はじめに
重篤疾患の発症リスクを増大させる悪しき生活習慣として下記のようなものが指摘されることが多い。
- 喫煙
- 過度な飲酒
- 不健康な食生活
- 運動不足
- 睡眠不足
- 不十分なストレス管理
- 不適切な歯科ケア
これらの悪しき7つの生活習慣を意識することで、健康を維持し、重篤疾患のリスクを減少させられたら良いと思う。しかしながら、何故、これらの生活習慣が健康リスクを増大させるのかを詳細に説明した記事は少ないように思う。
私の単なる調査不足かも知れないが、ダメな理由を明確に知り、理解できたのなら、天邪鬼でない普通の人間ならすぐに止めるのが一般的な行動パターンである。
本稿では、私を含む多くのシニア世代、特に私のように食生活を妻に任せきりであったダメな男性を対象にダメな生活習慣の何がダメなのか、その理由を明らかにしようとするものである。そして、私のようにリタイア後に一人暮らしを健康に生き、趣味を中心とした生活を楽しもうとしている人たちの参考にして貰えれば嬉しい限りである。
喫煙
喫煙は、肺がん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心臓病、脳卒中などの重篤な疾患の発症リスクを高めることはよく知られている。しかし、これら以外の疾患にも悪影響を及ぼしているようである。
喫煙が健康などに悪影響を及ぼす理由としては、下記のような点が指摘されている。
- 呼吸器への影響
- 喫煙は肺の機能を低下させ、息切れや咳、喘鳴などの呼吸器症状を引き起こす
- 免疫力の低下
- 喫煙により免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる
- 重篤疾患の発症リスクを増大
- 外見の変化(老化)
- 喫煙は肌の老化を早める
- 歯や爪の黄ばみ、口臭の原因となる
喫煙は、決して喫煙者本人だけの問題ではなく、周囲への影響も考慮する必要がある。いわゆる受動喫煙は、喫煙者の周りの人々にも健康リスクをもたらしている。
また、喫煙による医療費やタバコ代は、長期的に見て経済的な負担となる。健康を維持し、生活の質を向上させるためには、禁煙が推奨されるのは当然であると言えよう。
とは言え、シニア世代の喫煙者にとっては長年の習慣であり、禁煙することは困難なようである。その理由については、別の記事「喫煙者が喫煙する理由は?禁煙できない理由は何か? 」を参考にして頂きたい。禁煙の一助になることを期待している。
過度な飲酒
飲酒は適量ならば問題ないが、過度な飲酒は肝臓病や高血圧、心臓病、がんの発症リスクを高めるため、節度を持った飲酒が推奨されている。
過度な飲酒が健康に良くない理由をより詳しくみてみよう。
- 肝臓へのダメージ
- 心臓病リスク
- 長期にわたる過度な飲酒は、高血圧や心筋症、さらには心筋梗塞や脳卒中のリスクを増大させる
- 消化器系への影響
- 脳と神経への影響
- アルコールは中枢神経系に影響を与える
- 判断力の低下や記憶障害、重度の依存症を引き起こす
- 精神的健康の悪化
- 事故やケガのリスク
- 飲酒運転や意識の混濁による事故やケガのリスクが高まる
不健康な食生活
バランスの取れた食事は、健康維持には不可欠とされる。逆に、高脂肪、高塩分、高糖質の食事のような不健康な食生活は、肥満や糖尿病、心臓病の発症リスクを高めると言われる。
そんな不健康な食生活が健康にどんな悪影響を及ぼすか、その理由について、より詳しくみてみよう。
- 栄養不足や過剰
- ジャンクフードや加工食品に偏った食事は、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足しがちである
- その一方で、過剰な糖分や塩分、脂肪の摂取が問題となる
- 肥満
- 心血管疾患
- 糖尿病
- 過剰な糖分の摂取は、血糖値の急上昇を招き、インスリン抵抗性に支障を引き起こす
- インスリン抵抗性の低下は2型糖尿病の原因となる
- 消化器系の問題
- 食物繊維の不足は便秘を引き起こす
- 便秘は消化器の健康に悪影響を与える
- 脂肪分の多い食事は消化不良や胃酸逆流を招く
- 精神的健康
結局、バランスの取れた食事と定期的な運動は、肥満や糖尿病、心臓病などのリスクを減少させ、他の疾病の発症リスクを低下させる。
運動不足
定期的な運動を生活習慣に取り入れることは健康維持に必要不可欠であるとされる。定期的な運動の欠如は、肥満、高血圧、糖尿病、心臓病などの発症リスクを増大させるとも言われている。
運動不足が健康に悪影響を及ぼす理由はついて考えたい。
- 肥満
- 筋力と柔軟性の低下
- 運動不足は筋肉の萎縮や関節の硬化を引き起こす
- 日常生活での動作が困難になることがある
- 心血管疾患のリスク増加
- 骨密度の低下
- 運動は骨を強くするために必要
- 運動不足は骨密度の低下を招く
- 骨粗鬆症や骨折のリスクを増加させる
- 精神的健康への影響
- 代謝の低下
- 定期的な運動は新陳代謝を活発に保つために重要
- 運動不足は代謝を低下させ、エネルギーの消費が減少
これらの理由から、健康維持のために定期的な運動を取り入れることは欠かせないことが容易に理解できる。
睡眠不足
慢性的な睡眠不足は、免疫力の低下、肥満、糖尿病、心臓病などのリスクを高めると言われている。つまり、十分な睡眠は心身の健康を維持するために非常に重要であるらしい。睡眠習慣を見直して、健康を守る努力をする必要がありそうだ。
睡眠不足が健康によくない理由としては、下記のような点が指摘されている。
- 認知機能の低下
- 睡眠不足は集中力や判断力、記憶力の低下を招く
- 免疫力の低下
- 十分な睡眠は免疫システムを強化する
- 逆に睡眠不足は免疫システムを低下させる
- したがって、睡眠不足は感染症にかかりやすくなる
- 心血管リスク
- 長期の睡眠不足は高血圧や心臓病のリスクを増大させる
- 代謝の乱れ
- 精神的健康の悪化
- 事故のリスク
- 眠気や集中力の低下を引き起こす
- 交通事故や労働災害のリスクを増大させる
不十分なストレス管理
長期にわたる強いストレスを受けると、心臓病や高血圧、精神的な健康問題を引き起こす可能性が高いと指摘されている。長期間でなくとも強いストレスは心臓病や精神的な健康に悪影響を与えることは容易に推察することができる。
不十分なストレス管理が健康に悪影響を与える理由は多岐にわたっている。
- 心血管疾患
- 慢性的なストレスは高血圧を引き起こす
- 心臓病や脳卒中の発症リスクを増大させる
- 免疫力の低下
- 持続的なストレスは免疫システムを弱める
- 感染症や病気にかかりやすくなる
- 消化器系の問題
- ストレスは胃痛や胃潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)などの消化器系の疾患を悪化させることがある
- メンタルヘルス
- 睡眠障害
- ストレスが原因で不眠症や睡眠の質の低下が生じる
- 代謝の乱れ
- 食欲の変動や体重増加、特に腹部肥満を引き起こす
- 筋肉の緊張と痛み
- 慢性的なストレスは筋肉の緊張を引き起こす
- 首や背中の痛みにつながりやすい
効果的なストレス管理は、心身の健康を維持するために重要である。リラクゼーションや運動、趣味に時間を使うなど、個々人が自分に合ったストレスを軽減する方法を見つけて、それをライフスタイルに取り入れるべきである。
不適切な歯科ケア
不適切な歯科ケアによって引き起こされた歯周病は、心臓病や糖尿病の発症リスクを増大させると言われている。つまり、不適切な歯科ケアは、口腔の健康だけでなく、全身の健康に深刻な影響を与えることがあるというから驚きである。
- 虫歯と歯周病
- 適切なブラッシングやフロッシングが行われないと、細菌が増殖し、虫歯や歯周病(歯茎の病気)を引き起こす
- 感染症のリスク
- 歯周病菌が血流に入ると、心内膜炎やその他の全身感染症のリスクが高まる
- 心血管疾患
- 口腔内の炎症は動脈硬化や心臓病のリスクを増大させる
- 糖尿病の悪化
- 呼吸器疾患
- 口腔内の細菌が肺に入り込むと、肺炎などの呼吸器疾患の発症リスクが増大する
- 妊娠合併症
- 歯周病は早産や低体重児出産のリスクを増大させる
適切な歯科ケアは、これら病気の発症リスクを減らし、全身の健康を維持するために不可欠であることが理解できる。口腔衛生を守るためには、定期的な歯科検診と、日々の正しい歯科ケアが必要である。
あとがき
最後にもう一度、重篤な疾患の発症リスクが高くなる生活習慣についてまとめておこう。これは、私自身への戒めでもある。私は喫煙と過度な飲酒はしないが、それ以外の悪しき生活習慣はどうかというとシロではなく、どちらかと言えばクロに近いグレーである。この機会にしっかりと悪習慣とは手を切りたいものだ。
- 不健康な食事
- 高脂肪、高糖質、高塩分の食事は、心臓病や糖尿病などの発症リスクを高める
- 運動不足
- 肥満や心血管疾患のリスクが増大する
- 不十分な睡眠
- 免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる
- ストレス
- 心臓病や精神的な健康問題を引き起こす可能性がある
- 適切な医療を受けない(歯科ケアを含む)
- 定期的な健康診断や予防接種を受けないと、早期発見や予防が難しくなる
- 歯周病は、全身の健康に深刻な影響を与えることがある
- 過度のアルコール摂取
- 肝臓疾患や癌のリスクを増加させる
- 喫煙
上述の悪しき7つの生活習慣を改善することで、健康を維持し、重篤な疾患の発症リスクを減らすことができるとされている。健康で楽しいシニア時代を過ごすためには、これらの悪習慣を断ち切る覚悟が必要であることを再認識した。次は行動である。この行動への一歩を踏み出すための強い動機づけにしたい。