泉 | 島根 | 宍道湖を眺めながら贅沢な時間が過ごせる温泉宿が立ち並ぶ魅力の温泉郷である |
温泉津温泉 | 島根 | 国指定の重要伝統的建造物群保存地区にあるレトロな温泉郷。石見銀山遺跡と共にその文化的景観が世界遺産に登録された。透明な湯が湯船では淡茶褐色を呈する特徴的な温泉。 |
立久恵峡温泉 | 島根 | 山陰の耶馬渓と称される立久恵峡の柱岩を露天風呂から間近に眺めながら入浴できる |
太字は行ったことがあるお勧めの温泉郷
あとがき
温泉好きの私にとっては温泉地のある山陰は魅力的に映る。どれも素晴らしい温泉であり、遠くない日に是非、再訪したいものだと思っている。
皆生温泉の宿では妻の誕生日を祝ってもらった。妻は照れながらも満足のいく夕食に舌鼓を打ったに違いない。グレードアップされた部屋は十分に快適であった。
玉造温泉では娘達への土産品にと「美肌スポット」と呼ばれる店に真っ先に駆けつける妻が愛おしいと思った次第である。旅行中は娘のことなど忘れてしまう私とは違い、妻は娘達の母なのだと改めて思う。私はすでに父親を卒業させてもらった気になっている。反省すべきか?
松江しんじ湖温泉の宿では、思いがけなくグレードアップされた温泉風呂付きの快適な部屋でくつろぐことができた。出雲大社と美保神社の両参りの御利益であろうかと妻と共に思った次第である。料理も申し分なく美味しかった。
温泉津温泉では、私が昼間に熱中症ぎみで体力を消耗してしまい宿に着くなり眠りこけてしまった。そのため温泉街を散歩する時間を逸してしまい、妻に申し訳なく思っている。それでも少しはレトロな温泉街の情緒を楽しむことができたのは良かった。
立久恵峡温泉の宿では、貸し切り状態であったため露天風呂にカメラを持ち込んで撮影させてもらうこともできた。客室からの景色も申し分なかった。これも出雲大社の御利益かと妻と話した。