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  • 日本の古代を形成した令制国──飛鳥時代から明治初期まで続いた地理区分とは

    目次
    はじめに
    令制国の名称と配置
    五畿
    七道
    東海道
    東山道
    北陸道
    山陰道
    山陽道
    南海道
    西海道
    あとがき

    はじめに

    令制国【りょうせいこく】(または律令国【りつりょうこく】)とは、日本の律令制に基づいて設置された地方行政区分であり、飛鳥時代から明治初期まで日本の地理的区分の基本単位とされた。(引用:ウィキペディア)

    その令制国の一つである 因幡国【いなばのくに】 は、現在の鳥取県鳥取市・岩美郡・八頭郡に相当し、日本神話「因幡の白兎」の舞台としても知られている。

    私が現在暮らしている名張市も、かつては伊賀市とともに 「伊賀国」 と呼ばれた地域に属していた。

    また、現在放送中のNHK大河ドラマ「どうする家康」の主人公・徳川家康の最初の所領である 三河国、今川義元が支配した遠江国・駿河国が、現代のどの県に相当するのかを知ることは、当時の政治の中心であった 京(平安京)との位置関係を理解するうえでも重要である。

    このように、日本神話や日本史を学ぶ際には、令制国の知識があることで地理的な理解が深まり、歴史の流れをより立体的に捉えることができる。 本稿では、令制国の基礎知識を分かりやすく簡潔にまとめてみたい。


    令制国の名称と配置

    令制国は、奈良時代、平安時代から江戸時代の長期にわたってほとんど変更がなかった。つまりは7世紀後半からの19世紀中頃に至るまで日本の地方行政区分は不変であったわけである。

    日本全体を総称する際には「日本六十余州」などと表現することもあったが、令制国一覧には五畿七道に分類されて令制国が配列されている。令制国のなかには廃止・消滅したものや一時的に存在したものもある。


    五畿

    五畿とは、畿内に位置する5つの令制国を指す。

    1山城国【やましろ】1山州(城州、雍州)
    2大和国【やまと】2和州
    3河内国【かわち】3河州
    4和泉国【いずみ】4泉州
    5摂津国【せっつ】5摂州

    七道

    七道とは、東海道、東山道、北陸道、山陰道、山陽道、南海道および西海道を指す。


    東海道

    6伊賀国【いが】 6伊州
    7伊勢国【いせ】 7勢州
    8志摩国【しま】 8志州伊勢国より分立
    9尾張国【おわり】 9尾州
    10三河国【みかわ】10三州(参州)
    11遠江国【とおとうみ】11遠州
    12駿河国【するが】12駿州
    13伊豆国【いず】13豆州駿河国より分立
    14甲斐国【かい】14甲州
    15相模国【さがみ】15相州
    16武蔵国【むさし】16武州
    17安房国【あわ】17房州(安州)上総国より分立
    18上総国【かずさ】18総州
    19下総国【しもうさ】18総州
    20常陸国【ひたち】19常州

    東山道

    21近江国【おうみ】20江州(近州)
    22美濃国【みの】21濃州
    23飛騨国【ひだ】22飛州
    24信濃国【しなの】23信州
    25上野国【こうずけ】24上州
    26下野国【しもつけ】25野州
    27陸奥国【みちのおく】26奥州(陸州)常陸国より分立
    28出羽国【でわ】27羽州
    29陸前国【りくぜん】26奥州陸奥国より分立
    30陸中国【りくちゅう】26奥州陸奥国より分立
    31岩代国【いわしろ】28岩州陸奥国より分立
    32磐城国【いわき】29磐州陸奥国より分立
    33羽前国【うぜん】27羽州出羽国より分立
    34羽後国【うご】27羽州出羽国より分立

    北陸道

    35若狭国【わかさ】30若州
    36越前国【えちぜん】31越州
    37加賀国【かが】32加州越前国より分立
    38能登国【のと】33能州越前国より分立
    39越中国【えっちゅう】31越州
    40越後国【えちご】31越州
    41佐渡国【さど】34佐州(渡州)

    山陰道

    42丹波国【たんば】35丹州
    43丹後国【たんご】35丹州丹波国より分立
    44但馬国【たじま】36但州
    45因幡国【いなば】37因州
    46伯耆国【ほうき】38伯州
    47出雲国【いずも】39雲州
    48石見国【いわみ】40石州
    49隠岐国【おき】41隠州

    山陽道

    50播磨国【はりま】42播州
    51美作国【みまさか】43作州備前国より分立
    52備前国【びぜん】44備州
    53備中国【びっちゅう】44備州
    54備後国【びんご】44備州
    55安芸国【あき】45芸州
    56周防国【すおう】46防州(周州)
    57長門国【ながと】47長州

    南海道

    58紀伊国【きい】48紀州
    59淡路国【あわじ】49淡州
    60阿波国【あわ】50阿州
    61讃岐国【さぬき】51讃州
    62伊予国【いよ】52予州
    63土佐国【とさ】53土州

    西海道

    64筑前国【ちくぜん】54筑州
    65筑後国【ちくご】54筑州
    66豊前国【ぶぜん】55豊州
    67豊後国【ぶんご】55豊州
    68肥前国【ひぜん】56肥州
    69肥後国【ひご】56肥州
    70日向国【ひゅうが】57日州(向州)
    71大隅国【おおすみ】58隅州日向国より分立
    72薩摩国【さつま】59薩州日向国より分立
    73壱岐国【いき】60壱州
    74対馬国【つしま】61対州

    あとがき

    かつて日本全体を指す言葉として「日本六十余州」という表現が使われていたため、私は令制国の数もそれに近いものだと漠然と思い込んでいた。しかし実際には 令制国は74か国 に及び、その多さに改めて驚かされた。

    また、美作国【みまさかのくに】が現在の岡山県北部の一部に相当する令制国であったことも、今回初めて理解することができた。

    令制国は、古代から明治初期まで続いた日本の地方行政区分であり、地理的区分の基本単位でもあった。改めてその区分を眺めてみると、現在の行政システムとして採用してもよいのではないかと思うほど、地理的にも歴史的にもバランスの取れた区分であるように感じられる。明治維新によってこの区分が失われたことを、どこか惜しく思ってしまうのは私だけではないだろう。

    私事ながら、リタイア後に一人暮らしを始めた名張市は、隣の伊賀市とともに 「伊賀の国」 と呼ばれる地域に属している。「伊賀」という呼称は現在でも三重県伊賀地方を指す名称として用いられ、伊賀市と名張市を中心に構成されている。伊賀は 伊賀流忍者の発祥地 として知られるほか、伊賀焼(陶器・炻器) や 伊賀組紐 の産地としても名高い。


    参考資料
    令制国 – Wikipedia
    令制国一覧 – Wikipedia
    五畿七道 – Wikipedia