はじめに
夜空に咲く一瞬の芸術と言えば、花火である。その美しさを写真に残すのは、まるで光の軌跡を描くような体験でもある。
初めての花火を撮影するにはちょっとした準備とコツが必要である。本稿では、初心者でも感動の一枚が撮れるようになるためのポイントを紹介したい。
機材の準備
夜空を切り取るための必須アイテムと言えば、以下のようなものがある。
- 三脚は絶対必要!
- 長時間露光になるから、手ブレ防止に三脚は必須
- レリーズやセルフタイマー
- シャッターを押すときの振動を防ぐために使う
- 広角レンズ
- 花火全体を撮るなら広角レンズ(24mm前後)がおすすめ!
- 風景と花火を一緒に撮る場合
- 望遠レンズ
- 一輪を大きく撮るなら望遠レンズ(70-200mm)がおすすめ!
- 花火を大きく切り取りたい場合
カメラ設定の基本
光の軌跡を美しく残すためにのカメラ設定としては、基本的には以下のようにすると良い。
- マニュアルモードで撮影しよう
- 絞り・シャッター速度・ISOを自分で調整することで、思い通りの仕上がる
- 絞り(F値)はF8〜F11が目安
- 花火の光芒をシャープに写すにはこれくらいちょうどよい
- 花火の光をしっかりと捉える
- シャッター速度は2〜5秒程度
- 花火の軌跡をしっかり捉えるには長めの露光が必要
- バルブモードで、花火の開き始めから終わりまでを露光
- ISO感度は低め(100〜200)に設定
- ノイズを抑えて、クリアな写真に仕上げよう
撮影場所と構図の工夫
- 早めの場所取りが命!
- 打ち上げ場所と風向きを確認する
- 煙が邪魔にならない位置を選ぶ
- 打ち上げ場所や風向きを勘案してベストポジションを確保する
- 前景を入れて奥行きを演出
- 建物や人のシルエットを入れる
- 花火のスケール感が際立つ
- 建物、橋や観客などのシルエットを入れると臨場感が増す
- 風景と花火のバランスを意識
- 空だけでなく、地上の灯りや水面の反射も活かしてみよう
- 花火の比率を意識しよう
- 花火を主役にするなら画面いっぱいに大胆に配置!
- 逆に、夜景や観客の雰囲気を伝えたいなら花火は小さめに添える感じにするとよい
- 縦構図も試してみよう
- 打ち上げの高さを活かしたダイナミックな写真になる
- 打ち上げの高さや空の広がりを強調できる
- 横構図
- 複数の花火や風景を一緒に収めるのにぴったりな構図
- 連続花火は比較明合成で編集!
- 複数の花火を1枚にまとめるためには「比較明合成」テクニックで、迫力ある作品に仕上げられる
画像編集のコツ
花火大会の写真では、色と光を引き立てることが求められる。そこで、撮影した写真画像を編集する際のちょっとしたコツについて紹介したいと思う。
- 色彩補正は控えめに
- 花火の色は繊細だから、彩度を上げすぎると不自然になる
- 自然な発色を意識して調整する
- 明るさとコントラスト
- 夜空とのコントラストを強調すると、花火がよりくっきりと浮かび上がる
- ノイズ除去
- ISO感度が高すぎるとノイズが出やすいから、編集で軽く除去してスッキリと仕上げる
- トリミングで構図を再調整
- 撮影時にうまく構図が決まらなくても、編集でバランスを整えればOKである
構図と編集は、花火の「感動」を伝えるための大切なスパイスとなるので、試してみる価値があると思う。
撮影当日の工夫と注意点
- 風や天気に注意
- 風が強いと煙が流れてしまう
- 風向きは事前にチェック!
- 風向きに注意
- 煙が画面にかからないように風下は避ける
- 打ち上げタイミングを読む
- 音と光の間に少しラグがあるので、音を聞いて準備する
- 予備バッテリー
- 長時間の撮影になる
- 準備はしっかりとする
- メモリーカードを忘れずに
- 意外に盲点になることがある
- 現地であせることのないように
- ヘッドライトも便利
- 暗闇での操作に備えて
- 設定変更や機材の確認がスムーズになる
あとがき
花火撮影は、まるで夜空に絵を描くような体験である。
花火撮影は「準備8割、撮影2割」とも言われるほど、事前の工夫が大切である。初めてでも、本稿で紹介したような知識や技術で感動の一瞬を美しく残せるはずである。準備とちょっとした工夫で、感動の一瞬を永遠に残せるようにしたいものである。