はじめに
いつもと同じ茶葉なのに、今日はなんだか美味しい…。 そんな経験、ありませんか? 実はそれ、淹れ方の違いである可能性が高い。
日本茶は、ほんの少しの工夫で味も香りも驚くほど変わる繊細な飲み物である。
日本茶を美味しく淹れるには、シンプルながらも奥深いコツがいくつかある。
本稿では、誰でも簡単にできる“美味しさを引き出す淹れ方のコツ”をちょっとしたウンチクを交えながら紹介したい。
お湯の温度が味を決める!
日本茶の種類ごとに適したお湯の温度がある。温度によって味わいが大きく変わるため、これを意識するだけで格段に美味しくなる。
- 玉露や高級煎茶
- 50〜60℃の低温でじっくり。うま味(テアニン)が引き立ち、まろやかで甘い味わいに
- 普通の煎茶
- 70〜80℃でバランスよく。香り・渋み・うま味が調和した一杯に
- ほうじ茶・玄米茶
- 90〜100℃の熱湯でOK。香ばしさが際立ち、すっきりとした後味に
温度を変えるだけで、同じ茶葉がまるで別物のように感じられる!
高温だと渋みが強く出やすく、低温では甘みや旨味が引き立つので、お気に入りの味を探してみると楽しい。
「冷まし」の技術
玉露や高級煎茶を淹れる際、急須にお湯を直接注ぐのではなく、一度湯呑みに移して適温まで冷ます「湯冷まし」という技法がある。
これにより、お湯が急須に当たって茶葉がびっくりすることを防ぎ、旨味が引き出されるという。
水の質が味を左右
良いお茶ほど水の質が重要になる。日本の水道水は軟水なので日本茶に適しているが、浄水器を使ったり、ミネラルウォーターを選ぶ場合は硬度が低いもの(軟水)を選ぶとさらに美味しくなると言われている。
茶葉の量とお湯の量
「濃い=美味しい」わけではないのが日本茶の奥深さである。
茶葉の量は、1人分で約2〜3g(ティースプーン1杯)に対して、90mlのお湯を使う。この黄金比率を守ることで、風味豊かな一杯が淹れられるはずである。ただし、お茶碗の大きさや好みによって調整してもよい。
蒸らし時間の魔法
抽出時間は30秒〜1分。長すぎると渋みが出すぎてしまうので注意!
お湯を注いだら、茶葉がじっくり開くまで待つのが大事である。蒸らし時間の目安は以下の通りである。
- 煎茶:30~60秒
- 玉露:1~2分
- ほうじ茶・番茶:30秒程度
時間を短くするとさっぱり、長くすると濃厚な味わいに仕上がるはずである。
急須の中で茶葉がゆっくり開く様子を眺めながら、ちょっとした“待つ時間”も楽しんでみてください。
急須の角度と茶こしの役割
急須を使うときは、茶葉が均一に浸かるようにお湯をまわすとムラなく抽出できる。
意外と見落としがちなのが、最後の一滴まで注ぎ切ることである。この「最後の一滴」が実は一番濃厚な味わい(うま味成分が凝縮)を含んでいると言われている。
急須をしっかり傾けて、すべて注ぎきることで、味のバランスが整い、次に淹れるときの茶葉の状態も良くなる。
器や茶道具への気配り
湯呑みの厚みや素材によっても、口当たりや温度の感じ方が変わる。 たとえば、薄手の磁器はすっきりとした味わいを引き立て、厚手の陶器はまろやかさを強調してくれる。
また、急須の素材や形状も味に影響を与えるので、自分好みの道具を揃えるのも楽しみの一つとされている。
温かい日本茶を淹れる際には、湯呑みをあらかじめ温めておくのがプロの技であるらしい。これにより、お茶が冷めにくくなり、香りがしっかり引き立つ。
お気に入りの器で飲むと、気分まで豊かになったように思うものである。
あとがき
お茶の時間が、もっと特別になる!
日本茶は、ただの飲み物ではない。 その一杯には、季節の移ろいや心を整える時間が詰まっている。
一杯の日本茶を丁寧に淹れることで、日常がちょっと贅沢なひとときに変わる。今日から、あなたも自分だけの極上の淹れ方を見つけてみませんか?
ちなみに、あなたは煎茶派ですか、それとも玉露やほうじ茶がお好きですか?