はじめに
私は会社員をリタイアして以降は、三重県名張市で生活することが多くなっている。この名張市の隣には伊賀市があって、私が初めてバードウォッチングで訪れた三重県上野森林公園も伊賀市に所属している。
三重県上野森林公園は、名張市からも近いので、バードウォッチングのために私がよく訪れている公園である。冬鳥に会える季節となったので、三週続けて三重県上野森林公園に出かけてみることにした。正直に話せば、実は一週目に行ったときには冬鳥の写真が一枚も撮れなかったのが悔しく、二週目と三週目にリベンジに行った次第である。
そして運よく冬鳥の何羽かを写真に撮ることができたので本稿を書いているところである。
三重県上野森林公園
三重県上野森林公園は、自然と親しみ、やすらぎを得る場、自然への理解を深める場として利用することを目的として造られた、森林を生かした自然公園である。
園内には、サギソウ園をはじめ大小の湿地があり、多くの生き物の営みを観察することができる。また、展示室や研修室も完備されており、無料で利用できる。私が受けた印象では、平日はペットの犬を散歩させる人やウォーキングをしているシニア世代が多い。週末の休日には家族連れで賑わっているものと推察するが、あいにく私は休日に行ったことがないので分からない。
三重県上野森林公園の園内には遊歩道が整備されているので、ウォーキングを楽しんでいる人が多いのは分かるが、私のようにバードウォッチングをしている人に実は出会ったことがないのが不思議である。勿論、私は毎日、朝から晩まで公園に通っているわけではないので、バードウォッチングをしている人もきっといるのだろうとは思うが、もっと多くの人が野鳥に出会いに来ていてもよかろうと思うわけである。
私がどうしてそのように思うかというと、三重県上野森林公園は四季を通じてさまざまな野鳥が観られる公園であるからである。つまり、この森林公園でバードウォッチングはできる。例えば、冬鳥としては、ビンズイ、ルリビタキ、ジョウビタキ、ノスリ、ハイタカ、ツグミ、カモ類などが見られる。
私はまだ参加したことはないが、三重県上野森林公園では定期的にバードウォッチングのイベントを開催しているらしい。何が言いたいかというと、三重県上野森林公園でバードウォッチングを十分に楽しむことができるということである。
三重県上野森林公園は、およそ43 haの広大な公園であるので、バードウォッチングをしながら歩いていると知らず知らずのうちに歩数が増えており、ウォーキングをしていることにもなる。
私の経験では、毎回12,600歩以上は歩いている。野鳥を探しながら歩いているので、当日は余り疲れを感じない。疲れを感じるのは翌日である。三重県上野森林公園はバードウォッチングとウォーキングに最適な場所の一つと言ってよいかも知れない。
12月に入り、冬鳥を観察できる季節となったが、立ち止まって観察することが多いので、ウォーキングウェアは、保温性と防風性の高いものを選んだ方がよいだろう。また、帽子や手袋などの防寒具も忘れずに持っていった方がよい。
三重県上野森林公園でバードウォッチングとウォーキングを一緒に楽しみましょう。
冬鳥
冬鳥【ふゆどり】とは、秋に北方から日本に渡来して、春に再び北方に渡去する鳥たちを指す用語である。冬鳥には、カモ類、ガン類、ハクチョウ類、ツル類、ユリカモメ、ジョウビタキ、ツグミ、シメ、アトリ、ベニマシコ、レンジャクなどがいる。
冬鳥は、夏鳥【なつどり】に比べて身近な場所で見られるものが多い。そのため、観察しやすいのが魅力的である。冬は樹木の葉が落ちて鳥の姿が見やすくなり、低い位置で行動することも多いからである。冬鳥を観察することで、季節の移り変わりや自然の豊かさを感じることもできる。
三重県上野森林公園で観察できるらしい冬鳥を下表に記載する。
ルビタキ | ジョウビタキ | ミヤマホオジロ |
カシラダカ | アオジ | ベニマシコ |
アヒワ | シロハラ | ツグミ |
トラツグミ | カモ |
私が三重県上野森林公園で出会うことができたミヤマホオジロは、ファンキーな色と形の頭で人気の冬鳥であるらしい。
冬鳥として人気の高いジョウビタキにも出会うことができた。ジョウビタキは他の野鳥に比べて警戒心が低いのかも知れない。結構、長い時間にわたり私の撮影に付き合ってくれた。
ジョウビタキは、スズメ目・ヒタキ科に分類される小鳥で、日本では冬によく見られる渡り鳥である。
しかし、ジョウビタキを上野森林公園で見かけたのは今回が初めてであり、毎回出会えるわけでない。
ちなみに、夏鳥とは、春に南方から日本に渡来して、秋に再び南方に渡去する鳥たちを指す用語である。夏鳥は、日本で繁殖期を過ごし、子育てをする。夏鳥には、ツバメ、オオルリ、キビタキ、コマドリ、ホトトギス、コチドリ、サシバ、アカショウビンなどがいる。夏鳥は、美しいさえずりや子育ての姿が観察できるのが魅力的と言われている。私は、夏鳥にはあまり縁がなさそうである。鳴き声は聞くが、姿を見たことがない。
三重県上野森林公園で観察できるらしい夏鳥を下表に記載する。
オオルリ | キビタキ | コサメビタキ |
サンショウクイ | ツツドリ | ホトトギス |
センダイムシクイ | ヤブサメ | コマドリ |
サンコウチュウ |
留鳥
留鳥【りゅうちょう】とは、年間を通して同じ場所に生息し、季節による移動をしない鳥たちを指す用語である。日本では、スズメ、シジュウカラ、メジロ、キジやヤマドリなどが留鳥とされている。留鳥は、その地域の自然や気候に適応している鳥で、一年中観察することができる。
三重県上野森林公園で観察できるらしい留鳥を下表に記載する。
ヤマガラ | シジュウガラ | メジロ | エナガ |
コゲラ | アオゲラ | アカゲラ | カワセミ |
ホオジロ | イカル | ウグイス | ヒヨドリ |
カワラヒワ | ハクセキレイ | ヒバリ | フクロウ |
私の好きなメジロは、三重県上野森林公園に多く生息しているような印象を受けた。夏場には全く姿を見ることが叶わなかったメジロではあるが、冬になり樹木の葉がなくなったおかげでメジロの姿を見ることが容易になったようだ。鶯色した羽に、目の周りが白いので見分けがつきやすく、可愛い野鳥である。
コゲラは、キツツキ目キツツキ科に分類される野鳥で、日本では最も小型のキツツキである。コゲラは動きが早くて、なかなかうまく写真に撮れない。上野森林公園で撮影できたのも今回が初めてである。
ヒヨドリは、鳴き声が大きく、体も比較的大きいのですぐに分かる野鳥である。ヒヨドリも三重県上野森林公園には比較的多く生息しているように私は思っている。
ヒヨドリは独特の鳴き声であり、その姿を把握しやすいのでポピュラーな野鳥と言えるだろう。留鳥であるので年中、会うことができる。但し、警戒心が強い野鳥なのでカメラに収めるには苦労する。
名 称 | 三重県上野森林公園 |
所在地 | 三重県伊賀市下友生1番地 |
Link | 三重県上野森林公園 見どころ | 三重県上野森林公園 |
あとがき
私がバードウォッチングを始めてから早くも一年が過ぎてしまった。あまり活発に行動していないこともあって、撮影できた野鳥の数も全く増えない。野鳥の撮影は結構難しいものである。野鳥は葉がよく茂っている樹木に集まってくるが、そんな野鳥の全身を捉えることは至難の技と言える。
だから晩秋になり落葉樹の葉が落ちてしまったこの時期であるならば、野鳥を撮影できるのではないかと思い、いつも出掛ける三重県上野森林公園にバードウォッチングのために三週連続で行って来た。そして二週目でようやく数羽の野鳥の姿をカメラに収めることに成功した。
一周目は、観察広場に三脚を立て、望遠レンズを装着したカメラを準備して野鳥がやってくるのを長時間にわたって待機していたが、この作戦は見事に失敗に終わってしまった。時折やってくる野鳥は、落葉した樹木に羽を休めることなく、すぐに飛び立ってしまったからである。
そこで二週目と三週目は、カメラを持って鳥の鳴き声のする森林を歩き廻り、やっとのことで撮影のチャンスを得たわけである。おかげで意図せずにウォーキングも同時に行っていたことになった。
バードウォッチングとウォーキングを別々に分けて考える必要などなく一緒にやってしまえば、健康にも良いというものである。私は、バードウォッチング=ウォーキングと考えようと思う。
三重県上野森林公園には多くの種類の野鳥が生息している。私が目にできた野鳥はごく一部と言ってよい。これからもここに通って、まだ出会っていない野鳥を是非、カメラに収めたいと思う。